Nicotto Town


黒神 龍樹


赤い糸

運命の赤い糸・・・

あなたは信じますか?

誰も見てないのに
赤い色なんて・・・

どうして赤いのか?

それは・・・

血潮なのかも知れません

あかい血のような 赤い糸・・・



「なるみ~ おはよー」

親友のみきが走って来る

「みきーっ 遅いぞ!」
「ごめん!ごめん!」
「遅刻するよ~」
「はやく はやくーっ」

二人は走って行く

そう、私の名前は なるみ
中学二年生
そして親友の みき
幼稚園からの友達
毎朝遅刻ぎりぎりのいつもの風景だ

「ふぅー 間に合った!」
「みき もっと早く起きなよ~」
「あー だめだめ!」
「私は、朝は頭がぼーっとしてるの!」
「だから、ダメーッ!」
「私まで遅刻しちゃうよー」
「今度から置いてくぞー!」
「えぇーっ努力するから勘弁!」

手のひらを合わす
二人は、顔を見合わせ笑う

「今日の数学、なるみが当たるんじゃないの?」
「えっ!今日は何日?」

私の学校の数学の先生は、日にちの数字を
出席番号に振り当てて問題の答えを問いただすのだ

「うわ~ もうだめだぁ~」
「あはははー」

みきは面白がって笑ってる

数学の先生が来た

「おはよう 昨日の宿題の答えを・・・」

先生が出席簿を見ている

「ぎくっ!」

なるみはみきの顔を見た

「なんとかなるよ」

小さい声で話しかけてくれる

「人のことだと思って・・・」

みきはピースサインをだして笑ってる

「今日は・・・なるみだ!」
「はっ・ハイー」
「前に出て来て答えを黒板に書け」

なるみはビクつきながら黒板へ行く

「えっーと・・・」
「なんだっけ?」
「あれ???」
「ふ~む?」
「・・・?」

暫しの時間が流れる・・・

「だれが黒板の前で寝ろと言った!」

爆笑の渦が・・・

「あはっ!あははははー」

私も照れ笑いをする

「こんな問題が解けないとどうする」

私は恥ずかしくて視線を先生の手元に向けた

「あれ? なに?」

先生の指に赤い糸が結んでいる
その糸はすごく短くて切れている

「先生!なんのおまじないですか?」
「恋人でもほしいの?」

私は冗談交じりで笑った

「なにを寝ぼけた事を言ってる!」
「もういい 席に戻れ」
「もっと勉強をしないと受験に受からないぞ!」

みんなに笑われながら席に戻る

「もう~なにが、なんとかなるよ~っ」

みきはピースサインをまた出して笑ってる

休み時間・・・

「ねー みき」
「なによ」
「数学の先生 指に赤い糸をしてたでしょう?」
「えぇー?そんなのしてた?」
「してたよーっ!」
「そんなの見えなかったよ?」
「うっそーっ だってあんなに赤かったのに・・・」
「そんなことより勉強しなよ 同じ高校に行こうね」
「あっ!うっ うん」

私は、確かに・・・
あんなに間近に見たのに・・・
みんなには見えなかった?
なんだろ?見間違い?
赤い糸・・・

「なるみ~また明日ねーバイ」
「明日は、早く来てよねー」
「はーぃ !」

帰り道・・・
私は、赤い糸が気に掛かる・・・
きっと、見間違いよね・・・

翌日

「おっは~」

今日は、みきが待っていた

「おぉー珍しい~」
「なんだその言い草は・・・」
「早く行こうよ」
「おぅ!」

あはははっ!元気な声が谺する
学校に着くと放送で体育館に集まるよう
放送があった

「なんだろうね?」
「そうだね?」

見回すと・・・

「あれ? あの子・・・」
「なに?どうかした?」
「ほら あの子 指に赤い糸を結んでる」
「どのこよ」

見えない?
私だけが見えるの?

「えー みなさん」

校長先生がしゃべりだした

「悲しいお知らせがあります」
「数学の・・・」

それは交通事故で数学の先生が亡くなった事だった

「なんで・・・えっ!どうなったの?」

私は、驚いてしまった
なぜならあの赤い糸が気になっていたからだ
緋い糸・・・血のように赤い糸・・・
しかも短く切れていた!

「あの子は・・・?」

私は振り返り赤い糸をした子を見た
その子もやはり短く切れていた

「えっ!うそっ」

私はこれ以上言葉がでなかった
放課後、みきに話してみた

「どうやらなるみの言うことは本当のようね」
「えぇー」
「じゃーあの子はどうなるの?」

二人は背筋が凍り付く・・・

夜・・・電話が鳴り響く

ブルルループルルルー

「はい なるみです」
「あっ!なるみ みきだけど」
「どうかしたの?」

なにか慌てた様子

「あっあのさー 今朝言ってたあの子・・・」
「えっ!もしかして」
「そうなのよ・・・」
「う・・・そ」

二人は、黙り込んでしまった

「どうしよう」
「とりあえず あまり人には言わないほうが・・・」
「そっ そうね 信じてもらえないし・・・」
「大丈夫だよ」

二人は、確かめ合うように話しをして電話を切った
その夜 私は眠れなかった
赤い糸・・・
真っ赤な血のような
赤い糸・・・

朝 鏡を見ていた時・・・

「キャーッ!」

鏡の中の私の指に赤い糸が結んである

おとうさん
おかあさん
おにいちゃん
みんな赤い糸が指に結んである・・・

そして・・・みきにも朱い糸が・・・

すべての人間に緋い糸が・・・

赤い糸はいつか結ばれる人と繋がってるんだよ
幸せの赤い糸・・・

あなたの指には・・・
なんにも付いてませんか?
それとも・・・

・・・赤い糸・・・ですか。

                  神童 龍牙>   より 転載

アバター
2011/11/12 20:15
怖っw
アバター
2011/11/03 08:21
怖い・・・
今のは、ほんとうに、怖かったよぉ~
アバター
2011/10/31 22:27
わふっ!
にゃにゃな・・・
…びぇーん。。・゜・(ノД`)・゜・



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