小説『雨の中、君と嘘と。』【Ⅳ】
- カテゴリ:自作小説
- 2011/11/28 19:51:26
「あなた、いつまでその服着てるつもりなの?」
「・・・」
私は彼に質問をする。
何の意味もないけれど。
それでも、私は聞きたかった。
「去年もずっと長袖だったでしょ。
今年はどうするの?ずっとそのままでいるつもり?」
分かってた。
こんな質問したって彼が嫌な気分になるだけだって。
こんな質問したって私が虚しい気分になるだけだって。
「・・・それって、答えなきゃいけない?」
「えぇ、もちろん。
質問は答えがあって初めて成り立つものなのよ。」
「真面目に答えてくれなかった君に言われたくないよ。」
「・・・忘れたわ。そんなこと。」
「・・・空ってすごいよね。」
彼は突然話し出した。
「同じ景色って訳じゃないけど、上を見たら絶対存在してる。
あぁ、今日も昨日と同じだったんだな。
明日も同じなのかな。って思う。」
「それって嫌いだって言いたいの?」
「好きだよ。」
「・・・そう。」
「きっと俺が生まれる前から蒼くて、俺が死んでも蒼くて。
きっと俺が生まれる前からそこにあって、俺が死んでも何も変わらないんだろうな。」
「そうね。私も好きよ。」
「ダウト。」
「・・・嫌いじゃないわ。」
彼は空を見上げる。
蒼く澄んだ空を。
視線を自分の制服に落としてから彼は口を開いた。
「俺、寒がりなんだよ。」
彼には似つかないぎこちない笑顔が私の脳裏から離れなかった。
お久しぶりでしたノノ
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