Nicotto Town



性も根もつきはてて・・・。

オブジェが出来た(材料を使い果たした時)は性も根も尽き果てて、題は「未完成」とした。
誰もが満足してなかったから。
そして「自己が未完成であると言う事を示した作品」と居直った。
本番の日、遅刻していくと、すでにオブジェの周りには人だかりが・・・。

何と学校の備品の柵で囲われていた。どうしたのかときくとロシアンブルー猫軍団の一人が学校側に交渉してあっさりと使ってよいことに・・・。彼女らの親の金の力を実感。

更に譜面台が置かれてオブジェの説明書きの紙が恭しく乗っていた。
此の学校の備品の譜面台も彼女らが用意した。
其の紙には「己が未熟である事。そして自我画一の途中である事を直視し、未来の自分と過去の自分のうんぬんかんぬん・・・、バケツは心を表しており其れを一つの言葉が傷つけ、同じ言葉が心から発した時に他の傷つける・・・云々かんぬん」と朗々と描かれていて、例の国語が得意な彼女が話を聞いて作文したようだ。
更に正面は見る人によって決まると思う。此の作品と自分を対峙した時に何を感じたかが其の作品であり、此れは見た人の感性がその後の完成はどうかなるのかをそれぞれが想像するための作品である」と材料が無くなって途中で終わった作品に説明がつけられていた。


更に感想を書く紙と其れを入れる箱が用意されていた。
すでに用意した鉛筆は使われていて無く、自らの制服のポケットからシャープペンを出して壁に紙を押し付けて感想を描いている学生も居た。

書道の方も人だかりが出来ていて、一つ一つを説明しているが、それでは足りず、何と古典の先生が生き生きと詰襟の進学校の学生達に囲まれて質疑応答をしている。

漢詩の方はなんか別けの解らない爺ぃと書道の先生が挨拶をしている。見たことも無い叔母さん達が来ていて、どうも書道関係のお偉いさんとお弟子さん達らしい。

余程書道をこう言う場で取り上げて展示した事が書道の先生にとってうれしかったようだ。

オブジェの周りの人だかりは途切れる事が無く、此れは何を表しているのかと言う質問に浴衣を着た「案内係り嬢」がメモを見ながら、此れはと説明するたびに感心されている。

何と、構想2ヶ月、材料集めに数週間、展示物が動かせないので製作に丸二日と言う話に摩り替わっている。(どっからでてきたのか解らないが、文化祭に何をやるのかを決め始めたのが2ヶ月前、私が責任者になったのが3週間前、作る事になったのが木曜日からで木金と2日がそう言う話に摩り替わった様だ。)

聞いている人はウンウンと納得している。

もう、私達のでる番ではないと察した子犬軍団は目をそらして、そっとその場を離れる。
雑種猫達はすっかり美術館の案内嬢になりきっていた。

いや~・・・、短歌の説明も、朗々と抑揚をつけて読み上げて、本来なら和服と言う所であろうが、其れが女子学生だから浴衣姿で、もともと言葉使いが丁寧にしつけられているから、まさに鍛え上げられた案内嬢のごとく、毅然と丁重におもてなすと言う対応で其の評価が高かった。
更に古典の先生が付きっ切り状態で生き生きと普段絶対に来ない質問にここぞとばかり答えている姿はとても私達の入る隙がなかった。

棒大学の学生達も沢山来たが「高校生にしてはクオリティが高いなぁ」と言っていた。

更にオブジェと破天荒な絵の両方の作者名に私の名がある事を見つけて、彼女がああなのはこうだったのかと妙な解釈をして納得をしていた。

そして、頑丈に固められた中に触れると脆く崩れる所を作者の一人の私が拘った所でとセロテープで弱弱しくつるした小さな子供用のスキーの説明すると、じ~っと見ていた彼らの中の一人がちょっとぐっと心に来る様な物があった雰囲気で私達は控え室様に作った囲いの中に抜け殻の様にうずくまって外の様子を見ていたのだったが、そんな一面も見てしまった。

ロシアンブルー猫と雑種猫達は声を最後は咳き込みながらも毅然とがんばった。古典先生もいきいきしていた。恐らく自分がやりたかった深く掘り下げる授業なのだろう。
普段、私達は古典で質問などしないから・・・。

当然の様に私達のクラスがダントツで一位だった。

そして隣のクラスは服装が卑猥だと父母の講義で一日目の半日で封鎖された。
更に入った男子学生が卑猥な悩みを相談したらしく、手相を見てくれと手を握った男子生徒も居たらしく、其の為に占い師が途中で出て行ったらしく、何かと問題が起きた見たいで、散々だったようで、隣の担任(若い女教師)がまた泣いたようだ。

いつもうちの担任(棒国立大学から来て、担任を初めて任されたのが私達のクラス)にごちゃごちゃ言っていた学年主任が妙に大人しくなった。
私が責任者なのを辞めさせる様に執拗に言っていたらしい。
一時は本気で「やすき節」を父母達の前で踊ると思っていた様だ。
うちのクラスの猫軍団達のお嬢プライドの怖さを知らない様だ。
私の言う事など聞くわけないだろう。

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2011/06/30 23:51
高校生でも、いろいろなんですねえ。
お金持ちもプライドかあ。

知り合いの金持ちの子弟は、プライドと云うより、余裕ってことばのほうがピッタリでしたね。

でも、時間がない中で、やり遂げたところが、よかったんですね。

しかも、意外と(失礼)よい評価でしたし。

後、芸術は解釈でなりたっているところも有るから、
当日のフォローがよかったんですね。

ほんと、青春の1ページを飾る、忘れられない出来事でしたね。
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2011/06/30 23:27
オブジェの前で「やすき節」はやりたかったですねぇ♪

でも、私はロシアンブルー猫軍団達を認めましたよ。
浴衣の着崩れをいつも影で直して「凛」としてましたからね。
大和なでしこの埃をたまに居る下劣な質問をする大人の男にも毅然と顔色ひとつ変えず、まじめな応答で切り替えしてましたから、事前に基礎知識を勉強して無いと出来ないのと、プライドが動揺する態度を見せる事を許さなかったのでしょうねぇ。

それに比べたらこっちは、芸術じゃなく、大工でもなく・・・。
でも、向こうもこっちを見直したみたいで、お互いに戦友と言う感じに終わったらなったけど・・・。
向こうは充実感、私は虚無感。
唯、突貫工事の彼女達への最良の舞台を作ってあげたと言う事なのかと思ったけどね。
良いとこ取りをされたけど、私達にはあそこまで出来なかったとは思ったし、向こうも自分達だと此処まで何でもありにやらなかったと思ったと思う。

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2011/06/30 21:47
ほう、いい結末ですね。(笑)

終わりよければ、すべて良し。

せっかくだから、オプジェの前で「やすき節」やって欲しかったですね。^^
「阿波踊り」でもいいし。



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