Nicotto Town



小説♦

*これはある本のお話なので もしかしたら 読んだことがある人は知っているかもしれませんがご了承ください。w

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           勇気をください

 よかった、きょうも空いてる!

 あたしは、音を立てないようにそうっと、いすを引いた。学校の図書室の、大きな窓にいちばん近い席。最近、ここはあたしの「指定席」だ。

 ここから見える風景が大好きだから。学校の向こうに広がる森は、図書室にあるお気に入りの物語に出てくるのとそっくりなんだ。

「指定席」を決めているのは、あたしだけじゃない。いつも、あたしのななめ前に座ってるあの人も、そう。

 最初は「あ、またいる」って思うくらいだった。でも毎日会ううちに仲間ができたみたいな気がして、うれしくて、図書室へ行く放課後が待ちどおしくなった。

 いつのまにかあの人をさがすようになった。姿が見えない日は、「きょうは来ないのかな」って、がっかりする。

 気がついたら、好きになってたんだ。

 その日の図書室は、いつもとちがってザワザワしていた。

 もうすぐ学期末のテストだからだ。テストが近づくと、あわてて参考書や辞書を使いにくる生徒が増える。友だちどうしで勉強するグループもあって、席はほとんどうまってしまう。

 あたしの「指定席」にも、もうだれかが座っている。

 どこに座ろうかな。でも、空いてる席ないかも・・・・・・?

 カバンをかかえたままウロウロしてたら、あの人が、チラッとあたしのほうを見た。

 ちゃんといつもの「指定席」に座っている。

 となりの席は、ほかの人のカバンでふさがっている。

 あの人は、カバンの持ち主らしき男子をちょっとつついて、小さな声で言った。

「このカバン、どかしたら?席いっぱいだしさ」

 カバンの持ち主は、だまって荷物をつくえの下におろす。

 となりの席が、空いた。

 あの人は、あたしのほうを見て、指でそのいすをトントンたたく。

 え!もしかして・・・・・・。

 そこに、座っていいの?

 あたしは緊張しながら、あの人のとなりに座る。

 いつも後ろからながめていたけど、こんなに近づくのは、はじめて。

 ドキドキする心臓の音まで聞こえちゃいそうで、気が気じゃないよ。

 だけど、あたしのために、わざわざカバンどかすように言ってくれたんだ。

「ありがとう」って言いたいけど、無理。

 はずかしくて声がかすれそう・・・・・・。

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今日は、これでおしまいです☆彡

 続きはまた書くので よかったら見てね♪♪

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2011/11/12 21:44
みるーーー♡
面白かったぁぁぁぁぁぁぁぁ




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