Nicotto Town



少女の鎖

 少女は鎖に繫がれていました.

『貴方の生きるこれからの人生はママ達に任せてね』

幼い頃にしか逢ったことのない母に言われた事を今の16年間守っていた

バイオリン、ピアノのレッスン

毎日メイドと執事が部屋の前に居て、

外に出ていいのは食事とトイレ、お風呂に浸かる時だけ。

自由なんて知らなかった.

これが私の思う当たり前だったから知ろうともしなかった

________...

「お嬢様!何故お分かりになってもらえないのですか!」

「ハァ..ごめんなさい、クレアさんッ」

少し仏頂面をしたのは清楚な服に包まれた少女リリー

その目の前に立っているのは教育係のクレア

「お嬢様は何故メイドが目を離したすきに勝手に足を運ぶのですか!」

「..だって私が外に出て良い時なんてほとんど無いじゃない!」

「ハァ..外はとても危険なのだとあれほど言ったではありませんか!!」

クレアに言い返されたリリーはこれにまた反発した

「危険なんかじゃないわ!、お花だって小鳥さんだって可愛いのよ!?」

「鳥でしたらお嬢様のお部屋にインコが一匹いるではありませんか!」

「..この前一緒に寝たら次の日死んじゃってた..」

「なッ..その死骸はどうしたのです!」

「え..外の庭に埋めてきました」

教育係のクレアは白眼をむき、フラフラと倒れた.

メイドが駆け寄り、その間にリリーは自室へと走って行った
______今日、彼女は決心したのだ____

ドアの前に無理矢理本棚を押し、あちら側からは入れないように、

そしてメイドの更衣室から持ってきたメイド服を着用し、

釘で打たれた窓を釘抜きで引き抜くと

蒼く雲が泳ぐ空が見えた.

ガチャッ__バンバンバンッッ

「お嬢様!!、お開けになってください!」

「早くしないとッ..」

窓の下へとロープを垂らし、

ベットに繋いで足を窓の外へと運んだ

「お嬢様!!」

クレアのドアを叩く音が鳴り響く.

リリーが振り返った瞬間本棚は動き、
隙間からクレアが部屋に入ってきた

「お嬢様!!!何を!!」

「ママにはこう言って頂戴、もう疲れたわってね!」

リリーはロープにまたがり,颯爽と地面に降りて行くのを見て

教育係のクレアはキャーキャ‐言いながら血相を変えて騒いでいた.



___

ちょっと前にピクシブに上げたものです





Copyright © 2024 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.