玲「可憐の…妹…!?」
塑羅「答えてくれない？でないと、無理矢理でも吐かせるわよ」
塑羅は腰のガンベルトから二丁拳銃を取り出す。
それからクルクルと回し。持ち直す。
その光景を見て符術師は口を開く。
？？「わざわざ名前如きに拷問…ですか」
表情はピクリとも変わらない。ずっと無表情だ。
もう一度口を開き、己の名を言う。

美恵「私は、雅桜美恵。おっしゃる通り雅桜可憐姉様の妹です」

塑羅「ふーん…」
興味無下げに名前だけを聞き、後は聞き流す。
それから片方の拳銃を回して弄びながら言った。
塑羅「その様子だと…貴方の探してる人って、玲の事じゃない？」
美恵「……」
図星だったのか、美恵は黙り込んだ。
それを見て塑羅は銃を弄ぶのを止めた。
塑羅「貴方の言う主とは可憐の事。探してる人は玲で下された命はただ一つ」
少し間を置く。

塑羅「゛玲を拉致、或いは殺してしまえ゛、かしら？」
誰もが予想していたその言葉。
美恵「…貴方には何もかも分かってしまうのですね」
塑羅「全て推測、で満足いただける？」
その問いに美恵は「そうですか」と短く言って、終わった。

美恵「さて、本題に入りましょう。貴方達にとって―――…」
美浪「゛力とは何ですか゛、か？」
全て言う前に美浪が遮る。
別にセリフを取られた訳じゃないので美恵は黙っていた。
美浪「随分と在り来たりな事聞くんだな、お前」
ため息交じりに美浪が言う。
それからわざとらしく両手を広げる。
美浪「んな質問、誰に聞いたって同じ答えだと思わないのか？」
美恵「…今までの方の解答は違いました」
美浪「へぇ…だから私を含めた五人は全員違う意見を持っている、と」
今度は腕を組む。
わざわざする行動がわざとらしい。
すると突然笑い出して数分してから再び喋る。
美浪「面白ぇ面白ぇ、実に面白ぇ。そんな質問に答えるべき解答はただ一つだ。なぁ、そう思わねぇか？玲よ」
玲「そうだね。言うべき答えはあれしかない」
今まで下を向いていた顔を上げる。
そして伝えてやろう。目の前の符術師に。キッパリと。

玲「仲間を――…大切な人を守るためだけの力」

美恵「…そうですか、それが貴方の答えですね」
玲「それ以外に何があると言うのさ」
その質問には答えず、美恵は話を切り替えた。
美恵「それじゃあ質問します。解答願えますか？」
玲「ああ、いいよ」
得意げな顔をして言う。とんでもない言葉が飛んでくるとは知らずに。

美恵「゛破壊の力゛を持つと聞いていますが…その辺はどうなんですか？」
玲「…!!」
表情が凍りついた。
久々に聞いた、『破壊の力』。
美恵「その力で周りの人や大切な方を傷つけてしまうとは考えないのですか？」
玲「……」
またもや無言。もはや何も言う言葉が無い。
自分の力で周りを傷つけるなんて、考えてもいなかったから。
暫く考え込んで小さく舌打ちしてから言う。
玲「全く…どいつもこいつも、同じような事を言う…」
何度も言われ、何度も触れられる『破壊の力』の事について。
玲の中ではすでにワンパターンになっていた。
もうこんな事慣れてしまった。だが何度も触れられてもムカつくだけ。
美恵は玲からの解答を待っている。
他の皆はどうすればいいのか悩み、困っていた。
玲「皆して…持ってるかどうかは私自身自覚無いけどもし持ってたとしても何になるの？」
逆に聞き返した。その問いには美恵も少し困った。
しかし無表情のままで。
玲「世界征服？この世界の人間を一人たりとも己の自由気ままに操りたい訳？」
剣を構えずそのまま下に下ろしている。
玲はもう戦う気が無いらしい。
相手がその気になれば、玲もその気になるかもしれないが。
玲「大体――…」
塑羅「玲、ちょっと良いかしら」
玲「…？」
言いかけた所を塑羅が割り込んだ。
悪い方法とは思ったがこれ以上彼女自身を責めるばかりだ。
塑羅「緑髪巫女の符術師…いいえ、美恵、だったかしら。こっちの最後の質問に答えてもらってもいいかしら？」
美恵「どうぞ。それで貴方の気が済むのなら」
あっさりと美恵は同意した。
例え質問したとしても相手が答えてくれるかどうか分からない。
それを踏まえた上で塑羅は問いかけた。


塑羅「人の気をその符術で操るって聞いたけど、実際亡くなった人でも符術で操れることは可能なの？」
美恵「……」
不意に問われた事。
簡単にいえば、死者を符術で操れるかどうか。
「はい」か「いいえ」で答えられる簡単な質問だが、塑羅はそれで満足しないだろう、と思った美恵は口を小さく開きこう答えた―――


～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～続く
昨日中途半端に終わったんだよね。
学校に居た時も早く書きたくて書きたくて仕方なかったんだよね＾p＾

さあ続くよー((蹴

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