お涼の活躍15香魚姫(忍者物語)35
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- 2012/05/02 17:23:59
コーデは香魚姫様
数日後、与一が城に呼ばれた。
城の修繕の仕事が入ったと言う。
何でも松姫様と其の夫の新しい領主様が来る前に
ある程度、直すそうで、
城の見取り図の秘密を守る為に
ほとんど字源領からの大工の中に
与一と正太も入れられた。
健三郎と良太、丁作の薪売りの仕事も順調に行っていた。
佳代は忙しく綿入り半纏の時が来ているので、
毎日遅くまで針仕事をした。
与一も正太も夜遅くまで帰って来ない。
お涼が孫の面倒と家事をする日が続いていた。
ある日お涼が孫の清吉を連れて
近所を散歩していると見覚えのある後姿があった。
寛太であった。
どうして、此処にと思ったが、
此の白髪姿の自分を見てどう思うかと思うと
声がかけられない。
人の気配に寛太から先に気が付いていたのか
声をかけてきた。
「お涼、元気そうじゃないか」
其の笑顔は昔と変わっていなかった。
寛太は仕事でこっちに来ていると言った。
城の修繕で城の中の庭作りの指導に来ていると言う。
「ついでに姫様の家の目隠しに竹塀を頼まれてね」と言う。
「姫様?」寛太は人に知られてはいけない事だったとは
思わなかったらしく
「ほら、俺達が務めていた、あの城の蕗姫のお子様の香魚姫様だよ。
こっちに嫁に来ていただろう」
死んだんじゃなかったのか!とお涼は思った。
2年前の立原軍が攻めてきた時に夫が城で
討ち死にした。
あの時、突然立原軍が攻めて来たので
子供がたまたま遊びに行っていた、
同い年の子供が居る家老の一人の家が
その時立原軍の焼打ちにあって
その家の子供もろとも殺されていた。
そして自分は城の領内に居て無事だった。
其の後、下剋上で殺されはしなかったがか
城を出て、
家老の家の離れの奥の家に幽閉となって居た。
今度の闘いで字源軍に殺されたと聞いていた。
お涼が赤鶏寺で、和尚が地図に家老家に丸を付けていた中に
其の家は入っていなかった。
たまたまお涼が見た地図に無かったのであったのか、
噂ではその家が焼かれて女の人の焼死体があったので
香魚姫は死んだと言われていた。
寛太が城の仕事の暇な時に
来ることになっているようで
残りはまた暇な時と言って半日で帰って行った。
お涼はあわてて、姫様の家に入り、
「私は元九分堂城に雇われていた忍者で
姫様の母上の蕗姫様はよく存じ上げております。
香魚姫様は死んだものと思っておりました。
良くご無事で・・」と言って、
顔を見ると蕗姫様の面影があり、
懐かしさで涙が出てきた。
其の様子を八重と健三郎がうつむいてみていた。
次の日、前に見た侍がお涼を訪ねてきた。
少し歩こうと言うので、出ようとすると
佳代が「母さん、これ」と仕込み杖を渡した。
実際は其の家は襲われなかったが、
其の隣の家老の家が殺されて焼打ちに合い
其の家の類焼で在ったが、
其の屋の家老一家は逃げ遅れて死んでいて
家も燃えていた。
其れが字源軍に襲われて、
あわてて逃げている途中で男山に逃げろと
みんなが言うので
周りの人について男山に行ったそうだが
実際は字源軍が香魚姫様を
どさくさに紛れて字源領に連れ出す為に入ったそうだ。
周りの赤丸のついた家を襲っている間に
姫は逃げ出していて
もぬけの殻だった。
和議が揉めたのも側室関係の人間は
一切切ると言うのと、
強引に妾にされた女や娘は助かっていたら、
助けると言うものだった。
此れは香魚姫の奪還に失敗したので、
万が一助かっていたならとの
希望で出した案だったが、
受け入れられなかった。
側室と関係があるものは
一切許さないと言うのが
元正室側の家老達の言い分だった。
其の為に業と字源軍が城に入れる様に
城から打って出て、
逃げ帰る時に字源軍も入り込める様にした。
源氏軍が男山から帰ってきた人達の
立原兵が居ないかを確かめるのに協力をしたのは
香魚姫の顔を知っている兵士をその中に忍び込ませて、
香魚姫を探させる為だった。
しかし見つからなかった。
其れが地元の神社で子供のお宮参りに
来ている子の晴れ着を見て驚いた。
正に香魚姫様の着物の柄だった。
あわてて訳を言って、其の出所を聞いて、お涼を訪ねたのだった。
香魚姫奪還に入った字源兵によると燃える前に探したが
其の魚のしるしの付いた家には誰も居なかったと言う。
そんな訳で香魚姫が生きている事を公にできない。
知らない事にして欲しいと頼まれた。
聞けば寛太には其の後口止めしてあると言う。
解りましたと言って、帰ろうとすると金を渡そうとする。
自分の蕗姫様の思いから黙っていると言うと、
忍者として引き受けて欲しいと言う。
お金を受け取ると殺されても
忍者は口を割らないのを知っているからだ。
お涼はお金を受け取った。
そうなんですけどね。
本人は例のごとく、気がついて無いんですよ。
あの京近辺が勢力争いで、大変な状況の中に行った時も
敵側が呆れるほど、とろいんですよ。
一番後ろに居て、一番最初に逃げても、
結局は敵の後ろを走っている訳です。
あっという間に自分の後ろに居た見方は瞬時で追い抜かれて、
見つからないので、独自のルートで逃げるんですけど、
其の間に敵と交差しても敵も気が付かない。
で、此処にいるこいつは何だ?となる訳。
源蔵なんだけど、もともとは京の近くのどこかの荘園を守っていた侍。
其の後、其処は襲撃に合って滅ぼされるわけです。
若いなうての剣の使いてだったのですけど、
名を捨てて、世捨て人の集まりの様な訳有が集まった忍者村に入る訳です。
そこで色々な修業をするのだけど、内部抗争に巻き込まれて、
其処を捨てて、出た者を中心とした盗賊を始める訳。
狙うのは裕福な家ばかりで、当時戦争を利用して太って来た商人の家。
義賊じゃないのは、虚しいまでの殺戮。
まるで殺しを目的とした憂さ晴らしの様な殺戮。
其の討伐はお涼達が雇われた時は入って無かった。
其の荘園の領主の家の警備。
でも、周りの闘いの混乱から、お涼には無理な仕事。
でも、「はい」と言って出かけます。
断われないんですよね。
削った中に、旅芸人の時にどうしても美人で彩夜を豪商は
旅籠が無い場所の神社の境内で興業をすると
自分の家に止めさせた。
そして彩夜を所望するのだけど、
彩夜が拒否すると親方も村長の娘だから無理をいえない。
その時は夕奈かお涼に変わりを頼むんだけど、
お涼は「解りました」と言って引き受ける。
「彩夜ねえさんは、今日は女の都合の悪い日で、
私が勤めさせて頂きます。」とケロッと言って
「慣れて無くて・・、彩夜姉さんの様に経験が少なくて・・」
等と言って見せたりした。
忍者なのに、終わって帰ってくる時に廊下を迷って
何かあったらと必ずこっそりつく寛太に、こっちだと
どこからか言われたりした。
何処に「えにし」が転がっているかわかりませんね
しかしここにきてお涼ちゃん・・・忍者としてまた危ないことに関わるのでは?
関所・・城の見取り図・・・寛太・・・
なんか役者が元の位置に戻りつつあるような・・・