折り返し点で腐 7
- カテゴリ:自作小説
- 2012/06/17 19:53:52
「ティーグさん、俺の事もういらなくなったんですか? 俺がティーグさんがため息つくようなことばっかりしてるから。だから帰されるんですか?」
セルカが相変わらず泣きやまないまましがみついた手を離しティーグの顔を見上げると、切れ切れにそう口にした。
「あ、いや…そう言う訳じゃなくてさ、ただお前、おれに『買われた』って事をひどく気にしていつまでも他人行儀に… つか、おれがいくらお前は召使いじゃないと言ってもそういう態度を崩そうとしないから、もしかしておれの元にいるよりもあの家に戻った方がお前は幸せなんじゃないかと思ったんだよ」
セルカの顔を覗き込んでそう言うと、セルカがまたも「ごめんなさい」と口にした後、「あの」と「えっと」を繰り返し、何とか自分の意見をまとめようとする。
それを急かす事なく、黙って見守るティーグ。
「あの、俺…ティーグさんの事、好きです」
が、いきなり出てきた言葉に驚いた。好きって…何がどうしてそーなった???
ようやくおさまってきた涙を拭い、セルカが改めて口を開く。
「ティーグさん優しいから居心地良くて、もしかして家族ってこんな感じかなって。でも、俺の家族でもなんでもないのにカン違いしちゃいけないと思って。
うっかりカン違いして家族みたいな態度とったらティーグさんに呆れられるかもしれないし、もしもそれでいらないって言われたらどうしたらいいかわからないから…」
ああ、『好き』って言うのは、家族としてのそれだったのか。
「だから俺、ティーグさんが召使いじゃないって言ってくれて嬉しかったけど、それを本気にして自分の態度変えるのも怖かったんです。安心した途端にいらないって言われるかもしれないと思うと怖くて…」
セルカがそこまで言ったところで、ティーグはセルカを柔らかく抱きしめた。
口先だけでは安心してくれないのなら、態度で示そうと。
「大丈夫だよ、セルカ。お前の事いらないなんて言わないから。愛してるよ、セルカ」
そう言うと、幾筋も涙の流れた後のついた柔らかい頬に口付けた。
不毛だ・・・。
果てしなく不毛だ。
結局自分がセルカを側に置きたいと思ったのは、うっかり水汲み用の桶を持ったセルカとぶつかった時一目惚れしたからだと言う事に、先日のセルカからの「好きだ」という言葉でようやく気付いたティーグであった。
ちなみに不毛だと言うのはセルカが子供だからとか男だからというのではなく、違いすぎるほどに違いすぎる寿命の問題である。
千年以上を生きるティーグ達妖魔から見れば、人間の一生など花が咲いて散るほどの時間しかない。そんな儚い時の中を生きる相手に恋をしたとして、相手はすぐに年老いて死んでしまう。
自分一人を残して。
まったくもって不毛だ。
ようやく道半ばです^^;
>不老不死
今回その予定はないですが、それもいいですね^^
でもその場合、セルカは人間じゃなくなるのかしらん?
みゆさん、今晩は。
ありがとうございます^^
以前のは元になるお話がありましたが、今回は完全オリジナルです^^ゞ
既に書きあげてあるので、あとはコピペするだけ~w
早く続き見たいです!!
今までのも安奈さんのオリジナルだったのにもビックリしました!!
早く書いて~^m^ww