終わり良ければ全て良し・・?(忍者物語)その17
- カテゴリ:30代以上
- 2012/04/15 17:29:05
佳世の祖父、棟梁の申し出でお鈴をお鈴の父親の寛太の所へ
行かせて欲しいと言われて、お涼は寛太に其の手紙を出す。
最初は寛太が本当に京で庭師になって居るかも解らないし、
顔にざっくりと目にかけて大きな傷が在る強面だ。
色々な所を渡り歩いて用心棒をしている可能性の方が考えられる。
所がお鈴に聞くと寛太は京で庭師をしていると言う。
更に何度も手紙をお隅の所へ送って来ていただけでなく
数えきれないほど毎年一回はお隅を京から訪ねて来ていた。
盆か正月のどちらかは来ていたと言う。
お隅は一言もお涼に其の話をしなかった。
お涼も聞かなかったし、寛太の名を口にした事は無かったが、
お隅はお涼の寛太への気持ちに気が付いていたし、
お隅も寛太とそうなる前に寛太の気持ちを聞いていた。
寛太はお涼が自分に責任を感じている気持ちと好いている気持が
混同して一緒になって居る。
そんな女の気持ちに付け入っても空しい。
それなら、金で女を抱くと言ったそうだ。
お隅はそんな寛太の男気に惚れた。
本当に京で庭師の修業をして、
一人前に認められると金を持って
お隅とお鈴を訪ねて来ていたのだ。
そして盆暮れの休みを利用して2日でも1日でも
訪ねて来ていたのだ。
寛太からお隅への沢山の手紙の束には、自分の居場所も書いて在った。
棟梁のが路賃を出して、迎えに来れないのなら、
与一とお涼が京へお鈴を送り届けても良いと書けと言うので
其れも書いた。
棟梁の話だと京に宮大工になった大工仲間がいる。
与一が宮大工の仕事を見せて貰うのも
勉強になるだろうと言う事だった。
其の間、正太を自分の所で預かる。
どの程度の腕かも知りたいし、自分も教えて見たいと棟梁が言う。
京に行ける、寛太に合える、お涼は震える手で何とか手紙を書いた。
一月程して、寛太から返事が来た。
京へは普通の大人の足で一月以上はかかる。
飛脚とは、本当に早い物だと感心した。
寛太の手紙にはお隅の葬儀のお礼と
今は大きな仕事が入っていて休みが取れないので
お鈴を連れてきてくれるのなら、自分が引き取りたいと書いて在った。
与一とお涼とお鈴の旅が始まった。
棟梁は女ずれの旅だから時間が掛かるだろうと
半年分の路賃を用意してくれた。
与一は其れを持って居る事の方が緊張したし、男は自分一人だ。
小型の両刃鋸をさらしにまいたり、小型の引き回し鋸をさらしにまいて
兵児帯に挟んだりした。
その上に荷物を二重に撒いた風呂敷をしっかりと背中にしょった。
お涼は当たり前の様にさらりと作って普通に持ち歩いていた仕込み杖を
持ち、お鈴は仕込み三味線を持った。
実際はお涼達の方が盗賊にとっては怖い存在なのだが。
3人が旅立つと正太は佳世のいる棟梁の家の住込み職人と
同じ部屋に入った。
佳世は飯炊き女達も立ち入らない其の部屋に堂々と正太を
訪ねて入って行き、男達が驚いて正座をし始めた中で
正太に蹴飛ばされて、追い出された。
廊下で拗ねていると、襟首を掴まれて引きずられて
庭へ出れる場所で外にほおり投げられた。
何度か、其れを繰り返している内に佳世も棟梁の
頼み込む様な説得もあり、諦めた。
だが、正太が兄貴分の熟練大工達と飲みに行って
其の後に女郎屋によって帰って来たと解った時は
大騒動だった。
其れを知るや佳世は大工道具の入った場所へ行くと
錐、鑢、しの、鑿を手裏剣の様に正太めがけて投げつけた。
其れを必死で持った板を盾にしてよけながら、謝り続けて逃げ回った。
其の板にストストストと錐、鉄鑢、しの、鑿が突き刺さる様を
見た大工達は震えあがった。
正太が軽く塀に乗って屋根に乗ると佳世も追いかけて塀に乗って
屋根に上った。
其処から、あちこちと飛び移って降りると佳世も真似をした。
追いつけないと解ると正太を締め出した。
お涼達が京から返ってくると正太が家で自分で作った夕飯を食っていた。
聞くと此処から仕事場へ通っていたと言う。
正太の訳を聞くとお涼が大笑いをして、正太を連れて佳世の所へ行った。
与一とお涼は棟梁への挨拶と報告を兼ねて、
ついでに正太と佳世を仲直りをさせに行ったのである。
お涼の前では正太を錐で挿す訳にも行かず、
むくれて俯いて居た。
お涼は二人で「静かに」話し合う様に佳世に言います。
佳世は正太と離れに連れて行きます。
正太は女郎屋に行ったけど、鬢付け油臭い部屋で待って居ると
トドかセイウチかと思う様な女が来て、
顔をつけて来ての匂いがきつくて吐きそうになった事。
兎に角、頑張ってみようと上に乗ったが
腹の上で犬かきをしている様で自分の「物」は其の気にならないし、
鬢付けの匂いで気持ちが悪くなるしで、
もう駄目だと思ったので急いで正座して誤って着物を持つと外に出て
みんなが見て笑っていたけど、そこで着物を着て他の仲間を待ったと
言った。
佳世はほっとしたり、正太の様子を想像したりで袂で顔を隠しながら
泣き笑いを堪えていた。
隣の部屋で聞いていたお涼の方が余程笑いを堪えるのが
大変だった。
やはり一番強いのはどこの家でも女房なのでしょうか。
金管日食見ました。
北海道は最高で三日月でした。
それでも、今が一番削られたとテレビで言って居る時に外に出ました。
ちょっと「鋼の錬金術師」のアニメが頭をかすりました。
還暦のオタクって、こんなもんです。
女って怖いです(^_^;)
冗談はさておき、このエピソードは嵐の前の束の間の幸せなのでしょうか?
これからお話しが本筋に入っていきそうですね(^-^)
本当に良かったとお涼も棟梁も思った事でしょう。
だって、あのお佳世を見たら、どの大工の熟練工も佳世の夫に名乗り出る気はしなくなりましたもの。w
更にあそこまで我儘になった佳世を抑えられるの男は正太だと
棟梁も他の熟練大工達も解ったですし。
正太の説教は素直に聞く、佳世が男の仕事場に覗きに行く事も最初に正太にみつかって
叱られてからはしてません。
だから棟梁の仕事場で棟梁に仕事を教えて貰う事がその後もできました。
更に正太の腕が仕込めばどんどん上がる事も熟練工達も認めました。
力はあるし、身が軽いし、呑み込みが早い。
女郎屋の佳世の大騒動の後は理想的な跡取りが見つかったと
兄弟子たちもホッとした所でした。
それぞれの分野の専門職人が居ますが、
其の人達にも、お寺に居た元お侍さんの教えで丁重な挨拶をして
気に入られました。
何もかもが順調に見えました。
でも、すでに事は動いていました。
お涼は其の気配を感じ取って居ました。
しかしほとんどの其の領土の庶民は気が付かず、
長い事続いた平和を当然の様に思って暮らして居ました。
だから、一軒家を立てる家が出来、大工が幅をきかせていました。
みんなの姿や声が実際に目の前に広がりました
最後、笑いを堪えるお涼ちゃん・・・(・∀・)イイ!!なあ~♪