Nicotto Town



「忍者物語」子供時代1

画像

過去に載せたお涼編の
載せなかった前の部分です。
コーデはお涼が15歳の仕事先です。
写真は忍者屋敷の絡繰り部屋



第一部(忍者村の子供達)

順平達は嫌な仕事を引き受けたと思っている。

だが、村長(むらおさ)がかつて世話になり、色々と仕事を回してくれる

荘園の総領関係からの仕事では断れないのだろう。

しかも事によっては大した金にならない。

其の荘園の総領の地縁の地頭のからの仕事の依頼だった。

かつての身内同士が敵味方で闘いあい、裏切りあいの末の結末だ。

どっちが先に裏切ったのかは解らないが、其の総領の家臣を切った。


父親を其の裏切りの合った男の一人の警護についていて

一緒に切られた男の息子が敵側に入って執拗に何年も追い求めて

見つけたらしく其の警護の男を切った父親も切られたが、

縁者に匿われていた其の父親の女房が見つかり殺害された。

所が其の間に子が居たと言う。


其の子が母親と一緒に匿われた居たはずなのに見つからない。

縁者も侍だったらしく、

複数の配下の者と抵抗されたので

切った後で、子が男か女かも解らない。


2週間近くその付近をくまなく探したが

見つからなかった様だ。

男の子なら切れ、女の子なら、好きにせよとの依頼。

切っても良し、女郎屋に売っても良い。

どうでも良いという事らしい。

左程高い報酬でもない。

順平は其の匿われていた家を探索したが、

家財道具は総て残っていた。

流石に遺体は始末されたが、

血痕は其のままで、

しかも数日前まで侍が何度も近辺をうろついていれば

家財道具を狙った盗賊や近隣の住民も

様子見と言う所なのだろう。

売ればそれなりの金額になる物ばかり残っている。

これらを売った方が報酬の数倍の金額になる。

家財道具を調べてみて解った事が在る。

小さな女の子が居ただろうという事が

家を調べた侍の後からでも解る。

恐らく女児と判断したが万が一を考えての

最後の確認なのだろう。

報酬が安い理由も此の事だろうと順平は思った。

他の二人は近隣を探させ、

順平は其の家の屋根裏に潜む事にした。

案外、夜中にでも戻ってくる可能性がある。

近隣の家を住民に喉元に刃を突き付けて聞き出した話でも、

左程遠くない食事処で食事をしている。

金は持たされて逃げている様だ。

歳の頃はちび達と同じ頃かと順平は思った。

順平の所謂忍者村にちょうど11歳に育った二人の孤児が居た。

それぞれ三歳の時に縁あって連れて来られて、

順平達が育てた。

一人はお涼と言って山の中で修験者に拾われた。

村からの帰りだった。

名は解らぬが歳を聞くと指で3歳と3本の指をたてた。

子供ながらに生きようとした知恵なのだろう。

熱い夏の盛りに木陰の下の草むらに潜んで居たので

お涼とつけられた。

生きたいと思う其の心に生きられるまで

自分の努力で生きられる場所を与えてやろうと

其の修験者は自分の神社が関係している

順平達の村に連れて来られた。

其れから3日後に其の修験者が

一つの農家に水を貰いに入ると

親の遺体の傍に一人でいた男の子を見つけた。

落人の侍に親を殺されたのだろう。

其の傍に侍の遺体もあった。

3歳の子が親を助けようとしたのか

自分が殺されかかって反撃したのか

或いは隙を見て殺したのかは解らぬが、

手に鎌を持って居たので其の侍を

その子が殺したのだろう。

ついて来るかと聞くとうなづいた。


村に行く途中だったので

ついでに村に連れてきたのだ。


彩夜と言う村長(ムラオサ)の娘も同じ年だったが、

彼女は特別扱いだった。

母親が過去に長の率いる班が

加担して落とした城の敵の雇った忍者の中の

若いくノ一でお杏だった。

まだ14才の初めての初陣で在ったのだろう。

あっさりと捕まった。

当時、長が連れて帰ったのも

無理は無い。

既に其の忍者達は全滅し、

帰る当てがないだけでなく、

連れて帰るかと思う程、可愛い娘だった。


お杏も集団は総て潰されて

帰る場所もない事は解っていた。


彼女は連れて来られて、

暫く座敷牢に入れられていたが、

16歳になるかならないかの時に長の子を産んだ。

暫く子の面倒を見ていたが、

その内に自分から望んで同じ忍者として

鍛えなおされて仕事に行く様になった。

更に数年後に怪我をした長の代わりでもあり、

他の若いくノ一のまとめ役になった。

それと同時に彩夜は人質と言う側面も持って居た。

言わば元味方の仇の村に

其のお杏は居る訳でもある。

複雑な運命の元、

仕事から帰ってくると娘と会う事を許された。

其の為に彩夜様と呼ばれて、

怪我をして戦えなくなった他の飯炊き専門の

くノ一に特別に育てられていた。


其れと比べると3歳の時に来た孤児二人は

4歳から訓練が始まった。

其の役を順平達が代わる代わる引き受けた。

確かにもともと鍛え抜かれた精鋭の班がある。

長が引きつれていたのも其の一つであった。

それらよりは軽めの仕事を順平達は引きうけていた。

其の為にくノ一との仕事も多い、

危険の少ない仕事を回されていた。

其の為、一部のくノ一が可愛がっている

其の二人は順平達にも懐いていた。
まずは山ブドウの実を一粒ずつ食べさせる。

二人は其のおいしさに目を輝かした。

髪の毛を上に束ねて布きれを一人に結ぶ。

追いかけっこをして、其の髪の毛の布を一定の時間に取れば、

取った方にブドウの実が一粒与えられる。

逃げ切れば逃げ切った方に一粒、ブドウの実がもらえる。

一人は男の子で寛太と呼ばれていた。


殆どが寛太の口に入った。

そこで寛太は後ろ向きにされて、20数えさせられた。

其の数が増えて行っても寛太は山ブドウで

口の中を紫にして笑っていた。

だがついに決まった時が過ぎても

お涼が捕まらなかった。

お涼は隠れる事を覚えたのである。

やっとお涼の口に山ブドウが入った。

其の内に寛太はお涼の逃げる足音を

目を瞑って聞く事を覚える。

歩数を数えて消えた辺りを調べて

お涼を見つけ出した。

其の内にお涼は途中で戻ってきて隠れる様になる。

暫くして寛太は足跡を途切れる場所を見つけ、

自分の聞き耳を立てていた歩数を合わない事に気づく。

歩数を数えて戻ってお涼を見つけた。

その頃木登りを教えていた。

お涼は木登りをして上に隠れる事にした。

足跡が途切れた後の草むらを探しに探して見つからず。

お涼の口にまた山ブドウが入る日が続く。

ついに寛太は上を見上げだした。

そしてお涼と目を合わせる。

ササを小刀で斜めに切らせて、それで川魚を突く。

下流と上流を石で塞いで魚を閉じ込めての訓練だ。

火の起こし方を教えて捕まえた川魚を食べさせる。

其の後に其の焼けて黒くなった石に直ぐに水をかけて

更に其の石を川の中の遠くへそれぞれ別々に投げ捨てて

更に焼けた土も馴らして、必ず痕跡を消す事を教える。

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2012/06/13 00:26
レイダ 様
戦国時代は色々なヒーロが出た時代で勝者が歴史に残っています。

しかし最初の混沌の時代の中で巻き込まれて逃げまどう人々の中で
踏み潰されて行く幼い子供達が傭兵として育て上げられていく。

其れさえもラッキーだとしたら、

生きて居ればお涼は与一に出会えて子供を産んで女として妻として
母として祖母として行きます。

そして地域の人を救います。

余談ですが、極寒の地に明治維新で敗れた多くの徳川方の侍の身分のした方の人が

明治政府の方針で開拓使団として名前はかっこ良いですが
大勢組織的に刀を鍬に持ち替えさせらえてきます。

或いは侍以外した事が無い人が明治政府の廃刀令のもと

仕事を探して開拓団に入ってやってきます。

此のブリザードと原野を小屋で寝泊まりしながら開拓して行きます。

つい最近もそんな歴史が現実に在った事を知って欲しいです。

常に政治に翻弄される中で日本人が作って来た此の国を

誇りを持って堂々と守れる事をしないでどうするのかと思います。

日の丸、君が代が数千年の歴史の上にある事を知って欲しいと思います。

戦国時代も一つの日本の歴史です。

其れすらも無かったと平然と言う人達。だけど彼らは自称日本人として行動してます。

世界の人達は其の日本国籍の人達を日本人だと思い込んで居ます。


今あるのは過去があるからです。

数千年の日本の歴史の上に今があるのですから、

その中で日本人はお腹の中に居た時から神道で、生まれた時は神道で死ぬまで神道です。

お腹に居る時から安産祈願をし、100日のお祝いし、7.5.3もします。

既に牛若丸で闘う僧侶が出て来て、義経は修験者になって関所を通ります。

神道の日本を切り離す事は出来ません。

宗教は仏教です。でも血は神道です。

祭で神輿を担ぎ、旅先で神社があれば参拝します。

お正月に玄関にしめ縄を飾り、お供え餅を買って来て今に置きます。

節分の豆まきをして、育った子供達の卒業式にどうして君が代と日の丸で

祝ってあげられないのかと思います。

大切な日本の子供達です。
心無い大人の言葉が哀しいです。

日本の歴史のひとかけらを思い描いて書きました。

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2012/06/12 22:10
こんばんは^^

からくり部屋・・・いいですねぇ^^そこにお涼ちゃんが居るのがまたいいです。

今回のお話も、前回のお話を読んだあとなので、また懐かしくもあり・・・・

最後を思い出すと、悲しくもあり・・でも一生懸命日々を無駄にせず生きていたんだなぁ・・・

そう思いました

平和な世の中・・「今日は一日中、寝てた!」という人もいます・・・が、

今更ですが、日々を無駄にしないで行こうと思いました。
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2012/06/12 19:05
みみやん様

私もそう思います。

そして生きていられるだけマシなのかも。

あれだけ長期間の戦国時代。

巻き込まれたら幼い子供が生きる事は難しいでしょう。

国連も養護施設も無い時代です。

人の子を救う余裕が巻き込まれた大人達にあるとは思えないと推測しました。

時代は違いますが「羅生門」を読んでも、

避妊が無い時代にできたけど育てられない子を捨てる親が出てきます。

子供の間引きも時代が違うけど起きてます。

其れが長期の戦国時代です。

二人は修験者に見つかった事が「生きられる」運命との出会いだったと思います。

色々な時代物を読むと暗いイメージが強いので

シリアスな中で二人の生きるたくましさを出しました。
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2012/06/12 18:32
幼い頃から辛い日々!
運命なのでしょうか?
現代の日本ではこういうのは考えにくいですけど
テレビでは東南アジアやアフリカの様子を見れば現代でも似たような状況が日常でおきているようです。



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