Nicotto Town


猫バカのぶろぐ。うん。   ・・・・・・読んで?


ともだち、トモダチ。[六話]





「・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」



紅葉がため息混じりに舌打ちする。





「だぁかぁらぁ、三人の班にするしかないって言ってんの。

                 耳遠いんですかぁ~~??」






「あ、えっと、あの、」




驚きで上手く舌が回らない。





「わたしは、別にいいんだけど・・・・・・」



私は沙羅の方に目を泳がせる。




沙羅は、目を伏せた。







「・・・・・・じゃあ、決定ね~。」



紅葉が先生の方へ走って行った。







私と沙羅との間に、よどんだ空気が流れる。







「・・・・・・・・・・・・・・・・ごめんね」




沙羅は、そう小さく呟くと、紅葉の方へと駆けて行った。












修学旅行、当日。



「おっはよー!沙羅!!」

紅葉が、私の横を走り抜けて、沙羅に抱きつく。




沙羅は、

「お、おはよう。紅葉。」

と、ぎこちない笑みで返していた。




バスでの移動中、みんながレクリエーションをし始めた。

沙羅と紅葉は、楽しそうにお喋りし、笑っていた。




宿に着くと、部屋に案内された。


同じ班の人は、自動的に同じ部屋になる。

一つの部屋に、二つの班が一緒なのだが、

もう一つの班にも、一緒にいて楽しいような子はいなかった。



それもそうだ。

私には、沙羅しかいないのだから。





一日目は、

班ごとでの自由行動だった。


大仏を見たり、鹿に鹿せんべいをあげたり、神社でお祈りをしたり、

とてもありきたりな所を回ってきた。

夜店でお土産を買う時も、私は一人ぼっちだった。


私にとっては、ただただ、労力を使っただけの一日だった。










                     
                               




                
                     ――――――――――――事件は、その夜起こった。




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