毎年この季節になると、北海道各地でヒグマの目撃情報が多数寄せられます。特に
今年は、今までの注意から警報のレベルまで考えなければならないほど異常な年に
なる見通しです。すでに、9月21日時点で、全道のヒグマ認知頭数（目撃回数）は796
回に達しているそうです。札幌でも、8月31日時点で、95頭（回）にのぼり、過去最高の
回数なのだそうです。ヒグマの主食であるドングリやその他の木の実が不作～凶作の
年になっているのが原因のようです。
　
　つい昨日もヒグマが、札幌市街地に近い道路を横切り、近くのゴルフ場に入って行った
のが目撃され、さっそく「熊　出没！　注意！」の看板が立てられたそうです。また、札幌
市街地の西側に、藻岩山という標高500ｍ程度の山があり、週末ともなれば一日に
数百人もの人達が登りますが、その登山口でもヒグマが出没し、「熊　出没！　注意！」
の看板が立てられています。
　昨年の10月頃、道東の斜里という町で、白昼に市街地の道路をうろついている、二頭の
大きなヒグマの映像を見た方もいるかも知れません。最初見た時は、さすがに私も
「こりゃ、ＣＧじゃないの」と思いましたが、実際の映像と知り、唖然、呆然でした。

　札幌の町というと、石狩平野に広がる比較的平坦な都市、というイメージがあるかと思
います。確かに、市街地はその通りなんですが、札幌市の面積の70％（推定です）近くは
山林なのです。従って、山にはヒグマもたくさんいますし、人口も多いので、山際の地区で
は、木の実が不作の年には、ヒグマが頻繁に目撃されるということなんでしょう。

　北海道開拓の歴史の中には、ヒグマにまつわる悲酸な出来事が数多く残されてい
ます。小さな集落の半数近くの人がヒグマに殺されたとか、何々村で一家何名が皆殺し
にあったとか、云々。これは開拓時代の話ですから、今時そんな話はありませんが、毎年
何件かの人的被害や農作物の被害が報告されています。

　動物園で見る熊は可愛らしい仕草もするし、テディベアとか、くまのプーさんとか可愛
らしいキャラクターもありますが、野生の熊さんはそんな甘いものではありません。この
時期山に入る方、或いは山に隣接する市街に住む方は気をつけなければなりません。

　とは言え、北海道は怖いところではありませんよ。いいところですから、機会がある方は
どんどん来てくださいね。