少女の鎖 2
- カテゴリ:自作小説
- 2012/02/19 17:11:55
ロープを蔦って降りたのは良いものの
この王宮から出る術など全く考えていなかったリリーは
とにかく走った.
今頃メイドや教育係のクレアさんが騒いでいる筈
でも、このメイド服を着ていればきっとバレない
「ハァッハァッ、ちょっ、そこのッ..」
「は、はいッ!」
クレアさんが息切れしている、汗もボタボタ
「リリーお嬢様を..ハァ、早く..探して頂戴!!」
クレアさんは気付いてないみたい、良かった
「は..い、今すぐ!」
また走った、この鎖で閉ざされた空間から脱出するため
「どうしよう..ココ広すぎるよぅ..」
目の前には庭園、建物が一つ二つ..もっとある
「お嬢様ーー!!」
クレアさんの叫び声がうるさい。
どうしよう..ココから逃げる方法なんて知らない
でもまた捕まっちゃう、
誰か..私独りじゃ何もできない..
幼い頃から外に出ることを禁じられていた今の私に頼れる人はいない.
「もうッ...独りは嫌なのにッ...」
ココの人達にバレるのも時間の問題
でも今日こそ決めたんだ、自由になるんだって
涙目の眼を擦って息を吸って、
偶然王宮のずっと端っこの井戸を見つけた
「あ..こんなとこあったんだ..」
私は井戸がそんなに深くないだろうと考え
井戸に足を伸ばし、メイドのロングスカートが
引っかかりつつ、横幅が大きい井戸に入ろうとすると
まぁよく漫画にありがちな展開ではあるが真っ逆さまに落ちて行った
__堕ちてゆきながらリリーは思った
.._なんだっけ、昔メイドに読んでもらった本..
『不思議の国のアリス』__
あ..確か穴に落ちるシーンあったなぁ..
私も同じようなもの..?
...でも井戸から真っ逆さまに落ちるメイドに変装したヒロインってどうなのかしら..
ぴくしぶに行ってまいります!
でも中高の6年間は、人生の中で最も光り輝いて最も素敵な時代でもあります。
色んな可能性に挑戦して、たとえ失敗してもそれはそれで良き思い出となる時代でも
あります。君は聡明な人だから、自信を持って歩んで行けばいい。
卒業のお祝いに3月になったら、つまらないものだけど気は心、花束を贈ります。