お涼の活躍8(忍者物語)28
- カテゴリ:30代以上
- 2012/04/27 01:04:18
コーデはお涼が旅一座でお涼の中では一番華やかな時でした。
その時は三味線と、彩夜がお嬢踊りをやっていた時に後ろの方で
夕奈と一緒に藤の花を持って右へ左へとふって居ました。
最初の5年間の旅で寛太が遊び人風の用心棒をやってました。
お涼16歳の春でした。
時々お涼が懐かしく昔を思い出すのはこの時代です。
★、さて話は「忍者物語」にもどします。
一番大変だったのはお涼と組んでしまった忍者だった。
険しい為に何とか登れる其処は
其れこそ登ってくる人数は一人ずつで
しかも少なかったが、それだけに腕力に自慢のある侍が
とびとびの岩を手でつかまりながら
登って来られる体の大きな人間である。
お涼は何とか、仕込み刀でこっちに気を取らせて、
忍者が手裏剣と刀で勝てる様にしていた。
この大きな体で力任せに切り付けて来ると
忍者も負ける時がある。
此れだけ体が大きいと手裏剣が二、三本体に刺さろうが
侍は心臓にしっかりと刺さらないと死なない。
両手で刀を持って居ると手裏剣を
もろともしないで力で切り付けて来る。
其れをさせまいと、お涼が仕込み刀でをちらつかせて気を引いて
隙を作ろうとしているのだ。
目障りなババァだとお涼を先に切ろうとしてお涼に襲いかかってきた。
其の瞬間にお涼はさっさっさと刀を構えながら横に動いた。
侍はお涼の方に飛び掛かる瞬間に
自分が切られた事を知った。
そんな隙を長が最強と言った忍者が見逃すはずがない。
だが、実際はお涼はそう動いたつもりだが、
よたよたっと横に動いただけなので
正に此の忍者で無ければお涼は切られていた。
お涼に目を向けると忍者が切り付けるので其れを刀でよける。
その瞬間にお涼が仕込み刀がわきを突く。
お涼にためらいは無い。
隙が在れば切りつける。
後は間合いを取って、
自分が居る事を仕込み刀をちらつかせて知らせる。
お涼と組んだ忍者は
其処にあがって来た侍を全て
自分が致命傷を与えて
殺さなければならなかった。
もう誰も登って来ないと解った時、
お涼は、よたよたと後ろに下がって、
座り込んでしまった。
お涼と組んだ忍者も
精根尽き果てたと言うのが本音だろう。
そして、正太達の4人組も9人程の侍を
連携で殺した。
奇跡の様な勝利だった。
偶然、4か所しか、其の崖を
登ってくる事が出来ない
切り立った崖だという事も幸いしたのだ。
引き上げる時は、全員声も出ない程、疲れ切っていた。
お涼は木に寄りかかって、へたり込んで動かなかった。
誰もお涼を起す気力も無い。
やっと起きて、よろよろと一番最後について行った。
だから、お涼は与一が戦っていた事を
夜、与一の傍に行くまで気が付かなかった。
確かに向こうの方に闘っている人達が居たのは解っても
目の前の敵で振り返ってみる余裕も無い。
お涼はそれこそ、最初の岩を落とした後も
登って来た侍がそれでも足場が安定した所を見つけて
弓矢をいってくる事さえ気が付かなかった位である。
掘り起こされた岩が元足軽の所に運び込まれて、
どんどん来る騎馬兵に、足軽が未だと手を振り落すと
男達が岩を押しおとす。
その時も目の前の凄い迫力で落ちて行く岩に気を取られていた。
其の位だから、
後に農夫が来て闘いに加わった事もしっかりした記憶にない。
お涼には、全体を見る余裕はなかったのである。
だから与一の姿にショックを受けたのである。
それほど、全てがいっぱいいっぱいであった。
前々日からの準備、
朝からの領内で走り回っての行動。
そして此の闘い。
何も思考できない。
与一にどこでどう戦っていたのかも
聞く事も出来ない程頭が重かった。
与一が少し力を入れてお涼を引き寄せたので
お涼はなすがままに与一の膝の上につっぷした。
ちょうど膝の上にかけたひざ掛けの様に伸びた状態だ。
其の体制を立て直す力もない。
お涼の顔を与一の膝を通り過ぎて
顎がわずかに与一の膝にのっていた。
手はだらりと前に伸びている。
しばらくうつろな目をしていたが
与一の膝に突っ伏した途端に眠ってしまった。
与一が変わり果てたお涼の頭を
少し涙ぐみながら、やさしく頭を撫でたのも
気が付かなかった。
朝方、少し開けたかなと思うまだ暗い時に
顔見知りの忍者の男に揺り起こされた。
城はとっくに落ちたが
何と字源軍との和議が長引いているという。
何で和議?とお涼は考えたが、
侍の事は解らない。
立原兵の本体は引き上げたが、
残党が領内に入り込んで居る。
解ったのは闘いが終わったと言う事である。
ふう~っっと力が抜けた。
其の姿を顔見知りの忍者が
何か言いたげにじっとみて、
与一の前も構わず、頭を軽くたたいた。
「 薄氷の勝利」ってそんな言葉が在ったのですね。
副題として付けたい位です。
お涼はもうおばあさんに近い叔母さんです。
幾らかつては、全日本バレーで闘っていて、ママさんバレーでも全国大会に出た位の
体力があったとしても、現役の男子大学生のバレー選手と戦えるほど強くないのです。
しかも3日連続精神も使い果てて、神経的にも参ってます。
其れでもお涼は闘いの場に身を置きます。
お涼は根が真面目な良い子なのです。
どんくさいながらもその時その時を一生懸命闘います。
だから顔は良くなくても、背が小さくても、可愛い奴なのです。
性格が良いのです。
苛められっこの本質の様な気がします。
いじられない様に強く悪く成らなければならない
今の現状を周りがもっと一生懸命
成れば救える要素があると思います。
一緒に不良のパシリに成らなくても
死ななくても、悪に身を染めなくても
多くの人がいじめっ子が諦めるまで
執拗に其のいじめっ子に対応して
その子をかばえば救える要素があると思います。
いじっめこのコンプレックスも、
弱さも大人には見えます。
だけど、私はそれでもしてはいけない事は
いけない事だと大人が執拗にその子に教えるべきだと
思っています。
大人になってもお涼はお涼なのです。
心の良い見栄えに左右されない大人の男には
お涼の可愛さが解るのです。
お涼もいっぱいいっぱいだったんですね。
本来なら、字源軍が其処を制圧して、和議など必要ないのです。
字源領に成るのですから。
所が和議が有るのですね。
実はここから、闘いの正体がばれるのですが・・・。
平和の陰にトップ達の思惑がある。
庶民や兵は振り回されるだけです。
お涼ちゃんの白い髪がやっと手に入りました。
ぼさぼさのが欲しかったのですが、
長いロングの山姥みたいなひどいのが、
所がそんなのは此処では、有る訳がない。
しわだらけの顔も無いのですから、
それで可愛い白髪のお涼ちゃんになりました。
寛太と、お涼ちゃんの写真は諦め気味です。
二人の最高の時の青春のど真ん中の
写真を乗せてあげたかったのですが、
どうも、タウンをうろついても、寛太が居なくって。
夕奈と寛太の写真も撮りたかったのですが、
寛太は夕奈の音楽の才能を高く評価していて
忍者で終わるのは勿体ないと思っていたから、
その事をお涼にも軽く話してます。
お涼が夕奈に其れを言うと
いつも一緒に仲良く話しているお涼に
そっけなくします。
そう言う事は本人の口からききたかったそうです。
そんな青春のあの時の写真も
残して置きたいと応募をかけたのですが、
呼んでいる人が片手の指でも余る位なので、
無理っぽいです。(*ノД`*)
皆、精魂使い果たしましたね
生きるか死ぬか・・・しかもこちらが不利ならなおさらプレッシャーが
和議・・気になります