☆質屋蔵
- カテゴリ:お笑い
- 2011/08/04 00:44:38
質屋という商売は最近あまり見かけなくなってきたような気がしますが、昔は庶民の重要な金融機関でした。しかし、一定の期間内に金銭の返却ができない場合は、質流れ、つまり質入した品物は、質屋のものになります。
ところで、この落語は大ネタの部類に入るもので、それだけに昔から色々と工夫され今のような形に仕上がったそうです。また、個人的意見ですが、挿入される形で入った話は落語の中で最もリアリティなものではないかと思っています。
【スジ】
ある質屋の三番蔵で、夜になると、幽霊が出るとうわさがたつ。それもそのはずで、この三番蔵に納められている品々は、人々の恨みつらみのこもった、いわくのあるものばかりである(このわけありの話が挿入されています)。
そんな噂があっては商売に差し障るので、幽霊の正体をあばこうということになる。
そこで、熊五郎に手伝ってもらうことになり、丁稚が使いに出される。熊五郎は突然の呼び出しに何事かと不安になり、店までの道中で丁稚に焼き栗を買い与え訳を聞く。ところが丁稚はちんぷんかんぷんの返答しか出来ないままであった。
仕方がないので、主人に怒られる前にこちらから侘びを言おうと考え、黙っていれば分からないはすの店から勝手に持ち出したものを次から次へとしゃべってボロガ出てしまう(ここは一番笑えます)。
あきれた主人ではあったが、幽霊の正体をあばいてもらいたいと告げた。ところが、さすがのつわものの熊五郎も、化け物は苦手で、帰ろうとする。しかし、一旦家に帰れば、仕事はなくなると主人に言われる(この辺の駆け引きは見ものです)。
しして、仕方なしに番頭と二人で三番蔵の番をすることになるのである(この辺りの描写が雰囲気をかもし出します)。そして、夜が更けて三番蔵の中で異変が起こると二人は腰が抜けて動けなくなってしまう。そこに主人自らが登場し、自分で蔵の中を確認に行く。
すると、質草の帯や羽織が相撲をとっている。さらに、一本の掛け軸が箱からするすると出てきて壁にかかる。
「おっ、あれ? あれあれ? あれは角の四平さんから預かってる菅原道真公、天神さんの絵像やないかいな。」
呆気に取られている主人の目の前へ、絵像が抜け出し語りかける。
「そちゃ当家の主なるか?」
「だはぁ~~ッ」
「質置きし主に、とく利上げせよと、伝えかし。どぉやらまた、流されそぉじゃ。」
菅原道真公
さすがだなぁ
昔ながらの質屋さんを見かけます。
質を丸く囲んだ暖簾や看板は大きく上がっているのですが、
入口は路地裏・・・
今の社会に慣れている世代にはピンとこないでしょうね。
こういう落語って、質屋さんを知らないと
分かりにくいでしょうね。ちょっと残念。。
で、たいてい熊五郎さんは横丁に住んでいて、与太郎は甚兵衛さんちで奉公してる。
出てくる名前は一緒な以上、同一人物なんでしょうかねぇ・・・(ふと疑問)。