昨日は、七夕

そこで「たなばたさま」の歌について書きました。
七夕　彦星　と　童謡「たなばたさま」
http://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=452359&aid=41735408

「たなばたさま」
作詞…権藤 花代・林 柳波、　作曲…下総 皖一
1941（昭和16）年3月に、文部省発行の『うたのほん 下』に掲載された曲です。

１、ささの葉　さらさら
　　のきばにゆれる
　　お星さま　きらきら
　　金銀砂子（きんぎんすなご）

２、五色（ごしき）の　たんざく
　　私が書いた
　　お星さま　きらきら
　　空から見てる


この歌の作詞者、権藤花代と
この歌の意味について、もう少し考えてみました。

笹の葉さらさら……♪　ではじまるこの歌は、
昭和16年に文部省唱歌として採用されたもので、作曲者は下総皖一です。

作詞者に権藤 花代・林 柳波の2名の名があるのは、
権藤の詞を林が補作したためであるといいます。

いろいろ調べてみましたが、
この補作というのは、どうやら
「きらきら おほしさま」となっていたのを、
「おほしさま きらきら」と語順が入れ換えられた部分だけのようです。

曲についても、、「ト長調」「四分の二拍子」から「ヘ長調」「四分の四拍子」に改訂したり、
曲名も「たなばたさま」から「たなばた」に変更された経緯もあったようです。

権藤は、この10年ほど前に、
「七夕さん」という詞をかいています。

七夕さん　七夕さん　七夕さんのお祭りよ　……
　……中略……
七色短冊供へませよう
　……中略……
きらきらお星が光ります

といったものです。この詞では五色の短冊ではなく、七色短冊となっています。


権藤花代
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A8%A9%E8%97%A4%E8%8A%B1%E4%BB%A3


ところで、

「たなばたさま」
の歌詞ですが、
この背景は、どんな状況なのでしょうか。

特に、2番の五色の短冊をかいた、
私とは、
一人ぼっちの私なのか、大勢の中の私なのか……
空から見ている、
お星さまとは、何を暗示しているのか……

単純に願い事を短冊に書いて、お星さまにお願いしているのでしょうか。

それともお星さまになった誰かに、何かを伝えようとしているのでしょうか。


「七夕さん」の詞では、みんでお祭りいたしましょうといっているのですが、
「たなばたさま」では、どうなのでしょうか。

「七夕さん」では短冊に「すらすらすらすら歌かいて」とあるのですが、
これは現在の願い事をかく風習とは、ちょっと違っているようです。
古くは、自作の歌や古歌をかいて、学芸・書道の上達を願ったといいますから、
昭和の初めでもそうした風習が残っていたのでしょう。
昭和16年ではどうだったのでしょう。
10年あまりの歳月で、七夕祭りの扱われ方（当時も子供たちは単純に願い事を書いていた？）や、
作者の心境も変化したのかもしれません。

もの悲しく切ない状況とも、
明日を夢見る希望とも、
心持ちしだいで、どちらとも受け取れる歌詞です。

サトウ ハチローの「うれしいひなまつり」（ハチローの姉へのレクイエムという解釈もある。）のような、裏話もあるのかもしれません。


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