~争いの無い世界~*緑髪巫女の符術師Ⅵ*
- カテゴリ:自作小説
- 2011/09/21 12:25:37
美恵「死者を操る…ですか」
塑羅「生者だけど符術で操ってるって聞いたんでね」
美恵「成程、それで死者も操れるんじゃないか、と言う事ですか」
突然何を言い出すのか、死者を操る事が出来るなんて何を考えているのかと玲は思った。
思い当たる節と言えば、やはり塑羅の兄の事だろう。
もしも符術で操れると言ったらどうなるだろう。
考えたくないことだ。
―――「どうせ私の元から離れて行っちゃうんじゃないか」と考えるのが怖くて―――
美恵「お言葉ですが流石に符術でもそのような事は出来ません」
塑羅「……」
少し間をおいて話す。
美恵「死者を操るのは『死霊魔術師(ネクロマンサー)』が使う『死霊魔術(ネクロマンシー)』によって成せる技です。例え符術で出来たとしても、死者を操るなどほんの数分しか出来ないでしょう」
塑羅「…何故?」
美恵「本人の意識が無いから。貴方だってこの程度の事分かってるんじゃないんですか?」
確かにそうだ。
召喚族の知識人とも言われるあの塑羅が、当然の事を聞いている。
塑羅「…死霊魔術師(ネクロマンサー)も死霊魔術(ネクロマンシー)も知ってるわよ」
吐き捨てるように言う塑羅。その表情はとても辛そうだ。
塑羅「けど…自由自在に操れるって聞いたから…もしかしたらって思ったけど、やっぱり無理だったのね」
当然の結果だ、と分かりきってたように苦笑いする。
美恵「死者を操った所で実際その人の意識はないだけですし、逆に傷つくだけだと思いますが」
塑羅「そうね。…そうだったわね」
前に一度姿を現した塑羅の兄。過去7歳の頃に死体となって湖に浮かんでいたのを見たのは見間違いだった、と思ったのが馬鹿だったかもしれない。
それに前も変化を得意とする敵と戦ってる時も相手は自分の兄に変化した。
撃とうと思っても手が震えて思い通りには動かなかったし、頭で理解してても不可能だった。
何度も古傷を抉られるようなことをされ、塑羅はもう過去に囚われてばかりいたのだった。
美恵「さて、本題がずれたみたいですし戻しましょう」
玲「……は………無い」
美恵「…何ですか?」
小さな声でぼそぼそと喋る。
少しと言うより離れていた為美恵は上手く聞き取れなかった。
隣に居る塑羅でも聞き取れなかったほどに、小さな声だった。
玲「私は――…」
もう一度繰り返す。先ほどの言葉を。
玲「゛破壊の力゛で誰も傷つけたりしない!」
言った。ハッキリと。目の前の符術師に。
その言葉は相手にも伝えるだけでもあって、己自身にも言い聞かせるような言葉だった。
玲「傷つけようとも思わない。傷つけたくもないよ…」
声が少しずつ弱まって行く。
泣いているのか分からないが、見られないように玲は顔を下に向けていた。
玲「嫌だよもう…誰かを失うなんて…見たくないししたくもないよ…」
美恵「本人の意思で、ではなく自然と出た場合は?」
玲「……」
言葉を失った。もう何を言っても無駄か、と思ったのか、何も言おうとしない。
すると美恵の足元に発砲される。
勿論した相手は分かってる。
さっきから二丁拳銃を振り回していた玲の隣に居た者――…
それでもビビりもせずただ銃弾を撃ち込まれた地面を見るだけ。
美恵「…何の真似ですか」
塑羅「それ以上せめて何になる?他に質問して何になるの?」
二人の会話が噛み合ってない。
美恵はとりあえず相手の話を聞くことにした。
塑羅「やっぱり…妹の方なら少し話聞ける奴だと思ったけど…無理だったみたいね」
拳銃を美恵に向けたまま言う。
まるで「それ以上攻めたら撃ち抜くぞ」と言わんばかりに。
塑羅「所詮は姉妹…姉も妹も似たようなものね?」
少し間を置き言う。
塑羅「…最低よ」
美恵「……」
視線を地面から塑羅に移す。
そしてため息交じりに言った。
美恵「私も貴方には失望しました。分かりあえる方だと思ったのですが…」
塑羅「そりゃどうも」
褒めてるつもりはないが塑羅は嫌み混じりに返す。
塑羅「目ざわりよ。今すぐ消えなさい」
美恵「……」
おもむろに美恵は、巫女衣装の袖から三枚ほど札を出す。
それから何か唱えてから札は刃みたいに固くなり、それを三か所札を刺した。
美恵「…さようなら。また出会えるその日まで。」
誰がアンタみたいなのと会うか、と思いつつも塑羅は鼻を鳴らす。
美恵「…『転移』」
一言だけ言うと札と一緒にその場から消え去った。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~続く
なんか…うん、何か((
暴風警報だから今日は小説書きまくろうと思ったのにこの小説書くのに2時間したとか^p^
今回は難しい単語出まくったな、うん。
ちなみにまだ続くよ((蹴
次回は見れる人が限られてくる…かな^p^((ドゴン
言ってくれよぉお((あれ?言った?
亡霊の話出てきたね!
やっぱりアタイの缶って鋭いのね!!((誤字は仕様です^q^
おおーマジかー っていつも見てくれてるのか!∑(゚Д゚ )
うん分かったー((蹴
ねたがなかったら言ってね~(