腐ったロミオジュリエット3
- カテゴリ:自作小説
- 2011/12/06 19:44:17
*ジュリエットが男です
しかし…これを自作と言っていいものか^^;
『父上、母上。
実は、キャピュレット家のジュリエット姫と私は、
以前から愛し合う中でした。
しかし父上がキャピュレット家と揉めている以上、
姫との結婚を認めてはいただけないでしょう。
この世では一緒にいられないのならと、私たちは神の御許に赴き、
そこで一緒になることにいたしました。
どうか、愛のために先立つこの身をお許しください』
『お父さんとお母さんへ
お父さんがいがみあってるモンタギューのロミオさんが好きなのですが、
今のままでは結婚できないので、あの世で結婚しようねと約束して
一緒に旅立つことにしました。
お父さん、お母さん、今までありがとうございました』
そんな書き置きをしてきたから、今頃屋敷は騒ぎになっているんじゃないだろうか。
「そうかもしれません。俺、本当はとある貴族に嫁ぐ事になってましたし」
ジュリエットの言葉に、おれは驚きを隠せなかった。
「え、だって男だろ?」そうとも。昨夜確認したし。
「男ですよ。でも、それでもいいとか言ったそうで。
ちなみに俺がこんな恰好させられているのも、その貴族の希望だからです」
ヘンタイ貴族・・・おれの頭にそんな言葉が浮かんだ。
ところで、
「あのさ、ジュリエットの気持ちはどうなの? 本当はその貴族に嫁ぎたかったとか…」
「俺は、別にどっちでもよかったんです。嫌だと言ったところで聞き入れられるわけではないし、それに、その貴族は別にに俺が目的なんじゃなくて、単に別の人を囲うための目くらましに俺が必要だっただけなんです」
そこまで言って、ジュリエットは黙ってしまった。
深窓の麗しき姫君と噂されるジュリエットだが、
本当は自分の居場所を見つけられないでいる子供なのかもしれない。
しかも、男だし。
「なあ、ジュリエット。おれと結婚したらさ、男の恰好に戻ろうぜ」
「…誰が、結婚するんですか?」
「お前とおれ」
「だって、俺男ですよ?」
「わかってるよ」
「もしかして、ロミオさんも誰か囲いたい人がいるんですか?」
ちげー!
「おれは、お前が欲しいんだよ」
そう言ってジュリエットを抱き寄せ目を合わせると、ジュリエットは不安そうに目を揺らせていた。
「でも、俺…」
「おれのことは、嫌い?」
何かを言いかけ、口ごもるジュリエットにそう訊ねると、ふるふると首を振った。
「おれとは、結婚したくない?」
これには、目を堅く閉じ、俯いたまま強く首を振った。
「じゃ、おれと結婚しよ?」
そう言うと、ジュリエットは強くこくんと頷いた。