Nicotto Town



お涼の活躍6 男与一(忍者物語)其の26


お涼は月明かりの下、

草壁に寄り添って目をつぶっている与一を見つけた。

お涼も与一の傍に寄り添って休もうと

与一の傍に寄ってぎょっとした。

返り血で与一の顔も服も手も黒かった。

この人もあの中に居て、

どれだけ危険な事をしたのだろうと

涙が止まらなかった。

私のせいだ。私が此れを引き受けたから

与一をこんな目に合わせた。

こんな事、忍者なら思わない感情だ。

自分の為に仲間が死んでも謝る事も許されない。

どんな未熟な忍者と組んでも仕事が優先だ。


仕事の邪魔になるなら、仲間を見捨てる選択を選んでも、

仕事が成功すれば許された。


お涼は与一の乱れた髪をかき分けると

涙をうるませた切ない目で見上げて心で詫びた。

与一は少し笑って、

お涼を引き寄せるとそのまま、黙って目を瞑っていた。


実は与一が居なかったら

勝てない戦いだった。

最初に入って来た忍者も手練れだが、

その後 お隅の家に入った忍者は

親方が知っている中で

10本の指に入る忍者達だった。

与一、正太、佳代と男山で待っていたのは其の3人だった。

知らない顔の男達に素人でも解る気魄に人々はおびえた。


だが、後からお涼と来た忍者は

何度もあっている自称死んだ大工の身内だ。

人々はほっとした。

その人達は、まだ城内も含めて、混乱した領内を

何とかしなければならないので


お涼を山に送って、

その忍者と打ち合わせをすると下りた。

忍者数人と若い足軽、お涼、正太、使えそうな若い農夫達で

数十人の次から次と登ってくる侍を相手で

勝ったのが不思議な位だ。

実は先に行った農夫の一人が

其の仕掛けの所まで戻って、

仕掛けを鳴らしたのだ。

それで与一達他の者も駆け付けた。

岩を掘って、下に転がす時である。

大勢だから、それが出来た。

そしてやった経験がある足軽がいた。



更に其の落ちてくる岩を見て、

最初に上がってきたのが数人だった。

何故なら事前に上って誰も居ないのを確かめて、

立原側の岩の途中にある岩棚と呼んで居る所に

数十人で弓矢の名手が潜んだ。

計画では、騎馬軍が来ると、

先鋭歩兵部隊が、下がり始める。

それを敵兵が追って立原領内に入ってくる。

隠れていた弓矢部隊が彼らの最後が

射程内に来ると一斉に弓を打つ。

つまり退路を断つのである。

其処を騎馬部隊と歩兵部隊で

踵を返して討ちに始める。

様は挟み撃ちにして、関所を守っていた敵兵を倒し、


一期に騎馬部隊が突入する。

更に女山からの部隊と

二手に別れて城を攻める手筈だった。

だから、上に誰も居ないと確認したのに岩が降って来たので

そんなはずは無いと岩山を登り始めたのは

最初は10人足らずだった。


だが、其の者達が上から降ってきたので、

全員が山を登り始めた。

其の数は50名だっただろうか。

それを手練れが3名の忍者で、

勝ち目がある筈がない。

しかも岩を掘り上げて、転がして突き落としてと

体力的に疲れた所だ。

勝ったのはバラバラに登って来たからである。


そして、与一の働きで、忍者を後ろから切る事が

出来なくなったからである。

忍者の刀を持つ手を左手で捕まえると

どうしても相手の刀を持っている手を

切られるから捕まえざる得ない。

4つに組めば後は力の勝負で味方の居る方に

敵の背を向けさせると味方が背中から切り殺す。

そうしないと忍者は小太刀より小型な手裏剣を抜くのが早く


それで刺される。


見軽さでは負けるが腕力だと

侍の方が勝つ可能性がある。


与一はお涼とお鈴と3人で旅をした時に

盗賊にも侍崩れの手練れが居るので、

最後は両手を塞ぐから

布で持ち手がずれない様に持っていたシノで

体ごとぶつかって背中をついてと言われていた。

瞬時にしないと二人が

侍崩れの盗賊に振り回されたら

3人はそこで死ぬと教えられた。

実際にお涼の仕込み杖も飛ばされて

お鈴の仕込み三味線など

話にならなかった時があった。


手筈通りにお涼と鈴とで侍の両手を捕まえた。

侍は笑いながら二人を持ち上げた。

その時、与一が後ろから体ごとシノで突いたのである。

二人の女を振り落して、盗賊がガクッと足をついた。

其処をお涼が仕込み刀を拾い切りつけた。

与一が其処でタメラッテいたら

3人の旅は其処で終っていた。

その経験があったのだ。


4つに組んだ侍はぐいっと味方がいる方に

忍者の背中を向けた。

自分の背は


鍬を持って居ようが人を殺す訓練をしていない


唯の見物人だと見くびっていた。

だが、与一が手拭いで手に縛り付けたシノを

法被の下に隠していた。


侍の背中が見えた、と瞬間を逃さず体ごとぶつかった。

侍の力が一瞬に抜けた。

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2012/06/03 01:41
みみやん 様

与一が3人で旅に出る時に決意をしていたのですね。

イザと言う時に愛する物を守る決意をです。

侍は侍として育てられる。それが出来る人間として叩き込まれる。

でも、与一も環境が違えば立派な侍に成れる資質を持って居た男です。

男与一と題をしたのは、与一のそう言った人間性を出したかったのです。

集団心理で流されるのとは切り離したかったのです。

決意して愛する人を守った。

「俺には守らなきゃならない物がある。」 と言う所謂「侍魂」を大工の与一が持って居る事を

出したかったのです。

唯お涼は子供頃に素直に教えて貰った時から人を殺して居ます。

お涼は4つの時から訓練されて来ています。

子供の頃は遊びの様に色々な訓練をします。

鬼ごっごだったり、木登りだったり、プロレスの様だったり、

柳の枝で相手の首をかき切る遊びを子供時代にして来てます。

そしてその流れで12歳の時に人を殺してます。

悪と言う感覚はありません。

これらの部分はこの回は削って居ます。

今、削った部分をつぎはぎしながら、書き直してますけど。

与一にとっては其の時の決意はなみなみならない物だったのです。

其の当時に年頃の女連れで旅をする事は

餌を持ってオオカミの群れの中を横切ると言う事です。

だが、此の経験が今回役に立っていると言う事を出しました。
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2012/06/02 19:46
活劇!
リアリティーが強く頭にシーンが浮かんでくるようです!
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2012/04/25 04:39
此れは奇跡に近い勝利です。

一度に全員上がって来なかった。

しかも2度に分けてバラバラに来た。

更に一度目の人数が少ない時に

度素人が最初に人を殺す事を覚えた。

其処で慣れたのです。

一番最初の時が人数が少ない時だった。

次に与一がすでに殺人経験者だった。

だから勝てたのです。

与一が居なければ勝てなかった。

侍で無い与一が最初に人挿して見せた。

それなら、俺も俺もと農夫達が思った。

つまり正太の所に経験者の元足軽が居た。

彼が一番最初に挿した。だから彼の後ろにいた農夫が鍬を次々と振り落したのです。

与一は前の旅で男は俺一人だ、俺が女達を守ると人を殺す覚悟を決めて居ました。

そんな与一に刀を持った侍崩れには、背中から行かない限り勝てない。

度素人が刀より長い槍を持っても、勝てません。ちょいとよけて槍の枝を掴めばおしまいです。

同じ刀でも刃先であっちに倒したりこっちに倒したりしている内に倒されてあげようとしている力を利用して瞬時にしたから

上にあげれば刀は二人の力で吹き飛びます。

様は訓練ですけどね。

力の入れグワイと抜きグワイとだからちゃんちゃんばらばらと刀がぶつかり合うのです。


女の私より男の貴方の方が詳しいのにごめんなさい。

息子が少林寺を習って居る時に付き添って、剣道の方ばかりを見てました。

警察学校で教えているとか、どうかは詳しくは聞き損ねましたが、背が高い精悍な人でした。


私がそっちばかり見ているのは有名で、と言うか母親たちがそっちばかり見ているは有名で

そっちの方にお母さん達が集中して、少林寺の方が一人も来てません。


終わった時に子供達に僕たちの方を見ていた!?と聞かれて

お母さん達は声を揃えてみていたわよ~ぉと答えて居ましたけど。


家の息子に「ちっ!」と通り過ぎる時にやられました。

剣道の先生を見ていてチラッと少林寺の方を見た時に

こっちを睨んでいた息子と目が合いまして。(´エ`;)ホホホ
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2012/04/25 02:45
包丁は研いだ後・・・・アワワ ヽ(´Д`;≡;´Д`)丿 アワワ

確かにこんな人数でよくもまああの人数に勝てたものです

しかも即席の集団、殺しの訓練も受けてないものたちが多い

ただ、確か上を取れば有利と聞きます

登ってくるものを、上から狙う

与一の活躍も光ったと・・

相手は体制を立て直して反撃をしてきそうですが・・



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