砂埃を巻き上げて　バスがやってくる。
朝このバスに乗ることによって　人間としての一日が始まる。

オクラの花が咲いている。トマトはまだ半分青い。ナスは良く育っている・・・今が食べごろだ。トウモロコシは　黄色い穂を出している。
バスの窓から　畑を眺めているうちに　山の入り口に差し掛かる。

２０メートルほどの低い山だが急坂なので、バスは、エンジンの回転数をあげ、唸りながら坂を上る。
朝日が山の影になり、窓を開けると、草木の香りとともに涼しい風が入ってくる。

山の頂上にさしかかると、急に視界が広がる。
市街地が見える。多くの人間が住む家が見える。
この街には、２０階以上の高層マンション、デパート、ショッピングモールなどもある。
鉄道はひとつの駅で３本がクロスして、都心に向かっている。
都心までは約２０分・・・ここの街はそこそこ都会である。

バスは山を下り、僕は街の駅前で下車した。

朝からもう街の暑さが始まっていた。
僕はこの街の駅から、電車に乗って都心に通勤する。

・・・・・バスに乗ってから約８分。
バスから降りる頃には、僕はネコから　人間に変身しているのだ。

（to be continue)