お涼の活躍2(忍者物語)その22
- カテゴリ:30代以上
- 2012/04/20 19:57:20
お涼は早朝に家を出た。
昼前にはお涼の以前雇ってくれていた国との関所についた。
身分を言って大工道具をあらかた持って行かれた事。
前の戦いで家が壊されて壁も屋根も壊れていて雨も風も防げない状態。
赤ん坊がいる事。少しでも釘を貰って穴だけでもふさぎたい事。
国内の惨状を知っているだけに、意外とすんなりと関所は通れた。
お涼は急いで元旅芸人時代の親方の所に言って、
源蔵から貰った手紙と金を見せた。
「源蔵の顔を見たのか?」と聞かれ
思い出そうとしたが、
見覚えの無い奴と言う印象で顔を手拭いで隠してあって口元しか見えなかった。
忍者と分かったのはその細い仕込み刀からである。
「源蔵の顔を見て、生きている奴はいないとの話だ。
其処まで近くに寄って来たのもうあの国に帰って来ないつもりだろう」
親方はそれを預かって置こうと金と手紙を受け取った。
お涼は訳を言って食料を貰うとそれを伊達締めの縫いこんだ袋の中に入れた。
其れから五日後には、顔見知りの忍者がお涼の所に来た。
意外な事に棟梁の遺体を納めた赤鶏寺の住職を訪ねろと言う。
指定された時間に行くと住職は段取りを細かく教えた。
まずお涼は近隣の人に大工を埋めた墓が荒らされと
寺から知らせが在ったとふれる事。
鉄物を城が買い取ると言うので焼跡をあさる人達が居たので
みんなは納得した。
住職が言うには余りに可愛そうなので佳世の祖父の1周忌と一緒に
其の物の3回忌もして一緒にしてあげるので身内に連絡をして
詳しい生い立ちを知らせて貰うようにと言われたと近隣に触れて回った。
大金を要求されたが無いので佳世の簪で工面する事にしたと、
今の城の役人の羽振りの良さそうな所に訳を言って
簪屋に売りに歩いて貰った。
近隣の人に死んだ大工や女中の身内に手紙を出すと
余りにむごい話なので3回忌には出席したいと言って来たと
そこで元のお涼達の長屋に止まって貰う事にしたと言って歩いた。
やがて死んだ大工の身内に扮した忍者が数名、
すんなりと関所を通って、お涼の家に入った。
更にお涼は元お隅の家がそのままなので
其処にも関所を通らず山を越えた忍者数名を入れた。
後で知ったのだが、前の戦も含めて、
今回の下剋上で殺された家老たちの母娘が
今の領主の家老達に強引に妾にされている物が居た。
その中に住職の娘と孫が居て、
乱暴された挙句に自害していた。
お涼は元の家に戻って、今の領主の家老達の家を教えた。
更に一周忌の打ち合わせと称して、
寺へも彼らを連れて行った。
寺に出入りしている元家老の生き残りの者は
元領主側の元家来や身内で3回忌の打ち合わせの
名目だ。
お涼の渡した手紙には、自分の国に何か在った時は連絡するので
来て欲しいと在った。
隣の隣の国の動きを知って警戒をしていたのだろう。
形は変わったが、其れを知った字源氏が下剋上で殺された
領主の生き残り数人に密書を送った様だ。
それらの中に娘と孫娘をむごい死に方をした寺の住職が
いた。
寺の都合で一周忌の日にちが一月以上遅れそうだと
何でも住職が倒れて寺に色々な人が見舞いに訪れていると
お涼は触れて回った。
寺に人が出入りしても可笑しくない様にである。
お涼がいつもの様に山に薪を取りに行っていると
一人の男が何時の間にか隣にいた。
「手紙が届いた様だな。残りの金だ」とすっと岩の上に金を
置くとまた、すっと消えて行った。
源蔵が戻って来たのだ。
此れもお涼の顔見知りの忍者に聞いたら、
住職が其れとは別に雇ったらしい。
其の次の日辺りから、米屋を人々が襲うと言う噂が流れた。
今度は数千人に成るらしい。
全部の蔵を襲って、全てを一粒も残さないらしい。
洗濯をしていると顔見知りの忍者が来た。
「お涼、人が邪魔だ。三日で良い、男山に連れて行け」
お涼と与一は男山に上った。
ある程度の人数が居れそうな広場を探しては、
与一は大工道具を油紙に入れて埋めた。
お涼は鍋釜茶碗箸等の家宰道具と
忍者達が持って来た食料を入れた袋を油紙に包んで
色々な所に埋めた。
其れと絹糸を使って仕掛けを作った。
自分達のテリトリーに近づいてくるものが在れば
其々の仕掛けがなってどこから来るのかを知らせるのである。
前に失敗した隣国を出城にして準備をしていた国が
此の国を攻めてくる準備も進んでいた。
詰り今の領主軍は一つは民衆の一揆に備えて米屋に
もう一つは、隣国からの攻撃に備えなければならなかった。
特に女山を馬を引いて女山が通り過ぎると騎馬で一期に来る可能性がある。
城の兵達が女山と関所に集まっていた。
更に米屋の警備も厳重にされていた。
米問屋は城から遠い。
米を城にまだ運ばないで
米問屋に置いた方が蔵に在るので安全だと言うのは
住職の城への案だ。
更に寺が三回忌をやると言って
多額の金を取って色々言ってやらないと言う不満分子が
寺を襲うと言う噂が出て忍者を雇っている。
其れを山警備に貸すと言うので領主は住職を信用した。
兵は分散された。
でもお涼は黙々と不器用ながらもできるだけします。
其れはこの国の民衆の限界が来ているからか、それとも忍者の修業の成果なのかは解りません。
私には解らない事だらけです。
一番怖いと思ったのは米屋の打ちこわしにかかわった物が同じ民衆の密告でつかまって
殺された所です。
私は書かなかったかも知れないけど、イメージでそれが出てきました。
なんて酷い事をと思いました。
前の領主も平和ボケしていると思いましたが、お涼達も民衆も兵も平和ボケしていました。
此れも問題です。
でも、今度の領主は下種です。最低です。
権力を手にした途端、今まで憧れて居た物を強奪しました。
詳しく書くとエロくなるのでかけませんが、住職の孫娘はまだ14歳でした。
地獄に落とした位では怒りは収まりません。
頭に来たと思った人全員に金槌を持たせて、
其の男を殴って良いと言う刑にすべきだと思います。
更に、其の時代は自分が殺した領主や領主の家来の男の子はみんな殺します。
幼い子供でも殺します。
今回の回のお涼ちゃんはリア私から離れた気がします。
源蔵もなんか凄そうでかっこいい「見たら死ぬ」
欺いて、着々と準備が進み、兵の分散に成功。
さあーどうなる?( ̄ー ̄)ニヤリ