『龍哭譚紀行』
- カテゴリ:マンガ
- 2011/09/24 23:09:48
夏期に放送していたアニメ版『神様ドォルズ』に、ああこんな話になってるんだ、続き読みたいなぁ、とぼやっと思った。
実は原作が中途まで読んだところで既読本の山のなかに埋まってしまい、どこまで買ったかわからなくなっている。
どうにか片付けて、続きを読みたくなった。
おなじアニメ化するのなら、原作者やまむらはじめの初期作品の『龍哭譚紀行』をじっくり丁寧にやってくれたらいいのにな〜、と思う。
この漫画家さんの作品、好きで結構読んでいる。
その原因になったのが最初の連載なのかな? の『龍哭譚紀行』だったりする。
同じくやまむらはじめ作品をよく読んでる人にアニメ化希望を口にしたら、
「需要が……てかマニア向きすぎない?」と笑われた。
確かに昔の作品だし、調べてみたら現在絶版になってるらしい、最近流行らないガチ異世界ファンタジィではある。
(ついでにいうと、かなり厳しい話なのに、そのテの話を許容しそうな、活字の本気のファンタジィが好きな人間は設定等にRPG的な臭いがすると忌避する傾向があるので、そういう臭いがやや残っている分、そっち系統の人にもスルーされがちで不利だと思った)
でも、どうしても忘れられない作品なのだ。
龍の血を引くバーサーカー(狂戦士)の青年と、少女の姿をした魔女の、旅の行方とその結末が描かれる。
世界が、物語が、正面切って厳しかった。
漫画でこんなものを描く人がいるんだ、と驚いた。
ファンタジィにもてなしの良さを求める人には向いていない話だ。
だが、ままならない世界のなかで懸命に生きる登場人物の姿が心に残る。
決して明るいとは言えない話——というか、正直暗いのだが、虚淵玄の脚本が受けいれられるのだから、コレもアリじゃないかな〜、と思うんだけど。
はい、無理だよな〜、と思いつつも、同じ作者ならアレが好きだな〜、やれば面白いのに、と作品知ってる知人に「同じアニメ化するなら」と言わずにいられませんでした。
ペイする、と考えられなければ、商業作品を作れないのは当たり前の事で。
なんだけど、どこかで見たような路線ばかり狙ってると、その鉱脈はまたたく間に掘り尽くされて、新たな資源のありかを捜して、手がかりもない平原をさまようことになるのじゃないかな〜、と思います。
制作者側ならともかく、ファンなのかな? でもただの視聴者なのだろうに、作品が売れたら勝ち誇り、売れ行きが良くない作品をけなすような言動をネットで見かけたりします。
けど、視聴者からすれば、売れたかどうかなんて関係なく、面白かったか、心動かされたか、いいと思ったか、本当はそれだけが問題だろうに、と思います(でも、売れなきゃいい作品を作ったスタッフが次の作品を作れなくなっちゃうんですけど、ね)。
アイゼンフリューゲルには、そもそも1クールアニメの脚本として書かれて、お蔵になったのでその話を小説にした経緯があるそうです。
ストーリーは全然違うんですが、「壊れた人間が戦闘機にのっている」話だと、どうしても『戦闘妖精・雪風』を思い浮かべるんです(虚淵が神林のファンだと知っているせいもあるのかもしれませんけど)。
酷い出来(それはもう!)でしたけど、アニメ化してますしね、雪風。
で、『とある飛空士への追憶』(「飛行士」でなく「飛空士」、ずっと空目してました。もしかして、以前間違え書いてたこちらにあわせて下さいました?)は大分テイストが違う気がします。
いや、アニメになる、ならないの理由はそこじゃないのはわかりますけど。
冬の時代かもしれませんが、たとえばファンタジィ物だけど『ベルセルク』は再度アニメ化がうごいてますよね。
ファンタジィも、ロボット物も、冬の寒気を突破できるだけの熱さと内容(と運w)をもっていれば陽があたることもあると思います。思いたい!
「神様ドォルズ」は私も観てますが、コマーシャル出してるのが
『小学館』『フライングドッグ』『メディアファクトリー』。
つまり各々、
『原作の単行本』『CD』『DVD(ブルーレイを含む』
を売るために作ったアニメだよん、というわけで。
アニメ化される作品と言うのは、素晴らしい作品だからアニメになるわけではないんですね。
アニメにして、商品として売れるからアニメ化すると。
すごい嫌な言い方をすれば、どんなつまんないブヒアニメでも、ブタがブヒってくれて、お金を落としてくれるならアニメ化する価値アリ、イイ作品でも、お金にならないならアニメ化はできないよね、ってことですな。
作品的に素晴らしいかどうかではなく、・・・っていうのは、個人的にはちょっと残念に思いますが、仕方ないと言えば仕方ないですね。
虚淵は、ほらww
まどか☆マギカみればとってもよくわかるじゃないですかwww
ちゃんとやれるんですよ虚淵は。
虚淵節で、売れる作品も。
でも、アイゼンフリューゲルはやっぱりアニメ化しないしwwwww
・・・でもって、同じガガガ文庫でも、アイゼンと似たような方向性で、しかも萌え要素少なくても、犬村小六の「とある飛行士への追憶」はアニメ映画になるわけですよ。
理由は贅言を要しませんね。
正統派ファンタジィと、正統派ロボットモノは冬の時代なのかもしれませんなあ。
しみじみ。