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TAKEのつぶやき


☆「破獄」吉村昭

小生の大好きな作家の一人吉村昭の作品です。
これは日本が戦争をする前後に、一般社会とは全くかけ離れた世界で展開される物語で、主人公の囚人・佐久間清太郎は絶対不可能と考えられた脱獄を奇想天外な方法で4回成功させます。実話に基づいているだけに、読んでいて妙に生々しく、人間の底力を感じさせる元気の出る小説だと思います。

戦前、死刑を宣告された佐久間清太郎は青森刑務所へと送検されるが、その独居房を脱獄したのを皮切りに、捕まってはまた脱獄することを繰り返すこと4回。その都度監視体制は強化され、扱いも人間とは思えないような酷いものへとエスカレートしてくる。しかし、佐久間はその知力と体力を駆使して国家権力に反抗するのであった。読んでいて最もワクワクさせられたのが、脱獄するぞと看守を脅し、囚人としては考えられない態度をとったというくだりである。
本当に事実であったのかと思いたくなる展開はこれでもかというくらいに続き、最後に収監された府中刑務所でこの小説のクライマックスとなるのであるが、最後の府中刑務所でなぜ佐久間は脱獄することを止めたのかは非常に考えさせられる部分である。(ここは世の教育関係者必読です)

日本の社会も不満を言わずに、この佐久間のように奇想天外な方法で現在の不況から脱獄してもらいたいものですね。

追伸
佐久間清太郎と映画「羊たちの沈黙」のレクター博士がダブって見えるのは気のせいでしょうか?

アバター
2011/12/13 23:34
その知能の高さ故に。。。凡人の知能の低さに5度目の脱獄は『諦めた』んとちゃうかな。。。
天才はいつの世も孤高の存在ですからな^^
アバター
2011/12/13 20:17
これ、観たかもしれません。
印象深かった。
レクターはもっとしたたかで怖いイメージがあるのですが、
看守たちの、脱獄させないための扱いがだぶりますね。



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