バンドブレーキ
車輪のハブにねじ込まれた円筒形のブレーキドラムを、薄い鋼鉄製の帯に摩擦材を貼り付けたバンドで押さえつける。バンドと、バンドを締め上げる機構が、鋼板製のパネルに組み込まれており、これがブレーキシステムを覆い隠すカバーを兼ねている。（しかし裏面は開放状態であり、摩擦面が外部に露出しているため、雨中を走ると水濡れにより制動能力が一気に落ちる）これだけの簡単な構造である。
（Wikipedia参照）

いきなり何の事かとお思いでしょうが、これは一般的な自転車（ママチャリ）の後輪用ブレーキによく使われているものです。
最近のシティサークルと呼ばれる自転車はローラーブレーキが多く採用されているようですが、量販店なんかで購入する安価な自転車は、まだこのブレーキシステムを使ってるんじゃないんですかね。

ちっと古くなると、『キィィィーーーー』って音がする自転車があるでしょ？
そういう自転車についているブレーキがこのバンドブレーキです。
まぁ、名前なんてどうでもいいですね。

今、オイラが乗ってる自転車もこのバンドブレーキを採用して、さらに強くブレーキを握るとキィーと鳴ります。
オイラはこのキィーって音が昔から大嫌いなのです。

どれくらい嫌いかと言うと、黒板を爪でキィーーーってやる音が素敵なメロディに聞こえるくらいです。
（かえって解りづらい）
ですから、自分で運転する時はなるべく自転車が鳴らないように気をつけてブレーキをかけます。

だってさ、あのキィーって大きな音を真近で聞くと、耳に変な膜のようなものが出来た感覚に陥って、いつまでもクワァ～ンと音がまとわり付いている感じがしませんか？
あれ？オイラだけ？
うーん、うまく表現できてない？
兎に角、あのブレーキ音が大嫌いなのです。

でも、世の中にはあの音が気にならない人というのがいらっしゃるようです。

梅雨明け宣言のあった大阪の天気は、日差しが一気に夏本番と化し殺人的ともいえる太陽光をふりそそいます。
日陰も無い大通りの交差点で信号待ちをしておりました。
あちーな～、うだるな～、早く信号変わらないかな～。
ぼんやりと前方をみておりました。

これからもっと暑くなると、アスファルトに陽炎がゆらめくのでしょう。
そうなったら、外にでるのはイヤだな～。今以上に引きこもりになっちゃうな～。
なんて思っていました。
するってぇと、右斜め４５度後方から、大気を切り裂き、劈く（つんざく）様な音がオイラの右耳を直撃しました。

キキィィィィィィイイイイイ～～～～～！！
うわぁああ。うるせぇえええええ！

ものすごい音をがなりたてて、年季の入った自転車が止まっております。
黒い日傘をサスベエで自転車に固定し、大きなサンバイザーをつけたご婦人が、涼しい顔してオイラの横におりました。

おばちゃんうるさいよーー！
左右の耳でなんか聞こえ方が変わってる感じがするじゃんか！
っつーか、自分で運転しててうるさくないの？
それとも無頓着なの？
なにもかも感度が下がってるの？

と、まぁ心の中で悪態をついておりました。
しばらくすると信号が青に変わり、ご婦人はまばゆい日差しの中に消えていきました。
オイラはというと、しばらく右耳を抑え耳の違和感を覚えながらテトテトと信号をわたりました。

あー、キィキィ音のしない自転車が欲しいわ～。
どっかに『落ちて』ないかな。