片付かない。
いや、そんなに手っ取り早く綺麗になるとはおもってないけどさ。
住居に対して物が多すぎ、どうしてよいやら状態になっているので途方に暮れてつつありまして。
以前住んでたところの方が少し広かったもので、野放図に物が増えたらしく、何が何だかわからない。
特にデスク脇の積み本と読了本が積み上がったクロゼット前、これ、どうするよ?

こんな状態だが、インテリア本というヤツが好きだ。
居心地良さそうな部屋を見ると溜息がでる。
収納に気遣った、気持ちよさげな部屋を見て、いつか、いつか……と、やられ役の悪役のようにつぶやいている。

でも、ね。
見ているうちに気づいてしまったのだが――あれ、普通の人には無理でない?

本棚、本棚は?　というのは個人的嗜好だからなくとも困らないかもしれない。
一般的な雑物の量が圧倒的にすくないように感じられる。
物がすくない、すくなすぎやしませんか?

そりゃ、アンタが物を溜め込みすぎてるんだ、と言われりゃそのとおり、にしても、どこか不自然さが漂う。

よくいる手芸をやっているらしき人のお宅も、布類・小物類の収納場所が足りていないように思えるのだ。

手芸好き（プロ・セミプロ含む）の人たちは、基本的に持ち物が多かった。
人生でお邪魔した中で一番綺麗だった住居はキルターさんの仕事部屋だったれど、でも、別に家があった。
洋裁だ、アートフラワーだ、キルトだ、と手芸好きな母の周囲も、片付けられてはいてもかなり物が多い。
やっぱり血縁の、人形作りをする人当たりになると、布や手芸系の道具だけでなく、工作系の道具や材料まであるので、整頓されていても作業部屋は雑然として見える（お前と縁続きならそりゃ、血だろ、と言われたら否定出来ないが）。
その上、乾燥中の頭だ腕だが置かれていたり、ホコリ除けをかぶせた完成品が座っていたりで、人形好きな人間が見ても結構クるものがある。

書籍のように優雅でお洒落な作業部屋なんて、本当はそう無いんじゃないか?
あそこまで落ち着いた家は、「インテリア」「綺麗なお家」が趣味の人が、四六時中楽しく頑張って、やっと出来上がるものではないのか?

そうでない場合は（作品作りたい気持ちが先に立つだろうし）、似たような好みやスキルを持っていて、整理され、掃除が行き届いていてもなんだか微妙になるのじゃないか、と。

そうなると、多少暮らし易くはできても、お洒落で小奇麗な部屋、なんてのは夢のまた夢かもしれない、と気が滅入ってくる。

でも、だけど。
機能的で使い良さそうなデスク、座り心地よい椅子、整理された一面の本棚、扱いやすい台所――お洒落で気持ちよく落ち着けるように、出来るといいんだけど。
……はぁ、実現するのかね。