ペンタドロン
- カテゴリ:日記
- 2012/04/30 09:14:48
今日の新聞で紹介されていた空間充填元素のこと。
平行移動するだけで3次元空間を埋めつくすことのできる単独の多面体(平行多面体)は、立方体、6角柱、菱形12面体、長菱形12面体、切頂8面体の5種類しかないことが19世紀に証明されています。
このため自然界の結晶は、上記のどれかとなります。
結晶格子は、面心立方格子、体心立方格子、単純立方格子、六方晶格子などがありますが、たとえば面心立方格子は菱形12面体、体心立方格子は切頂8面体です。
ところがある種の金属結晶に鍛冶(鍛造冶金)を施すと面心立方格子から体心立方格子に移行する(相転移といいます)。
この結晶格子の連続的な移行のためには、仲介する多面体が存在するはずと推測されていました。
そして、たった1種類ですべての平行多面体を充填するような元素が存在することが判明しました。これがペンタドロンです。
ペンタドロンをσで表すと立方体はσ12、6角柱σ144、菱形12面体σ192,長菱形12面体σ384,切頂8面体σ48となります。
ペンタドロンで積み木を作れば、この積み木で遊んだ子供の空間認識能力を向上できるはず^^
体積を計算するのにσを使えば、立方体を1とすると切頂8面体は4倍、6角柱は12倍、菱形12面体は16倍、長菱形12面体は32倍です。
小学校で、こういう形で体積の教育をすることもいいだろうな・・・
注)
ペンタドロンを使用する立体パズルは、すでに特許が出願されています。
この特許の中に、ペンタドロンの構造や平行多面体の構造が記載されていますのて、興味のある方は見てください。
http://www.ekouhou.net/%E7%AB%8B%E4%BD%93%E3%83%91%E3%82%BA%E3%83%AB/disp-A,2010-17517.html
たぶん、大人でも遊べます^^
3次元の空間充填元素が、なぜこの形となるのか興味深いです。
子供だけでなく、大人も遊べそう(微笑)。
こういう幾何学上の発見は、地味な感じもするけど、
どういう方面に繋がっていくか分りませんものね・・。
リーマン幾何学が、実は一般相対性理論~宇宙論に繋がっていくなんて、
リーマン自身にも分からなかったでしょうから・・(汗)。