蛇のささやき
- カテゴリ:自作小説
- 2009/05/10 12:17:44
--------この話はフィクションです。実在する人物、サービス、会社等には一切関係が・・・・多分ありません---------
初夏の明るい日差しと、時ならぬ暑さを避けて入ったスイーツ・バーの中は薄暗かった。
Pはこの店に来たときはいつも座っている店の奥の座席に向かった。店の中に人気はないように思えたが、カウンターの奥のママの他に、カウンター席の隅の薄暗がりには、若い女が座っていた。
「フラッペを。味は何でも良いや」
暑さにやや参っていたPは氷を頼んだ。
程なくしてママが、フラッペを運んできた。
「なんでもって仰るから、今回からメニューに乗せるユズシロップにしたわよ」
Pは笑顔で答えて、早速氷を平らげ始めた。
しばらくして、強い痛みが彼の頭を襲った。こめかみの辺りから突き刺すように痛む。
「うう・・・・・」
こめかみを押さえ、苦悶する彼の側に、カウンター席にいた女が衣擦れの音だけさせて近づいてきた。
小麦色の肌、茶褐色の、肩までの少しカールした髪。エキゾチックな顔立ちの美女だ。長袖の、体にフィットしたオレンジと金茶のワンピースがよく似合っている。
女の左腕には、ミルク色に淡い珊瑚色の模様の腕輪が幾重にも巻きついていた。
痛みをこらえて女をしかめ面で見上げたPの目に、腕輪の上部がするすると解け、空をさまようのが写った。
腕輪と思われたのはアルビノの蛇だった。
蛇は鎌首をもたげ、淡いルビーの瞳でPを見つめ、空を舐めた。
驚いたPは腰を浮かせた。再び刺すような痛みが、彼のこめかみを襲い、Pは椅子にへたり込んで呻いた。
と、女は何かを掴んだ右腕をつと伸ばし、Pの額に掴んでいたものを触れさせた。
ひどく冷たい。
しかし、それが触れるとまもなく、彼の頭痛はさっと引いた。
驚いて見上げるPに、女は艶然と笑いかけ、言った。
「アイスクリーム頭痛のときは、額を冷やせばいいのよ。すぐ治るわ」
右手の氷をPのお絞りの上にひょいと置くと、女はそのまま綺麗にターンして、元の席に戻っていった。
左腕の蛇は、頭をさまよわせ、Pのほうを向いた。
ミルク色の蛇の赤い瞳が、その刹那、照明を受けて、ウインクしたように見えた。
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原案・特別出演 うめこ氏
出演 ぱぷぅ氏
文責 フランカー
*なお、アイスクリーム頭痛というのは、冷たいものを食べたときに体温を維持しようと血流量が増すため、血管が拡張して引き起こされる頭痛を言う。作中の対処法は、うめこ氏よりの情報である。
そそ、このところお笑いカテゴリで連作短編書いてますw
楽しんでいただけて何よりw
まるで小説を読ませてもらってるみたいだぁ(=^▽^=)
アイスクリーム頭痛・・・なったことないけど、額を冷やせば良いのですね?
。・°°・_〆(・o・ ;)・°°・。メモメモメモメモ・・・
あ、コメントありがとうございます~。
たまたまその話題が出て、元ねたは一行マメ知識ですw
がんばればいつかきっとw めげずにファイトなのだw
フラさんすご~いw
面白いよ~^^
うちのうめちゃん・・・
これくらい懐いてくれたらなぁ~(ノд-。)クスン
そそ、なんでもデコを冷やすといいそうですよ。
>ぱぷぅ君
出演料?じゃあ、夕べの失言はなかったことにしてあ・げ・る♡
>さとえさん
怖くないですようw ネタに使って~~みたいなリクがあったり、面白いから書こうか?
そんな連載誌の打ち合わせみたいになってますw
どうぞお入りくださいまし~~w
そして、客たちは夜毎に物語を繰り広げていくのだ・・・。
・・・こわくて入れませーん。
最近はアイスクリームもカキ氷もフラッペも疎遠なのでしばらくこの知恵を使う機会は無さそうですw
かき氷頭痛には頭を冷やすんですね。
ww_〆( ̄_ ̄*)メモメモ・・・ボキッ☆_/o( ̄_ ̄||)
そそ、うめちゃんは蛇飼いで、謎の美女なのだw ふふふw
>ぼうぼうさん
この知識はうめこちゃんから教えていただいたんですよ~。わたしも知らなかったw
こんな知識を教えていただけるとは、話も面白いし、得した気分。
ありがとうです~^^
うめちゃん恐るべし!
そか・・・・そんなに 艶っぽい女の子だったのねぇ・・・・・
しかも、いつも蛇を同伴しているとは・・・・・・・・アナドレン( ´・ω・)y-°°°
その本は未読だなあ~。学校の図書館に結構ハヤカワあったんですけどね~。
絶版が多くて悲しい。
元ネタ(アイスクリーム頭痛の治し方)について、完全に話を膨らませてでっち上げましたとも、ええw
>神子さん
ど~ぞど~ぞw お好きに使ってくださいw
>ナナイちゃ
そそ、あれw うめちゃんを謎の悩殺系美女に仕立て上げましたw
実際はただのアイスクリーム頭痛の治し方だけだったのにw こんなん出ましたw
うめこさん&うめこちゃんすごーい♪
っていうかP君悩殺じゃのぅwww
ハヤカワ文庫,友枝康子訳(1988…訳に10年も掛かってるのかな~スゴイ,笑)
を, 思い出しました.
蛇毒を使って,
ヒトの病気や怪我を治療したり,麻酔を掛けたりする
治療師の"スネーク"(女性)と彼女が大切にしている
白い"夢の蛇"(名前は"草"(グラス))を,
物語の冒頭で失ったことで始まる.
"夢の蛇"を得るまでの冒険(と,たぶん恋)のお話です.
家にあるのはふっるーい文庫本だけれど, もしかすると…
アマゾンでも中古しか見つからなかった…orz
フランカーさんぐらい(?)だと読んでそうだなぁ(笑)
Pさんが出会ったのは,"スネーク"本人みたいだなー…
日本に来てたのか~
効果があったらぜひ体験談風にお願いしますw
>俺かよさん
そっち行きましたかw
私も食べようと思ってたのでwいいこと聞いちゃいました♪