お嬢様と殺人鬼。ⅲ
- カテゴリ:自作小説
- 2012/08/08 23:04:53
「…出せよ…ぉお……出せっつってんだろぉぉおおおお?!?!」
がしゃがしゃと乱暴に檻をゆすっても、俺の手が痛くなるばかりだった。
棘の生えた格子は掴むだけで血が滲む。
「んー。ごめんね、もう少しだけ待っててくれないかなぁ」
俺を檻に閉じ込めた少女はそう言って、檻の天上を苦笑しながら撫でた。
そうやってぼんやり空を見上げていた俺の背中に、
声がかけられたのはたっぷり30分もしてからだった。
「ねえ君、もしかして誰か探してるの?」
少女はデシードとか言う自称詐欺師の怪しげなフリークサーカスのオーナーだった。
俺は呆けたまま、まんまと頷いて少女の手に握られていた鎖の先に居た獣みたいな変な奴に襲われて気を失った。
目が覚めたら手枷足枷首輪を嵌められて、狭い檻に閉じ込められていた。
…もしかしたら、少女は知っていたのかもしれなかった。
その日の夜、すぐに少女はフリークサーカスを開いた。
客なんか来ないだろうと思っていたら、がやがやと賑やかな喧騒が微かに外から聴こえてきて正直驚いた。
「さーあみなさんようこそおいでくださいました!」
始まりの挨拶と共に、異形の姿をした人間が檻から
放たれ一人一人、思い思いの演目を披露して大歓声を浴びていた。
そしていよいよ最後の一人、俺の番と言う所で少女は、終わりの挨拶をし始めた。
あっさりとサーカスは終わってしまって、舞台裏に戻ってきた少女は。
驚く俺の目の前で、そっと、「内緒だよ?」と言って俺の檻の鍵を外して走れと命じた。
俺は言われるがままにサーカスの舞台裏から猛スピードで駆け出した。
すぐに深い森の奥、開けた平原に出た。
すると身体中に電流が迸ったかのような、悲鳴が聴こえて。
彼女はすぐそこに居た。
たくさんの、得体の知れない汚らしい男共に囲まれた彼女が。
俺は男共のしようとしていることが、いまいちピンと来なかったけれど。
たまらなく汚らわしくて最低な行為であることだけが解った。
俺は本能の命じるままに武器が欲しいと強く思った。
すると手に、あの鎌が握られていた。
悪い夢から覚めたように突然はっとした俺の目の前で、
彼女が震えていた。
俺の周りには、たくさんの惨たらしい死体が転がっていた。
彼女は返り血に汚れた俺を見て、震えながら走って逃げた。
きらりと冷たい月明かりに反射した雫が俺の目にいつまでも焼きついて、
俺はその日から――
…戻れナくなッた。
*****
その日から。
一度入れたスイッチが、壊れて元に戻らなくなったみたいに。
「――はぁぁぁあああああッッ!!!!」
俺は馬鹿みたいに人を殺し始めた。
最初は一晩に一人、次は二人、その次は三人と増えていって、
だんだん殺す人数が増えていった。
しまいには数え切れなくなって、俺は血を見ないと自分を保っていられないほど可笑しくなっていた。
そして気づいた。
自分の背中には真っ赤に汚れた翼が生えていたことに。
誰かが言っていた、"赤い羽のバルムンク"と。
真っ赤に染まった視界には、真っ赤な世界しか映らない。
どうして殺人衝動を抑えきれなくなったのか、自分でもはっきり言って理解できなかった。
彼女が逃げた理由なんて解ってた。
解ってた。
わかってた。
ワカッテタ。
わかってた。
でも、わかりたくなかった。
…俺、何してるんだろ
「――もう止めてええええええええええッッ!!!!!」
気づいたらその耳には、声が届かなくなっていた。
気づいたらその耳には、絶叫が木霊していた。
追い求めていた彼女の声だ、………あれ、どうして俺、動けないんだ。
息が出来なくなるほど強く抱きしめられて、俺はようやく気がついた。
真っ赤だった世界が、徐々に元の色を取り戻し始めて。
「……ッばる…む………く………ッ…ごめ…ね……」
刃を通して伝わる鼓動が止まったとき、俺はようやく取り返しのつかないことをしてしまったことに気づいた。
*****
俺は死を選んだ。
もう死ぬしかなかった。
彼女をも殺めたこの鎌で、俺も死んでやる。
その鎌の刃が胸に突き立ったとき、俺はやっと気がついた。
………俺、"ありがとう"って言ってない、
*****
四度目の闇。
でも今度は、右手首に重い錘が繋がれていた。
声はもう聴こえなかった。
…でも俺は、
――何度デも、生キ返っテやる
*****
ぶわーくそねげぇわろしwwwwwwww
ここまで読んだ人馬路勇者wwwww
ついてきてくれてありがとう!
バルムの過去の全てでしたー
…てなわけで改めてお嬢様探してますw
抱きしめてあげようではないか(
ほら、俺の胸に飛び込んでおいで\(☣ω☣)/((((
おおうwww確かに結構なお年ねwww
読みやすかったbb最高だったよbb
なるほどww確かにそうすると書きやすいのかもねb
参考にさせてもらうぜ!!ぐふふh←
勇者さまあああああ(ry
お嬢様以外だと華麗に避けられます…が藤月になら私が抱きしめられたい、(爆
自分で書いてて泣きそうだったw
でもバルムはもはや合計で111歳の計算なんだよね✩(
読みやすかったかな?w
行を空けて感情と情景を交互に描くスタイルに最近は凝っててねーw
解りますわかります(ry
ほんとですか!期待してます!(
うわ、祭りの達人/(^Q^)\
もはや手に持っているだけで食べられてない状況が素晴らしい…!
バルム…、お前、、抱きしめていいですか(
もう本当に虚しくて切なくて。
心が息ぐるじいでふ((
何でこんなきれいに書けるんだ!!
その能力俺にもわけてくれよ…。
白いワンピース・・・!
どんな格好もこなすと信じてます☆(
ちなみに一番凄いときは(個人設定←)右手にりんごあめ、わたあめ、チョコバナナ。袋の中にはたこ焼き。左手にかき氷な時ですwww
一番お気に入りはりんごあめ・・・今も持ってますがw
撫で…?!(ry
きっとお嬢様以外だと逃げちゃいますうふふ(
リユアちゃんktkr!
あれ、実は白いワンピースが似合ったりして…/(^Q^)\(爆
凄いwwww逆に一人寂しくわたあめとデートしてたアリヒェンwww
手頃なのが居ないんですよ!ユリアちゃんくらいしか・・・
あ・・・ユエに家柄がいい設定があったからユリアもそうかm(
お祭りは一人でふらふらして満喫していたメルメルですwwww
きたあああ!!勇者現る!!!(爆
ふふーw
我ながら、我が子の中で一番悲劇な過去なんじゃないかと…w
ゑ、貰って良いんですよ、(ry
うわーい待ってました!!いま会いにゆきます!(
バルム君・・・こんなことがあったのね・・・
お嬢様を守りたかっただけなのに気づいたら4回も死んでて。
4度目の正直って訳ですねー・・・。
ちっくしょう、貰いたい←
あ、サークルのお祭りイベでメルメルとアリヒェンちゃん、ちょっと接近させませぬか\^p^/←