Nicotto Town


「さくら亭」日報


『エア・ギア』全巻感想


(ネタバレも含みます、たぶん)

17日に『エア・ギア』(大暮維人・講談社KCコミックス全37巻)
最終巻が出ると知ったので、
じゃあ読んでなかった分まとめて読もうと思ったんです。
そうしたら中盤の数冊しか読んでなかったことが発覚。
それは単に私が人形者であるということがすべての理由。
一時期はまってたピンキーstというフィギュアがあったんですが、
それが特典でついてくるコミックスがあったのですよ。
だから私から見ればおまけのコミックスをざっと読んでた&
その後の数冊をコンビニでちら読みしていただけだったのです。
なので。
休みを利用して涼しいネカフェに脱出。
約11時間で全37巻読了。
いやあ、マンガ読むの遅くなったなあ。

まず思ったことはです。
ここまで風呂敷広げた話をたたんだことに拍手。

運動神経は抜群だがワルの少年、南イツキ。
自分の通う中学で悪名を轟かしていたものの、
ATを使う暴風族に手も足も出ずに敗北。
AT――インラインスケートにモーターがついたもので、
原付よりパワーがあり、壁を利用して飛んだりもできる。
共に育った野山野姉妹にATを譲られ、敗北した相手と再戦。
勝利したイツキは飛ぶことに魅了され、
幼馴染たちとチーム『小烏丸』を結成。
ATライダーはチームを組んでバトル(パーツウォウ)に参加し、
ランクを上げていくのだが、
まだ初心者のイツキにATライダーの頂点「空の王」の資格を見た
トップライダーたちの思惑により抗争に巻き込まれていく――。

私自身は高い所も嫌だし、スピードの早いのも怖い。
でも飛びたい、高く早く、と駆られる気持ちはどこかで理解できるのです。
主人公イツキはそういった感情だけで前へ前へと進んでいくタイプ。
いやもう、俺様だしエロガキだし下品だし結構問題児なんだけれど
絶望的な状況でもコイツならなんとか打破できるんじゃないかという
そんな期待を持たせてしまうんですね。

バトルものといえば少年ジャンプのものがどうしても目をひいてしまうけれど
『エア・ギア』はジャンプものにない特徴が。
それは女性陣。
ヒロイン、リンゴを含む野山野4姉妹をはじめとして、
対戦するチームには必ず女性がいるだけでなく、女性ばかりの集団もあったり。
巨乳普通乳貧乳よりどりみどり。
ただちょっと、脱がせすぎだろうとは思います。
そんなに簡単に見せるんじゃない、もったいない!
しかも女性キャラに嫌味がないんです。
男性目線で都合のいいキャラばっかりじゃない。
女性読者のため(?)に美青年美少年も多し。
ギャグ要因のブサイクキャラすらレギュラーでいたりと
そりゃ男女どちらからでも人気出るわ。

ごく正直な感想としましてはラスボスとの対決である最終決戦が、
大きくなりすぎて「面白い」とはあまり思えなくて。
最終決戦をそれなりに盛り上げないと、というのは分かるけれど
『エア・ギア』という作品特有の軽やかさが犠牲にされてるから。
個人的に一番面白かったのは「無機ネット」戦「スレイプニール」戦。
主人公が強くなっていくのは当たり前といえば当たり前なんだけど、
その主人公についていく天才でない普通の凡人たちも
必死に追いかけて強くなっていくのが嬉しい。
いや別にカズがちょっと美形だから贔屓しているわけではないよ、うん。
どう考えても私が贔屓するのはアギトしかないし!(って、そっちかよ!)

本音の本音ですがアギトは私の好みという意味でロイヤルストレートフラッシュ並み。
鬼太郎系の髪型に二重人格、14歳で華奢で小柄。
これを好みと言わずなんと言うか。
というわけで(?)激しくアギト×中山弥生に萌えたんですが
やはり茨の予感……はっ!これが本当の棘の道だったのか!?

とか言うのは置いておいて。
結局のところ諸悪の根源って南博士だよね?
んでもって、イツキの父親、だよね?
実子かどうかは定かではないけれど。
あの親父なら自分のクローンに脳基移植しちゃったりしかねない。
しかし梨花にミカン・リンゴ・ウメにイツキを押し付けるなら
十分な養育費くらい渡してやれよクソ親父。

コロ爺&折原なんかはもっと裏設定があったんじゃないかと疑ってる。
途中で切り捨てられた伏線も多そうだなあ。
後付設定はもっと多そうだけどw
それでも大きな破綻は感じられないから、そういう意味でもすごいと思う。
長期連載になればなるほど矛盾と破綻が悪目立ちすることも多いのに。

ところで、つまみ読みすら途中でしなくなったのは
「はぁっ!?ヒロイン交代!? 信じられん!!!」
ヒロインであるリンゴがイツキと敵対することになって、
入れ替わるようにイツキの調律者(予定)の枢が大きくクローズアップされて。
実際、作者このままイツキの相手は枢にするつもりじゃあ……
とかなり疑って、気分が悪くなって。
現実ならともかく、漫画の世界では心変わりとか相手役交代って
かなり心象悪い。
イツキがリンゴをどう思っているかはずっとはっきりされてなかったし。
(ガキだから恋愛面が遅れているというのもあるが)
つかライダーと調律者の関係って十分男女の関係ですから、
それをひっくり返してリンゴの逆転ができるのかかなり心配しましたとも。
良かった~!
無茶といえば無茶なんですけどね。

良かったと言えば、空の梨花に対する気持ちが打算だけでなくて本当に良かった!
空は、普通に育てられていればあそこまで歪まなかったんだろうなあ。
だから単純に梨花に育てられたイツキが羨ましかったんだと。
資質という以上にね。
あと、やっぱり宙がいなければあそこまでのし上れなかったと思う。
逆にそれが彼の不幸だったのかも。
ガゼルを追い詰めるちびっこツインズ時代の空がある意味一番怖かった……。
同じ重力子でもそれなりに幸せになっているキャラもいるだけに。
実はこれまで無職だった某パパとかw

パパといえば海人ですがw
亜紀人への愛情、歪んでる歪んでる!
そんなんでもう一度ちゃんと凛鱗人を育てられるのか!?

で、ふと思ったんですが。
重力子でない「王」クラスだと調律者が必要になるんですよね?
特に成長期だったりすると。
そうなるとイツキはともかくカズに調律者が現れる可能性もある、と。
ラストでエミリとくっついたばかりなのに、
血の雨が降らなければいいなあw

弥生がアギトの調律者になったのはいいんだけど
道具もない状態でどうやって調律できたのかは謎ですが
亜紀人の存在が媒介になって道具なしでも可能になったのかな?
今後、弥生がトゥール・トゥール・トゥで学ぶ可能性はあるけど。
ちなみに弥生のような地味目の顔立ちの子は将来化粧で化ける!
体型はまだ中学生だからこれから、これから♪

というわけで萌えのあまり21~24巻(だけ)を買ってきたりしたのでした。
これで小野先生の新刊発売までしのぐわ。

*んで中山弥生ちゃん萌え故に、ヘアスタイル新調しましたw
実はもっとイメージに合うのがあったけど黒がなかったので
髪をおろした時に近いかなあ、って。
翼を広げて魔法を使って、というメッセージ込みだったりします♪
私服にしなかったのは、彼女の私服系持ってないからなんだよね……。




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