【東方小説】午後のお茶会
- カテゴリ:小説/詩
- 2011/12/12 22:36:53
日射しが柔らかな午後。
周りには、綺麗に咲き誇る薔薇や花畑達。
そんな中庭に日傘を差し真っ白な机の上に血のように赤い赤い紅茶を二つ起き、私が座る側ともう一つ椅子を置き、その上にお話相手のお人形さんを置く。
「ねえねえ、聞いて!」
私は机を乗り出してお人形さんに語りかけた。
「咲夜がね、お姉様からのお茶会の招待状を持ってきてくれたの!」
嬉しそうにそう語ってから一口紅茶を飲む。
「え?嬉しいって?勿論お姉様とお茶会だもの、嬉しい!」
何も喋らないお人形さんに話を続ける私。
けど私の話を、聞いてくれているんだと思った。
「妹様、お嬢様がお呼びでございます」
不意に後ろから話しかけられたのは、この屋敷のメイド長―咲夜。
私が席を立ち咲夜の所へ行き、ついて行った。
*
「あら、フラン。来てくれたのね?」
「お姉様、御招待有難う」
咲夜について行き、辿り着いたのは日陰で日にあたることの無いベランダ。
そこには、同じ丸くて白いテーブルの上にティーカップが一つ、もう一つはお姉様が持っている。
真ん中には淡いピンク色で彩られた薔薇が描かれたティーポット。
それらを順に見るようにじっと立ち止まっていた。
「フラン、そこの椅子に座りなさい?」
お姉様は持っていたティーカップを置き、右手で反対側の椅子を指す。
「はい、お姉様」
「良い子ね。咲夜?この時の為に取っておいた紅茶を淹れて来てくれないかしら?」
「かしこまりました」
小さく一礼して、咲夜はティーポットに手を伸ばし、手に取る。
それからまた少し一礼して踵を返して移動した。
「でもお姉様、どうして急にお茶会を?」
「ここからよく辺りを見渡せれるでしょう?」
「うん!綺麗!」
「ここでのお茶会はとても良い物よ。それに貴方が人形と紅茶を飲んでる所見てね」
「ここからでも見えるの?」
「ええ、確かあの辺だったかしら」
お姉様は席を立ち、ベランダの手すりに手を置き辺りを見渡す。
それから私がいつもお茶会をしている所を指差した。
「凄い!ここからだと何でも見えるのね!」
「綺麗な花畑を見ながらお茶会は良いでしょう?」
嬉々とした目で私もベランダから辺りを見渡す。
光に反射した湖が眩しく、水をあげたばかりの花も少し光を反射させ、キラキラと輝いて見えた。
お姉様は席を座ると同時に、咲夜が戻ってきた。
「お嬢様、紅茶を淹れてまいりました」
「あら、ありがと」
ティーポットを手に、ゆっくりとティーカップに紅茶を注ぐ。
甘い匂いがふわりと香る。
それから二つのティーカップに紅茶を注ぎ終わると、真ん中より少し後ろにティーポットを置き、真ん中に苺ジャムを乗せたクッキーを並べたお皿をティーポットの前に置いた。
「私は掃除場所へ戻りますね。また何かあればお呼びください」
「ええ」
そう言って、咲夜は踵を返してまた去った。
「咲夜って、いつもいつも急がしそう」
「そうね。この屋敷のメイド長だからそんなに楽なものじゃないんでしょうね」
それを聞いて、私は何か思い浮かんだ。
パンッと両手を合わせて、お姉様に言った。
「ねえ、お姉様。今度は咲夜も呼んでお茶会しましょ?」
「あら、それは良い提案ね」
優しく微笑みかけ、お姉様は一口紅茶を飲んだ。
私もティーカップを取り、甘い匂いを楽しみながら一口飲んだ。
やんわりと光が差す昼盛り。
スカーレット姉妹のお茶会は、まだ始まったばかり。
============================終わり
後書き。
何かやってしまった感。
最後までオチ無し、何と言うかただフランの素直な気持ちを想像しつつも
ただ小説にしただけですはいー(・ω・)
公式に合わせると言うのも中々大変だなぁ…
オリキャラなら自由気ままに書けるけどもう決められてる場合は
そのキャラの個性?と言うのか?崩さずに書かなきゃいけないからなぁー
また気が向けば次の話も書こうかと。
ちなみにこれから書く東方小説は短編なので1作だけです。
リクエストもあればそれに沿った小説を書こうかと。
なんかすごくない?(
自分で書いたの!?←