「遙かなる光」
- カテゴリ:小説/詩
- 2011/06/19 20:41:48
絵を描く者のはしくれとして。
若い日に友人を失った者の一人として。
このSF小説は、重いテーマを持っている。
フェミニズムやジェンダーが盛んに論議された7~80年代、エリザベス・リンが書いたこの小説は、賛否両論の話題になったらしい。
主題の一つに同性愛が含まれているからだ。
当時のSF分野は保守的で、こういったテーマはかなりかなりあれだったようだ。
私にとっては、友人を失った痛みを和らげる良薬の一冊となった。
以来、繰り返し読む。
もう、保存用の一冊も崩壊寸前だ^^;
ジムソン・アレッカは、銀河中に名をはせる有名な青年画家。
地位、名誉、財産、友人と全てに恵まれた彼だったが。
ただ一つ、どうしても手に入れられないものがあった。
それは、星々へ旅立つこと。
彼は不治の病に犯されていた。
宇宙線を浴びると、一年とその命は持たない。
故郷にいる限り、投薬治療で平穏な一生を過ごせるのだが。
その平穏な生活を捨て去っても、異なる星の光、「遙かなる光」のもとで新しい絵を描きたいと熱望していた。
そんな彼の元に、旧友で恋人でもあった、ラッセルから、星の座標と彼のホログラムが刻まれたキューブが届く。
ジムソンは、迷うことなく、命がつきるまで「遙かなる光」を追いかける旅にでる、友が待つ星の座標まで。
その行き着く先は・・・。
エリザベス・リンの描き出す「遙かなる光」は、作中に出てくるクリームゴールドのワインと、オパールの仮面ににも似ている。
極彩色で、いろいろな光に輝く宝石のオパールのようだ。
…その光に酔いたくなる時がある。
そうなんです、良薬な本って存在するよね。
それが漫画でも、小説でも、、ラノベでも。
心に残る一冊が、自分の名作やと思います。
重度の活字中毒者は…
読み物がないと車内吊り広告まで読んでるからw
当時のアメリカでは、賛否両論。
日本では、コアな腐女子に人気がでたとか^^;
確かにそんな描写もないとはいわへんけど、名作SFやと思うなあ、私は。
ええかげん、新古品を保存用としてかわなあかんと、思ってますw
Yureさんならご存知かなと思ってました。
遠い日の思い出とつながる古い作品は、どうしても忘れられません。
懐かしい記憶が蘇って、泣きたくなりますが。
それも大事な思いだと、そう信じてますから。
この本があったから耐えられたといった本が・・・
これは読んだ事ないけど、7~80年代で同性愛が含まれてるSF小説……
確かに異端というか、賛否両論があったのは良く分かる^^;
ちょこっと検索したら、文庫本が昭和56年発行、丁度30年前。
保存用が崩壊寸前になるまで読み込んでるなら、今のうちに古本の良品を探しといた方が……
と、いらんお節介を言ってみるww
ラトさんのお好きなものは、なんというか、私には失くした記憶をもう一度思い出させるヨリシロになります。
でも、なんだかもれなく泣きたくなるようなことばっかり出てきます・・・