スナイパーへのメール(最終話)
- カテゴリ:自作小説
- 2012/05/02 01:48:34
「残念だけど、ここでそろそろネタばらしをしてあげる。後ろを向いて」
まさか!
すぐに後ろを向いたが誰もいない。
そうだよな、私がここでターゲット、この旦那を狙っていることはクライアント以外誰も知らないはずだ。
待て?クライアント?
いや、クライアントは50代の男性のはず。お互い顔も明かしてない。第一、こんなことをしても全く意味がない。
私を陥れるための罠だったのか?
ブルルルル・・・
「あなた本当にプロのスナイパーなの?背中がら空きよ。この仕事から手を引きなさい、さもなければあなたが新しいターゲットよ」
私が背中を取られているだと!?
後ろを振り向くが気配はない。あわててライフルのスコープを覗いてポイントになりそうなところを探す。
すると、300m以上離れた、このビルと同じくらいの高さに何やら光るものが見えた。
まさかそんな遠いところからあてられるわけがない。
ブルルルル・・・・
「そんなところからあてられるわけないと思っているでしょ?しばらく動かないでね(ハート)」
何が(ハート)だ!!馬鹿にするな!
パシューーン!!
ゴトン!
屋上へ上がるための扉に立てかけていたギターケースが突然倒れた。
倒れたギターケースを見ると見事にネックの部分に穴が開いていた。これが人間だったら確実に即死であろう。
そうか、主婦のような口調だが、本当はかなりの腕が立つスナイパーに違いない。しかしなぜ私の邪魔をする?
ブルルルル・・・・
今度は通話だ。相手はもちろんあの主婦だ。いや、男かも知れない。
私は恐る恐る通話ボタンを押した。
ピッ
「もう、メールを打つの面倒臭いから直接電話かけちゃった」
本当に女の声だ!しかも少し年期の入った感じはまさに普通の主婦だ。
「ちょっと待て、お前は一体誰なんだ?本当に女か?」
「失礼な!これでもれっきとした乙女ですぅ」
”すぅ”の部分に少し無理を感じるが・・・
「なぜ私がお前の旦那を狙っているのを知ったんだ?」
「ふふーん。同業者ならそんなことすぐにわかるわ。あなた2~3日前から私の家を調べてたでしょ?まだまだ修行不足ね。」
「おい、同業者って、まさか!」
「そ。夫の会社意外と渋いの。だから時々パートでやってるの。昔取った衣笠、・・むしり取っただったかしら?でね。
まあ、いいわ、あなたのことはクライアントを絞めてやったらすぐに白状したわよ。主婦ってのは家族を守るものなのよ(はーと)」
そういえば聞いたことがある。
かつて300mも離れたコインも打ち抜く女スナイパーがいたということを。
我々を奮起させるためのでたらめと思っていた。
いや、これももしかすると別の圧力かもしれない。
ゴトン!!!
2発目の銃弾が撃ち込まれた。しかも1発目と同じ位置に弾痕が。
そんな馬鹿な!
「どう、信じた?」
「・・・ちょー・・・やばくない?(語尾上げる)」
私は今度こそ、この仕事を辞める決心をした。おしまい。
じつはそういう小説があったのでちょっとパクりました・・・(^^;
次は女スナイパーさんが主役のお話が読みたいなぁなんて(✿→艸←)
とりあえずなんとかまとまったかな・・・(^^;
脅すだけで 手を引かせるその腕 負けてられませんね(●`・ω・´●)