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正恩氏に権力継承へ-北朝鮮情勢、不透明に

金正日総書記が死去=正恩氏に権力継承へ-北朝鮮情勢、不透明に

 【ソウル時事】北朝鮮の朝鮮中央テレビが19日伝えたところよると、北朝鮮の最高指導者、金正日労働党総書記が17日午前8時30分(日本時間同)、現地指導の際、列車の中で心筋梗塞を起こし、心原性ショックを併発、死去した。69歳だった。朝鮮中央通信は三男、金正恩中央軍事委員会副委員長(28)を後継者と伝えており、軍部を中心に体制維持を図るとみられる。しかし、圧倒的な統率力で独裁体制を維持した金総書記の死により、北朝鮮をめぐる情勢は一層不透明となった。核兵器と弾道ミサイルの開発を進める北朝鮮の行方は予断を許さない。
 金総書記の遺体は首都平壌市内の錦繍山記念宮殿に安置された。正恩氏らが葬儀委員会を構成、28日に平壌で葬儀、29日に中央追悼大会を行う。29日までが「哀悼期間」となる。韓国政府は国家安全保障会議を緊急招集。韓国軍は不測の事態に備え、全国で非常警戒態勢に入ったが、北朝鮮軍に特異な動きはない。中国も難民の大量流入などの事態を懸念し、北朝鮮との国境付近の軍の配置を強めるとみられる。
 金総書記は心臓や腎臓に疾患があり、糖尿病も進行していた。2008年8月に脳血管の疾患で倒れ、一時動静が途絶えた。同年11月に現地指導などの活動を再開した。
 10年9月の党代表者会と中央委員会総会で後継者に確定した正恩氏は軍の支持を受けており、軍事優先の「先軍政治」体制が存続される見通し。拉致問題解決の見通しが立たない日朝関係も当面、大きく変化する可能性は低い。
 金総書記は1942年2月、故金日成主席の長男として生まれ、74年に後継者に内定した。激しい権力争いを経て実権を掌握、80年に党書記に就いた。94年7月の金主席の死去後、97年10月に労働党総書記に就任した。98年9月には国家最高ポストに格上げされた国防委員長に選ばれ、名実ともに北朝鮮の最高権力者となった。(2011/12/19-14:22)


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