運命を操るのは誰か?つづき
- カテゴリ:自作小説
- 2011/10/28 23:53:05
「黄金のヴェールって言ってたでしょ。あなたを包む黄金のオーラ。それはサラさんと、あなたが共鳴している証なのかもしれないって。ただね、あなたを見ていて。ルゥを見ていて・・・そう思ったの」
「そうなんだ・・・ボクの身体にそんな変化が」
と、ボクは何故か下を、地面を見た。
あまりの驚きに、動揺しているのかもしれない。
それとも動揺を悟られたくないのだろうか。
「雪だ!雪が降ってきたぞーーー」と、スコットは叫ぶ。
ボクたちは背負い袋から、コートを取り出して着込んだ。
ニナは赤。スコットは青。それぞれ王家の色だ。
ボクは単純に赤が好きなので、赤のコートを着た。
それに対してスコットが、少し寂しげに「帰りはオレと同じ色のコートを着てくれよな」と、言ってきた。
「ああ、気が変わればそうする。」と、だけ伝えた。
雪の降る中、いよいよレコムンドの街並みが見えてきた。
ここを解放することが・・・帝国の計画を中止させることができると、フィオルは伝えてくれた。
ほどけなかった見えない糸が、ほどかれて、一つの答えを見せてくれているのか、ボクにはわからない。
ただそう思いたいのだろう。
「解放するなんて・・・そんな大それたことができるだろうか。わからないが、やってみるしかないな」
「ルゥ・・・。あなたならできるわ。ワタシと、スコットが命を預けたように・・・きっと街の人たちも預けてくれるわ」と、ニナは青い瞳でボクを見つめてくる。
「そうあれかし」と、ボクはつぶやき、ニナを反射的に抱き寄せた。
「おーい、何やってんだ!二人とも、おいてっちゃうぞ」と、スコットは遠くから叫んでいる。
ボクとニナは雪景色に見とれてしまったのか、寒さに驚いてしまったのか、そこから動かず、お互いの体温をたしかめあった。
そんなひと時の休息を楽しんだ。
ホッとした瞬間じゃったんかなっ(*´▽`*)