平家哀史名所図会プロローグ
- カテゴリ:その他
- 2012/05/07 22:53:32
先帝二位殿入海給事
二位殿はこれを聞こし召し、鈍色乃二衣に袴のそば取りて挟み、
八歳にならせ給ふ先帝を抱き奉り、我身に二所結い付け奉る、
宝剣をば腰に差し、神璽をば脇に挟みて出給ひければ、
先帝、「是は、いづくへぞ」と仰せありければ、
「弥陀乃浄土へぞ、我君」とて、波乃下にしづみ給ふとて
今ぞしる 身もすそ川の御ながれ
知 御裳川 流
波乃下にもみやこありとは
都
かなしきかなや、無常の風、忽ちに花の御すがたをちらし奉る、
いたはしきかなや、分段の荒き波忽ちに玉体を鎮め奉る…
(長門本『平家物語』)注.底本を基本に適宜漢字を当て、送り仮名・濁点を加えている
平家物語にまつわる物でした。
壇ノ浦の合戦で入水する女御とか描かれてて哀しかったです。