女子の愉しみ
- カテゴリ:日記
- 2012/05/24 23:31:02
……と表題書いて、こちらのイメージと読む側とに齟齬が出る可能性に気がついた。
世で「女子」とある表記が「スイーツ」と冷笑されてるのを見るたびに、噛みあわなさを感じるので。
いい歳して「女子」かよ勘違いして、という揶揄なのだろうが、使ってる側は若さや異性受けを意識していると限らない。
あまりにそのテの、いわゆる「スイーツ」的な言われようが多くて、最近はそういう意味合いでも使われるようになったが(うんざりする)、もとは「女」という語にへばりついた主に色っぽいイメージを回避して性別♀をあらわす語として使われていたように感じる。
なんせ、もっとも馴染んで身近な用例が「女子トイレ」だ。
歳もオサレも縁がない、セクシーさも関係なく「♀と生まれつきました」程度の意味で使いたい語がエライ扱いされていて、面倒くさくて仕方がない。
閑話休題。
二十年以上ぶりに、少女漫画雑誌を買った(むかーし買っていた漫画雑誌は、今は傾向が変わって情報誌等で少女誌扱いされているが、買っていた当時はSF系男性向け扱いされていたので、まぁ多分、きっと)。
気になるわりと寡作な作家さんの作品が載るらしいので、それ一作のために思い切った(小説はそれ一篇のみ。余談だが、他の小説誌にもその作家さんの短編が掲載されたらしいのに気付くのが遅くておさえそこねた。悔しい)。
増刊の、読み切りばかりの新創刊誌らしいが、これが絵柄が見事に受け付けない。
読めば面白い話もあるのだろうに、なんというか、目がスベる。主線が細くて頼りなくていけない。ノれないのだ。
気付けば、漫画は今でもそこそこ読むのに、少女向けレーベルはほとんど持っていない。
最近十数年ぶり? に買った少女漫画二作/四冊は、一作は性に合わず、もう一作はヒロインの立場に見合わぬ甘さに馴染めず購読継続を断念、手放すことにした(昔ならまだ追いかけている出来だが、こちらの気力がすり減ったと思しい)。
一方で、気力がわかないなりにアレコレ片付けていて、手持ちの本のうち、女子向けのライトノベル(少女小説扱いのレーベル)はごく少数なのに気付いて微妙な気分になったりもしている。
近頃買わなくなった、読まなくなったと言っているけど、それでも、男子向けとされるレーベルのものは佃煮にできそうなほど手許にあるのだから。
気付けば残っている女子向け(ということに一応なっている)ライトノベルは、〈十二国記〉をはじめとする小野不由美の著作とか、一時の(レーベルとしては)外様のSF作家が書いたコバルト等々、なんというか微妙にカテゴリエラーっぽいものがほとんどなのだ。
昔はそこそこ読んだし、手許にももう少しあったはずだが、借りて読んでいたり、処分したりしてこうなったらしい。
意識してしまうと、なんか勿体ないことをしている気分になる。
近年の女性向きを、食わず嫌いしていないだろうか?
こちとらを主たる対象として(まぁ少々歳喰っちゃいますが)楽しませるべく、腕によりをかけて作られたモノをスルーしているのだとすると、うん、なんか悔しいというか、損をしている気分になる。
もっとも、定期的に似たような事を考えては、女性向きを意図した作品に当たっては砕けまくっている。
挑戦した女の子向けの作品と、自分の趣味の勘所がズレているらしい。
でも、これは運や巡り合わせの問題で、もしかしたらとびきり面白い女性向きを、見逃してたりしないだろうか?
そんなこんなで女子向けレーベルに挑戦すべし、と思うのだが、どーにも、ピンと来るものがない。
女子向けラノベの場合、そばにあるBLをまかり間違って手にしてしまった時のダメージが怖くて売り場に近付きづらいのもある(ジュヴナイルポルノの類を間違って手にとっても「あー、はいはい、元気だね〜w」くらいにしか思わないのに何故だろう?)。
そういうのもあって、映画化された『とある飛空士への追憶』を見に行く気だったのに上映が終了して腐っていた頃、飛行機と空戦ネタらしい乙女ゲーに行き合い,悔し紛れか発作的に購入してしまった(そうでなくても積みゲーが山ほどあるのに!)。
やはり、というか、結局まだプレイできていない。
『とある〜』の方はもうレンタル屋に並んでいるらしいのにw
どーなんだろーね〜。食わず嫌い解消すべく、やってみようとは思う。
一応、目一杯「女子」のつもりなんだけどw こういう人間にお薦めの女性向けコンテンツ、なにかあります?
スカイ・クロラのシリーズ、実は読めていません。お薦めでしょうか?
ちなみに、わたしは空戦が出てくる作品なら『戦闘妖精・雪風』を推します。
ただ、シリーズ二作目・三作目は誰にでもお勧めできるかというと好みによる気がしますけど。
まりえるさん
ご紹介ありがとうございます。
彩雲国物語は、気になりながら手を出し損ねていました。挑戦してみようかな。
清く正しい少女小説展開が長くつづくとメゲるかも……というのが迷いどころでして。
『大奥』は、作者さんがBL畑のらしいので敬遠してました。
確かティプトリー賞もらっていたような。ジェンダー問題への突っ込みが大きいのでしょうか?
山鳥さん
頭が固い自覚があるので、自分の範囲の狭い好みから離れた物にも目を向けるように努めています。
けど、どうにも似た傾向の作品ばかり手にとってしまいます。
『翼の帰る処』は、読んでます。というかホワイトハートでの仕事あたりから追いかけている作家さんですが、『翼』で名前をよく見るようになって嬉しかったり。
発行レーベルが危ないという噂があるらしいのが気がかりです。
ながつきさん
〈エノーラ・ホームズの事件簿〉、題材が気になって手にとって、確か二冊目まで読んでます。
続刊を書店店頭で見なくなってそれっきりになってました。続き、出てたんだ……
時代やヒロインの立場が面白かったのですが、英文での暗号が恣意的に思えて残念でした。
ヴィクトリア朝へのあこがれを口にする人がいるけど、アレは……ねぇ。
発刊当時のルルル文庫はタニス・リーやパトリシア・マキリップなどの翻訳物を出したり、イロイロ試みていて興味深かったです(翻訳がアレだったりで、残念でしたが)。
あのまま突っ走ってくれれば面白かったのにな〜
ナンシー・スプリンガーの「エノーラ・ホームズの事件簿」シリーズは読まれました?
シャーロック・ホームズの年の離れた14歳の妹が主人公のホームズ・パスティーシュで、
現代に繋がる英近代史と女性の自立ということを示唆する良質な「少女向け」ジュブナイル小説です。
「少女向け」設定には多少強引さもありますが、異色パスティーシュとしても秀逸だと思います。
公衆女子トイレが、女性の社会進出の上で、重要だったということも学べたりします(笑)
という感じは持ったりしますが
それ以上に好みの作品で読めてないもんがたんまりあるし・・・
と思うと
別に余分にまで食指を伸ばさなくてもいいような気もしますが
おすすめするとしたら
妹尾ゆふ子さんの「翼の帰る処」かなぁ
清く正しい少女向けラノベを読んでいたつもりで、あらまびっくりな展開が待っていますw
著者の書きたかったものが中盤以降どんでん返し程変わってしまったのに
初期の設定伏線をほぼ取りこぼさず完結させました。
正直、完結して真っ先にでた言葉が「よく終わらせた!」でしたw
すかさはさんは読んでいらっしゃるかもだけど(該当記事を読んだ記憶がある??)一応おしておきます。
あと、漫画は「大奥」(よしながふみ)私コレSFだと思うんですけどwいかが?