お涼の活躍26観音像(忍者物語)46
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- 2012/05/09 16:34:58
お涼16歳の一番可愛いコーデにしてあげました。
あれから3年。
正太が宮大工の棟梁から、
自分の名のついた鉋を貰ってきた。
此れで正太の自分で買った大工道具に
自分の焼印を押す事が出来るのだ。
与一は新しい正太の鉋の刃を調節しながら、
此処にお涼が居たらとどんなに喜んだかと思うと
涙が出そうなのをぐっと堪えた。
(歳とると涙もろくなって、困ったもんだ)と縁側に座りながら、
キセルを吸っていると
「調子はどうかい」と寛太が裏木戸から入ってきた。
与一は正太が刻印を押す事を認められた事を話しながら、
寺の名前を言って、其処に納める観音像の大きさを測りに
仏師の所に行ったと言う話をした。
「其の寺に納める観音像を見たのか?」と
寛太は聞いてきた。
与一は何で寛太がそんな話をするのか
不思議に思って寛太を見た。
言葉を探して居る様にも思えたが、
意を決したのか、
寛太は赤鶏寺の和尚との話をする事にした。
源蔵とお涼との事は言えなかった。
唯、源蔵が和尚の死んだと思われていた息子で
忍者になっていた事は話した。
そしてお涼の腹違いの兄だった事も言った。
お涼を殺したのは立原の忍者でも、源蔵の忍者でも、
自分の知っている忍者でもない事を言った。
余りにも理不尽な話だった。
少し間があったが寛太が話し始めた。
香魚姫の所に来ていた侍に付かず離れず、
字源領からの忍者が付いてきていた。
元お涼達が仕えていた領が字源領になった。
元々の字源領主側には別の忍者達が付いていた。
其の字源領からの忍者が、
お涼を切ったと言うのだ。
香魚姫と一緒の日にあの地を離れるなら、
殺す必要は無かった。
香魚姫が生きていたなら、
首を差し出せが条件の和議だった。
お涼が京へ発つのは香魚姫が出て3週間後だ。
万全には、万全を尽くすと言う
話し合いの結果で、そうなったそうだ。
其の話し合いの場に香魚姫も居たと言う。
健三郎と八重は人払いをされて使いに出されていたが、
その後、健三郎は味方にお涼が殺されるかもしれないと
香魚姫が八重に言って泣いているのを聞いていた。
香魚姫の生存が解ると全てが水の泡になる。
お涼は関所で役人に何でも話しすぎると
お涼を見張っていた字源領の忍者の報告が入った。
其れが、役人を信用させる為だったとはお涼しか解らない。
お涼が殺された理由はそれだけだった。
殺す位なら、何故一言一緒の日に出発して欲しいと
言ってくれなかったのか、
城の仕事などお涼の命と引き換えなら
幾らでも途中でやめたのにと思うと
与一はやりきれなかった。
だが、本来は健三郎も殺す予定だったと
聞かされた時は人の命を何とも思わない彼らの
傲慢さに改めて怒りを覚えた。
そして命令されれば其れを実行するのが忍者だ。
「俺も、源蔵も、お涼もそう言う道を生きてきた。」
寛太の其の言葉にお涼の名が入っていた事に
与一の唇が震えた。
寛太は源蔵が寺での2年の修行が終わると
仏師になりたいと言って工房に入ったと言った。
寛太は其れを知ると我慢できずに其の工房へ
行ったと言った。
其の掘る観音像のどこかに
お涼への思いが入っている気がすると寛太は言った。
「懐かしいねぇ、元気だったかい」と
お涼の声が聞こえた様に思えたと言った。
其の寺に入るのが源蔵の観音像だと言う。
源蔵はその時は既に切った奴を知って居たと言う。
源蔵の元手の者を使って調べていたのだろう。
だが、そいつも忍者だ、命令されると
お涼だけでなく、其の後健三郎も切った。
源蔵は言ったそうだ。
健三郎に何が在ったのかは知らん。
切った忍者もお涼や健三郎を
どこまで知って居たのかも解らん。
命令されたから切ったのだ。
俺たちもそしてお涼も地獄に落ちる運命だ。
せめて、其の言う生き方をしたお涼が
地獄で少しでも苦しまないのなら、
お涼が香魚姫を救いたいと思ったし、
あの惨劇から人々を助けたいと男山で頑張った。
人を救いたいと思っていたと言うお涼の心の中に在る
その部分を出してあげたくて掘っていると言っていた。
寛太は像の前に座り込むと涙が出て来たと言う。
どうして涙が出るのか、解らん。
お涼に対する涙か!? 源蔵に対する同情の涙か!?
違う、どうにもできない自分に対する悔し涙か!?
寛太が其処を出て振り返ったら、
源蔵はまた、黙々と木を彫り始めていたそうだ。
やがて、正太が帰って来た。
「母さんが居た」とポツリと言った。
精魂込めてお堂を作り上げたいと言った。
其の後、与一は正太が作るのを手伝った其の寺の
御堂に其の観音像を見に行った。
他のふくよかな観音様から比べると
痩せて品疎な観音様だが、
幸せそうな、そして哀しそうな、
優しそうな、だけど芯の強そうな、
まぎれもないお涼が其処に居た。
夕奈の所も削りました。
寛太が夕奈へ思いが出る所でした。
夕奈はとある荘園の領主に務めていた侍と白拍子との間にできた子です。
荘園同士の領土争いの時に父親が討死し、母子で隠れ住んでましたが。
母親もつかまって殺されます。
連れ出された忍者に報酬は11歳の夕奈を女郎屋に売ったお金でした。
其の途中で夕奈は忍者になりたいと言い出します。
女郎屋と言っても山で一泊の野宿をして行かなければなりません。
此の琵琶も売られる事を知った夕菜が一曲引きます。
忍者は芸人一座として使えるかもと忍者村に連れて行きます。
村長(ムラオサ)がダメだと言えば、引き返して女郎屋に売るつもりでした。
だが、見事なひきっぷりに、忍者村に置いて置く事になります。
そして、忍者としての才能が無いのなら、女郎屋と言う事で、夕奈は頑張ります。
15の時は名が敵に知れ渡っていたからこそ、
目をつけられた侍の血なのでしょうか、
お涼よりはできる様になってました。
寛太に取って夕奈は何もかも高値の華でした。
其の辺りの寛太、お涼、夕菜、彩夜の青春の駆け引きも削りました。
父と母を殺した男も其の領地も取られて、
取った領主の領地の一つの名主の様な地位についてます。
夕奈が近づいて行って、関係を持って殺そうとしますが殺せません。
2度目も彩夜を押しのけて関係を持ちますが殺せません。
夕奈はそれまで人を殺した事が無かったのです。
彩夜もお涼もその前に2度ほど夕奈が居ない時に芸人一座が大勢の盗賊に襲われて
全員で闘って切っているし、とどめも挿してます。
そこでお涼に自分が男とやって居る途中に
背中から挿して欲しいとお金を渡して頼みます。
お涼は引き受けて刺殺します。
お涼が出て暫くして、夕奈は凄い悲鳴を上げて大騒ぎ。
夕奈が男の下に居て、動けない状態でぎゃ~ぎゃ~と悲鳴を上げているので
夕奈が犯人でない事は解ります。しかも兆場の包丁が使われます。
夢中になって居て犯人を見ていないが
毛むくじゃらの男の足が見えたと言います。
後で寛太に何故俺に頼まなかったと言われて、
二人は声を揃えて「そうだった!」と言います。
(ディレクターズカット版)
母を置いて来させられました。
どうしても母に在って自分の無事を知らせたいと言う頼みで
香魚姫が金子を上げて元の領土に戻してあげます。
其れがあだとなります。
ずっと見張っていた忍者に故郷の手前で切られます。
あの侍が知らぬふりをして香魚姫に健三郎の事を聞きます。
「明石に使いにやりました」と香魚姫は答えますが、その時はとっくに殺されてました。
私は其の力があるのなら、
健三郎の母親も忍者を使って上手く息子の下に送れば良いのにと
思いましたが、そんな思いやりのある事はしてくれません。
忍者は健三郎を見張っていたのですから、
健三郎の生真面目さも人柄も、知って居るはずです。
母親が親があの領土に居る事も、
そして2年前の立原の闘いで父親が死んでいる事も知って居るはず。
其れでも、顔色を変えず健三郎を切ります。
非情です。非情な殺し屋が忍者だと私は表現しました。
お涼もヒロインで在りません。
此れも削りましたが、
此の頃に正室の長女の帰って来たあのいずれ領主に成る孫が馬が暴れて事故で死んでます。
源蔵の寛太への情報として出すのを削りに削りました。
立原が領土を広げて、またせめて来ると言う情報で、健三郎が母が心配で居ても立っても居られなかったのです。
其れと、足軽をしていた方が給料は良かったのです。
此れも削りましたが、香魚姫は世間知らずです。
給料を最初は渡す事も解らなかったので、褌の変え一つ無かったので、
脱いでは自分で洗って、土間のかまどの隅で乾かしてと言う感じでした。
だから、農家の良太と丁作と薪売りをするのです。
其処から母親に金を持って行ったり、下着を買ったりしました。
元足軽仲間はどうして戻らないのか不思議に思いました。
侍を止めて樵をしているからです。
自分の守っていた香魚姫が焼け死んで、
自分だけ生き残って責任を感じているのだろうとか、
本来なら、切腹物だと言う噂も母親に伝わってました。
本当の事を言えず、息子を思って何も聞かず
僅かな金を受け取る母親の場面も削りました。
忍者は其れを見て居た所も。
お涼ちゃんの行動が勘違いされていたとは・・・
そのおかげで姫は脱出できたというのに、なぜ殺されなければ?
それぞれにお涼ちゃんへの思いを持つ男達によって
お涼ちゃん観音様になったんだ^^