ユキ、おまえを愛してる(第6話)
- カテゴリ:自作小説
- 2012/01/28 17:56:08
「人間とは本当に自分勝手な恐い生き物です。生き残る為に常に他人と競争をさせられているからか、自分の事しか考えられない生き物になってしまったんだわ。」
バイオレットは、涙をそっと拭った。
「私が出会った男も最初は優しかった・・・。そのうち慣れてくるとだんだん私に飽きてきたのか他の女と仲良くなったりした。でもしばらくすると、また私に優しくなったりしたわ。そして、私との最後の愛の試練の時になると、恐くなったのか尻込みして私を置き去りにして他の女と逃げてしまった・・・。突然の心変わりで、私は愛の試練に失敗して人間にはなれず、ここに戻された。あんなに約束したのに、私は捨てられてしまったの・・・。」
「バイオレット・・・。」
「ママ・・・。私、愛していたの。」
バイオレットは、駆け寄ってきた王妃の胸に顔を埋めて泣いた。
バイオレットの大粒の涙は王妃の煌びやかなドレスを濡らした。
「しかし、マーガレットまで人間の世界に行ってしまうとは・・・これは、猫仙人さまに相談せねばなるまいな。」
猫王はそうつぶやいた。
「ネコヒゲ爺。仙人洞窟に使いを出して猫仙人さまを呼んでくるんだ。」
「はい。猫王さま、分かりました。さっそく手配致します。」
ネコヒゲ爺は軽く会釈すると廊下に消えていった。
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果たして、ユキは幸せになる事が出来るのか?
次回を乞うご期待(^O^)/
こんなダメ男ばかりじゃないはずだ!
ユキちゃんは幸せになって!!