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TAKEのつぶやき


☆「青の時代」三島由紀夫

「光クラブ事件」で悪名をとどろかせた山崎晃嗣は、東大法学部在学というエリートコース一直線の秀才であった。ところが、戦後のどさくさも間もない昭和23年に闇金融「光クラブ」を設立する。現在は違うのかもしれないが、山崎は東大生という肩書きで信用を獲得し、それを利用して大衆から資金を集め、さらにそれを高利で中小企業者に融資した。ここまでならなんとなくありそうな話であるが、学生社長の山崎は悪事を楽しむかのような生活を始め、多くの愛人を持ち、銀座に事務所を構えるに至る。しかし、警察の捜査を受け投獄されることを機に信用を無くし、取り付き騒ぎが起こる。そして、出資者に追い詰められた山崎は株の空売りに手を出すが、暴利を得る直前に服毒自殺する。

エリート、金欲、ニヒリズム、そして犯罪性と特異な個性がいかにも小説のモデルにはもってこいの事件であり、三島由紀夫以外にも何篇かの小説があったと思います。
ところで、当時の社会情勢からすると山崎は株に手を出せなかったとする面白い説もありますが、真偽のほどは分かりません。こういうこともミステリアスで小説のモデル性を高めているのでしょう。

ところで、映画「白昼の死角」はモデルになった山崎や光クラブの実話を基に高木彬光が原作を書き、それを映画化したもので、ダウン・タウン・ブギウギ・バンドの「欲望の街」も相まって結構ヒットしたようでした。
私は、映画としてはなかなか完成された傑作だったと思います。

隅田光一(モデルは山崎)が、同級生らと設立した金融会社「太陽クラプ」は急成長をとげたが、隅田が闇金融容疑で検挙されたことを機に信用を無くし崩壊していく。やがて隅田は焼身自殺するが、その光景を見た同級生の鶴岡は悪の限りを尽くすことを決意し、手形金融業「六甲商事」を開き、法の死角を突いた完全経済犯罪を遂行。さらには世界的な事件まで起こすことになる。

あらすじはこんなところですが、ストーリーの中で隅田光一が死んだ後もモデルになった山崎がそのまま活動しているかのように感じられワクワクします。これは私の意見ですが、原作者の高木彬光はこの小説を書くに当たり光クラブ事件を相当調べ上げ、山崎の求めていたものが何だったのかも理解していたような気がします。
「世の中に見切りをつけて、悪の限りを尽くす」というテーマは小説・映画にはもってこいなんでしょうね。

アバター
2011/11/18 20:10
ふむふむ。
こういうタイプの小説はあまり読んだ事がないんです。
でも、読みがいがありそうですね。
アバター
2011/11/18 02:01
やはり、モデルがいるのですか。
まったくの、無の状況から、物語を紡ぎだせないと聞いた事ありますが、納得です。
アバター
2011/11/18 00:42
悪の限りですか・・限界があるのかなぁ・・・



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