ユミ　おきろよ・・・

ユミ・・・

さぁー　　おきて・・・




う・・・

う～・・・・ん・・



お・・・・ちゃん

おねえ・・・

おねえちゃん！

先生！おねえちゃんが・・・



私は・・・

私はどこに　いるんだろ

ここは・・・病院・・・

なぜ・・・うっ　頭が痛い・・・

君　私の顔が　見えるかい？

あっ　はい・・・

良かったね　もう大丈夫だよ

え？・・・

私は・・・どうしたの？

おねえちゃん・・・

私の横で　妹が　泣いている・・・

わからない？　頭が痛い・・・

今はまだ　安静にしてなさい

ありがとうございます

泣きながら　妹が言っている・・・



＝数日後＝


おねえちゃん　りんご　食べる？

剥いてあげるね

ありがとう・・・

私は　頭の痛みもなくなり　回復に向かっている

あのね　美香　あまり記憶がないけど・・・

誰か男の人・・・いなかった？

え？・・・

な・・・なに　言ってるの・・・おねえちゃん・・・

私　夢の中で　誰かが　起こしてくれるの・・・

あ・・・あははは　なに　言ってるの？夢の話？

そうかしら？・・・

そうそう　早く良くなって　退院しなくっちゃーね！

妹は　ニコニコして　そう言った・・・

でも・・・

私の中で・・・誰かが・・・確かに・・・




リハビリも　上手くいったね

それじゃー　もう　退院だ！

ありがとうございます

よかったね　おねえちゃん！

私は　ようやく　退院することが出来た

でも・・・まだ　曖昧な記憶・・・

美香　教えて　だれなの・・・

だれ？私の　記憶の中の　男性・・・

お・・・おねえちゃん・・・

おねがい・・教えて・・・だれ？

突然　妹が泣きじゃくって　話だした・・・

おねえちゃん・・・運転してて　事故に・・・

あっ！あの時・・・

そう・・・事故で・・・隣に　彼が・・・

私は　記憶がよみがえった！

彼は？彼はどうなったの？

おねえちゃんを・・・かばって・・・

重傷だった・・・おにいちゃんは・・・

おにいちゃんは　薄れる意識の中で・・・


俺は　ダメ　かもしれない・・・

俺の　臓器を・・・ユミ・・・に・・・

それから・・・俺は　居なかった事に　してくれ・・・


おにいちゃんは・・・おねえちゃんが

自分自身を　責めるだろうって　言って・・・


おにいちゃんは　目　と　肺　それと　腎臓を

おねえちゃん・・・に・・・


え？彼・・・彼は　どこ？


お・・・おにいちゃんは・・・






＝とある公園＝



私は　一歩　一歩　進んでいく・・・

涙が・・・止まらない・・・

そこには・・・

車椅子に乗った　彼がいた・・・

足は　ピクリとも　動かない・・・

目も見えない・・・

私は　声に出そうなのを　手で押さえ・・・

近づいて　いく・・・



だれ？　だれか　いますか？

ごめんなさい　おれ　目が見えないから・・・

どなたか・・・わかりません・・・


私は　涙で・・・彼の顔が　見えない・・・



あ・・・あのう　お散歩　です　か？・・・

はい　リハビリを兼ねて　散歩ですが・・・

良かったら・・・

私が・・・車椅子を　押して　いいですか？・・・

え？いいんですか？おれ　重たいから

押すの　辛い　ですよ　はははっ・・・・



はい！押したいんです・・・

どうしても・・・





これからも・・・ずうっと・・・永遠に・・・