『平家物語』に見る陰陽道 19
- カテゴリ:その他
- 2009/05/17 11:51:09
今日が最後にございます
○天文博士
(巻第十二 二 大地震の事)下p233
天文博士、急ぎ内裏(だいり)へ馳せ參りて、夕(ゆふ)さり亥(ゐ)子(ね)の刻には、大地必ずうち返すべき由申しければ、恐しなどもおろかなり。
《訳》
天文博士、急ぎ内裏に駆けつけ参って、今夜午後十時から十二時頃には、必ず余震がありましょうと申したので、恐ろしいという言葉では言い尽くせないほどである。
《解説》
平家滅亡後の、元暦二年(一一八五)七月九日の大地震。これは平家の怨霊の仕業と人々は恐れおののいた。 天文博士は陰陽寮に属し、天体や風雲を観測して天象に異変がある時はその意味を考え、所見を奏聞する事が任。陰陽頭が天変に関する意見を具申することを「密封奏聞(みつぷうそうもん)」という。晴明以降、天文道は安倍氏が世襲した。当時の博士は安倍広基。
この項目でお終いです。
今までお付き合い頂き、有難うございます。
日本史・宗教史の下地に、伏流水のように脈々と流れる陰陽道。
今回、少しでも興味をお持ちになられたら、是非関連の書籍にあたって頂きたいです。きっと歴史の見方がさらに面白いものになるでしょうから。
参考文献
『平家物語』上・下巻 角川文庫
『平家物語』上・中・下 新潮日本古典集成 新潮社
『平家物語』一・二 日本古典文学全集 小学館
『神祗文学として読む平家物語』上・下 佐藤太美 東京経済
『古語辞典』 旺文社
『日本陰陽道史話』村山修一 大阪書籍
『安倍晴明読本』豊嶋泰國 原書房
『安倍晴明 謎の大陰陽師とその占術』藤巻一保 学研
『陰陽道叢書』1・4 名著出版
『陰陽道の本』ブックエソテリカ6 学研
『星の宗教』吉田光邦 淡交社
『鬼がつくった国日・本』小松和彦
お読み頂いて、有難うございます。
斎様がコメントを下さるので、頑張って書きました。
どうも有難うございました。
有意義な時間をありがとうございました!