奥の方でクリーンピースが転がっています。
グリーンピースをボールにしてアイスクリームのスプーンをラケットにして、
テニスをしているように遊んでいます。
小さな女の子は贈り物をそっと置きました。
人形はすぐに気づきそれを開け、中に入っている物を見てとても喜びました。
コートを着てみるとピッタリでした、帽子をかぶって見てもピッタリでした。
うれしくて・うれしくて、ピョンピョン飛び跳ねました。
そして女の子に何度も手を振って、ありがとうの気持ちを伝えました。
暖かい服を着ると元気が出てきます、
そして自分のことを気にかけている人がいることを知り、
とてもうれしい気持ちになりました。
それから人形はいいことを思いつきました。
マッチ箱はベッド、茶色い包み紙は毛布。
ひもにしていた糸はあみなおして、敷物を作りベッドのそばに置きました。
ようやく寝る準備がととのいました。
マッチ箱のベッドにもぐり込み茶色い紙の毛布を巻きつけると、
人形はあっという間に眠りに落ちました。
小さな人形はとても疲れていたので、たっぷり、ぐっすり眠りました。
そして目が覚めた時、そばにはまた別の包みがありました。
あの小さな女の子がまた来て置いていてくれたのです、
今度は黄色いマフラーが入っていました。
小さな女の子は、毎日お店にやって来るようになりました。
そして毎日、小さな人形のために何かしら作って持ってきてくれました。
セーターにペチコートかわいいフリルのついた毛糸のパンツ、
そして手鏡。
これで自分の姿を映して見ることが出来ます、
それから赤いタイツ。
それは女の子の家にいる人形のものでしたが、長さも大きさもピッタリでした。
さあ、必要なものはみんなそろったようです。
小さな人形が女の子にもらったものを身につけると、
とても可愛らしく元気いっぱいに見えました。
もちろん見ている人は、女の子だけでしたけど。
「お人形のことお店の人に聞いてみてもいい ? 」
ついに女の子はお母さんにたずねてみました。
「家に連れて帰って、一緒に遊びたいの」
「レジの人に聞いてみたら ? 」とお母さんは言いました。
お母さんが買い物のお金を払う時、女の子はレジの人にたずねてみました。
「冷凍食品が並んでるところに、お人形がいるのを知ってますか ? 」
「いいえ、知りません」とレジの人は言いました。
「この店にお人形は置いていませんから」
「でも、いるんです」女の子のお母さんが同時に言いました。
レジの女の人と小さな女の子とお母さん、みんなで一緒に見に行きました。
そしてそこには、もちろん、いました。
小さな小さな人形がグリーンピースの箱の谷間に。
「こんなところにいたら凍えてしまうわ」
とお店の女の人は言って人形をとりだしました。
そして小さな女の子に渡して言いました、
「おうちに連れて行ってあげるといいわ、もぅ誰にもイタズラされないように」
女の人はそぅ言ってチョット偉そうな顔をしてレジに戻っていきました。
小さな女の人は人形を家に連れて帰りました。
人形は美しい人形たちの家に住み、ずっと幸せに暮らしました。
女の人は小さな人形とたくさん遊んでくれました。
でも人形が一番嬉しかったのは、ほかの人形たちと友達になれたことです。
人形たちはみんな、彼女のお話を何度も聞きたがりました。
もちろん、冷凍庫の冒険のお話です。