ぬくもり
- カテゴリ:小説/詩
- 2012/05/12 09:44:58
金曜日の夜には
後始末をする山が
あなたを帰らせまいとする
もうこんなに遅いのに
佐多氏は一人窓の外の
街の明かりをじっと見る
遠い遠いあなたの
帰りを待ちわびるかのように
仕事が終わったら
あなたは家に帰り
一人シャワーを浴びて
疲れた体を休める
そんなあなたの
ベッドになりたい
あなたを優しく包み込む
やわらかな毛布になりたい
寝息を立てていつの間にか
根組むってしまったあなた
さあ眠ってね
私が側にいるから
そんな夢を見た
あなたもぬくもりが
ごつごつした頭の感触が
この手に残っている
ぬくもりを惜しむかのように
その手をぐっと抱きしめる
あなただけが私の
真実であるかのように