~争いの無い世界~*最強少女の知られざる過去Ⅲ*
- カテゴリ:自作小説
- 2011/10/09 11:54:46
――皆の者、新しく里に加わった者を紹介するぞ
教室で。
昨日の話では黒い布の人はこの里では大ババ様と呼ばれているらしい。
大ババ様は今教室に居る皆に紹介した。
「少しでも不安を取り除けるように」と大ババ様が見られるような教室にしたらしい。
とりあえず私は窓際で一番後ろの席に座る。
周りから、視線が飛ぶ。
急に来たからかな、その視線が怖くて仕方が無かった。
――さて、授業を始めようか。まずは二人一組を作ってもらうぞ
その言葉で周りがザワザワと騒ぐ。
――二人一組になった者から座って行け
それから次々と席を立ちあがり二人一組を作った。
何の事だかさっぱり分からず私は席の所で茫然としていた。
――…ん?玲一人か?
問われ私は小さく頷く。
周りは二人一組。残ってるのは、私だけ。
――…そうか、一人休みだったな。おい、誰か玲を入れてやれ。こいつは昨日来たばかりで知らない事ばかりでな…
そう言っても辺りはシーンとしていた。
――…ねえ、入れてあげない?
――えー、何か怖いじゃん
耳を澄ませばそんな声も聞こえる。
この時分かった。
「私は何時からか人に避けられるようになったんだ」と。
何時まで待っても仲間に入れてくれない。
そんなの辛くて耐えられない。
私は、走って教室を出たのだった。
それ以来、学校には行かなくなった。
とある出来事が起こるまでは――――…
それは十二歳になった春の出来事。
学校に行かなくとも鞄だけは持ち、片手は上着のポケットに手を突っ込み街を歩く。
里から少し離れた所に、場違いな大きくて、広い街があった。
建物も大きい。
人混みの中の隙間をスルリと抜けるように通っていると、ある人は遠ざかり、ある人は来た道を戻り、またある人はその場で足を止めていた。
一体何があるの?と思いつつ近くまで行き、店の壁に背を預け、顔は人々が遠ざかっている原因の方向を見ている。
どうやら数人の男達が何かを逃げないように囲っているらしい。
全く、在り来たりと言うか何と言うか…と思いながら見物を続ける。
手前に居るでかい体をした男で誰を囲っているのかよく見えない。
けど声からして…少女?
長い三つ編みをした茶髪の少女が掴まれた腕を振り解こうとしている。
――姉ちゃんよぉ、少しは話を聞いてくれてもいいんじゃねーか?
――嫌!放して!
そんな会話を聞きながら、呆れて私は店の壁から離れ来た道を戻ろうとした。
が、数歩歩いて足を止める。
…あの子は、苦しんでるの?辛いの?
ふと思った。
両親を亡くした自分なら、他人の辛いことなんて分かる。
それなのにそれを放っておいていいのかな…
ああもう、面倒くさいなぁと思いつつも髪を乱暴にかき乱し、男達の方向へ歩を進めた。
――…ちょっと?
――あ?
――通行の邪魔なんけど、退いてくれないかしら?
――何もんだお前は…
――ただの通行人。って言うか、邪魔って聞こえなかったの?
――てめぇ、調子乗ってるな…
大男は掴んだ少女の腕を放す。
逃げるかな、と思ったがその場で踏みとどまってる。
…成程ね、自分を助けられた訳じゃないってことか。
それは置いといて、私は大男達の方を見る。
相手は六人…いける。
それから周りに音が響く位の喧嘩が始まったのだ。
ちなみに男達は頬を殴っただけですぐに倒れ、逃げて行った。
…弱い奴。
ふんと鼻を鳴らして見送った。
――あ、あの
――…
――た、助けてくださって、有難う…御座います
――…
何かおかしい。
この少女…ただの人じゃない…
――あの…?
目の前の少女は私の反応が無く一度呼びかけ首を傾げる。
そんなことも気にせずに少女は何者なのか、考える。
この気配は…何…?
敵意、とかではなく、全く別の物。
まさかこの子私と同じ…?
――…あの…
反応が無くてどうしたらいいか分からないらしくまた声をかけてきた。
――…貴方、召喚族ね?
私はそう、少女に言った。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~続く
何書こうか考えても思いつかないからとりあえず小説更新。
此処まで書いてきたけどⅠとⅡにコメント無し…ナンテコッタイ^p^
今回改行使い過ぎたかも((
とりあえず次はどうしようかなとか考えてみたり((
まみお姉様の家で続・学園編やるからおいでノノ