双子座流星群
- カテゴリ:その他
- 2011/12/14 20:45:39
ようやく迎えた退社時間。あとは電車に揺られて帰るだけ…。
そして今日も愚痴の材料が増えただけ……。 はぁ~
最近メールでも、直接会っても愚痴ばかりこぼす自分。
それを嫌な顔ひとつしないで聞いてくれるアイツの顔が不意に浮かんだ。
社屋を出たところで、メールが届いた。アイツからだ。
「社屋を左に曲がって、路地へ入れ」
ん?何これ? すこし訝しがりながらも言われた通り進むと、
そこには白馬と見まごうばかりの純白のRV車が停まっていた。
アイツは、私の姿を見つけると一目散に駆け寄ってきて耳元で
「すまん、巻き込むぞ」
と言うなり、私の体を持ち上げた。
ちょうどお姫様抱っこのような格好のまま白い車の元へ…。
(えっ何?何なの??)
頭の中は混乱しっぱなし
そのまま助手席に丁寧に座らされると、アイツはエンジンを掛けた。
ブォンと白馬は一声嘶くと、唸りをあげて駆け出した。
「ねぇ?どこへ行くの?」
ようやく搾り出すみたいに声を出してみたが
アイツは、険しい顔をしたまま車を走らせていた。
(巻き込むって一体?)
サッパリ何のことだかわからなかった。
向かい合うヘッドライトの数が徐々に減り、町の明かりからも随分と離れたようだった。
すこし登ってる? おそらくは山に向かっているんだろう
山頂付近のすこし開けた場所で白馬は走るのをやめた。
街灯ひとつ無い真っ暗な場所
眼下には美しい夜景が広がってはいたが、
木が邪魔をしておせじにもベストスポットとはいいがたかった。
何も言わないまま、アイツは車を降りた。
あわてて私も続いて車を降りる。
日頃からさんざん職場の愚痴を聞かせたから、気晴らしに連れて来てくれたんだろうけど
なんでこんな何にもないところ?
そんなことを考えながら、辺りを見回すと本当に真っ暗だ。
そして12月の山は、かなり肌寒かった。
寒ぅ…。
思わず身をすくめると、革ジャンが飛んできた。
革ジャンに袖を通し、説明を求めようとアイツの姿を探した。
アイツは、車のリアハッチに腰掛け、手招きをしていた。
招かれるまま横に座ると全て理解できた。
満天の星がそこにはあったのだ。
アイツは星を見ながら、色んな話をしてくれた。
ふたご座の光はなぜ、弟のほうが明るいのか。
オリオンはなぜ、星になったのか。
子犬座の悲しいエピソード。
夜が更けてきて、一段と冷え込んでくるとアイツは毛布なんかを引っ張り出してきた。
他にも行きつけの喫茶店のコーヒーをポットに入れて持って来てくれていて
2人して毛布に包まって、コーヒーを飲みながら星を見上げ続けた。
マスター自慢のハムサンドを頬張っていると、星が流れ始めた。
アイツはあれが、ふたご座流星群なのだと教えてくれた。
「ねぇ?どこ行くの?」 の節まで、これはリアな話で・・・
お姫様ダッコされたのは恭介なんだと・・・勘違いしちゃったw
リアでは無理なので妄想w
はっっ∑(=゚ω゚=;) 恭介さんもしや・・・・・・|ω・‘*)オンナノコ?