東京国立博物館「法然と親鸞 ゆかりの名宝」
- カテゴリ:勉強
- 2011/11/16 19:49:01
ぷち・リストラされたとはいえ、この晴天。
今日は東京国立博物館へ、
「法然と親鸞、ゆかりの名宝」展へ行ってきました。
鎌倉仏教は、
日本における宗教改革と言えます。
難行に対する易行(易しい行い)。
難解で、苦行と祈祷と自力(自分で修行しなければ救われない)の
最澄による天台密教・空海による真言密教に対する、
平易で、専修念仏(南無阿弥陀仏だけ唱えればいいOK)で
他力(修行できない人でも、阿弥陀仏という自分以外の力が救ってくれます)という
法然の浄土宗、および
法然の弟子であり、かつ独自の解釈を加えた
親鸞の浄土真宗が今回の企画展のテーマです。
まあ、こういった企画展があったので、
煩悩と業悪深き安寿としては、
今更、念仏だけで救われようなんて甘い考えは抱いていませんが、
一応は見ておこうかと思って行ってみたのでした。
正直に言えば、
美術的には密教の方が、
視覚的にも空間的にも、
多彩・華麗な曼荼羅を描き出してくれますので、
見ていておもしろいです。
今回の企画展は、
むしろ仏教史において重要である文献、
これが親鸞直筆の教行信証(浄土真宗の根本教典)とか、
法然の生涯の絵巻物とかが中心で、
その点では地味です。
ただ、修行を積む僧侶や、
寄進によって功徳を積む貴族だけでなく、
修行も功徳も積むことができない衆生(庶民)をも救おうというのが、
法然・親鸞の浄土教系の教えですから、、
衆生にもわかりやすいように、
教えを次第に図案化していこうとするのも無理はありません。
それが今回の企画展の最後に展示されている
臨終を迎えた人を、
阿弥陀仏が迎えにくる「阿弥陀二十五菩薩来迎図」
通称、「早来迎」、
安寿訳「特急お迎えサービス」 ☆\(ーーメ) 罰当たりめが
あるいは、
山の向こうに迎えにきた阿弥陀仏が見える
「山越阿弥陀仏図」
安寿訳「山の向こうまで来てますよー」 ☆\(ーーメ)
となって描かれてくるのでしょう。
東京国立博物館については、
以前、長谷川等伯展の報告を書きましたが、
今日はそれ以来の博物館でした。
春と秋だけに開放される庭園も散歩できたので、
丸一日、博物館で過ごしてまいりました。
ありがたや、ありがたや…南無南無。