Nicotto Town



迷ったけど、誰かの役に立つなら

其の日は暑い日で私は一番後ろの廊下側。
クーラーなんて無い時代だから、窓と教室の戸は開けっ放し。
私は静かに教師の隙を見て椅子をずらし、しゃがんで、横にずれて椅子を戻し、隙を見て教室の外に出る。
いつもの風の通り道がある教師用の玄関(生徒用はしまって鍵が掛かっている)の階段を上がって、増築されたために其処は他の棟が4階で屋上がフェンスに囲まれているが、其の棟だけは5階建てで屋上のフェンスはまだつけてなった。
暑いので風のとおりみつをつけるために教師や来客用の玄関はフルに開けっ放しになっており、そして其の屋上のドアの開けてあった。
私は其処を見つけて、其の途中のめったに人が来ない階の踊り場で涼む事にしていた。

其処へ行こうと歩いていると、私の同じクラスの寮に入って事情の知っている人が私を見つけて彼女を見なかったかと聞いた。
「授業中に母親からの呼び出しで出て行って、もう2時間も過ぎるのに帰ってこない。15分くらいと言うので昼休みに帰ってくるというので玄関まで送ったけど、とっくに帰ってきてどこかに行ったのじゃないかと先生達と学校中を探しているんだけど・・・」と言う。
見つけたら知らせるよと別れて、其の階段を上るために正面玄関に向かう。

正面玄関に着きそうになると一台の濃紺のベンツが玄関に横付けされた。その子が降りてきた。
「あっ、みんなが探していたよ」と知らせようと近づいた。
私は其の運転していた男の顔をしっかりと見た。すぐに母親が乗っているのかと車の中をぐるぐると顔を動かしてみたが母親が乗ってない。
ドアが開いて彼女が降りてきて、すれ違った私に此れだけ近いのに気がつかないようだった。其の顔は元来の白に青が混ざって薄グレイーの混ざった色で、顔は硬直して、石の殺された女あらわした彫刻のように目がつりあがっていた。

車はすぐに去っていった。鉄パイプが在ったらお前何をやったと其の車のフロントガラスを割るところだったが、何かフロントガラスを割る物を探したが、其の間に車は去っていくし、彼女を私に気がつかないように其の階段へ向かっていって行くために私の横を通り過ぎた。
私はとっさに増築された5階の屋上を連想した。フェンスが無い!

玄関脇の事務所を除いたが、いつも数人居るのに誰も居ない。
「だれかぁ~!だれかぁ~!」誰も出てこない。

「ち、ちくしょ!」私は階段へ向かって走り出した。階段を数段上がったときに、同じクラスの彼女を探している子が目に入った。私は大声で彼女を呼び、先生を連れてくるように言った。「私はすぐに彼女を追いかける。あそこはフェンスが無い!」の一言で彼女がよろっとよろめいた。動けないで居る。(糞!)と私は思った。此の子を職員室まで連れて行く暇は無い。上った階段を飛び降りて彼女の肩を掴んで振り回して、兎に角先生を連れて来いと顔を覗いて叩き込むように言った。

我に返った彼女はすぐにどこかにむかった。
私は(間に合うか!?)と思ったけど、階段をとびとびで上がっていった。

まさに寸前で間にあった。本当に寸前だ。何せ私が掴んだのは彼女のスカートだから。
つまり説得する暇も無い。あんなのテレビの世界だ。
スカートは半分乗り出している彼女の重みでファスナーも何もかも取れて脱げてきたので今度はブラウスに手を持ち替えたブラウスのボタンも取れて、運が良いのか悪いのか、半分前までしか上から開きのブラウスだったので、彼女はブラウスの前ボタンが取れた先に首がひっかかった。つまり、それだけで、殆どの体重は重力に引かれている上体で、私は僅かな後ろのブラウスの端を爪が痛くなるほど両手で掴んで僅かな屋上の出っ張りで足を突っ張っている状態だった。

彼女は何を思ったのか、少し戻ってきた。そしてよろけていた。
今度は彼女の顔は真っ赤になっていた。血が重力で頭に上ったのと、私が必死に引きとめたために首がブラウスで絞まったようだ。
何か言おうとしても其の為に声が出ない。

私は必死に無い知恵を絞りきって説得した。「そのまま死んだら、其のみっともないスリップ(スカートは脱げていた)姿の死体が出来るんだよ。大勢の人が警察が来る前に覗きに来るよ。美しくない醜い死体はいやでしょ!」
彼女は何かを言おうとしているが声が出ない。しきりに首を押さえている。

でも、じっと虚ろな目したがすぐに前にらむとまた飛び降りようと端のほうによろっと動き出した。

だめだ!美しい死体を夢見て死ぬなんて言うバカ女と違う現実なんだ!と私はとっさに思った。色々な事情を持った同年代の女達を私はもう知っていた。

今度は彼女の前に立ちはだかった。「私を殺してから死になさいよ。あんたは何の罪も無い、何の関係も無い人を殺すんだよ。極悪人になるんだよ!」
其の説得も無視された。私の腕をあっさりとよけた。「!つ、つよい。此の強い腕の力は私より強い。私は彼女を押し戻せない!」それはすぐに解った。多少鍛えていたが、狂った女の性なのか、違う鍛えている細い腕だ。

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2011/06/15 01:13
感謝なんか、されなかったよ。
学校はそれどころじゃなかった。

更に私には授業を抜け出していたことがばれた。
何と席替えで、教壇の前から2番目に移るという罰が与えられただけ!
しかも、其処にまっていたのが、手首に包帯を巻いた手入れした長い黒髪の美少女。

ふざけるな!と思ったよ。見え見えの担任の策略にそうは行くかと彼女とは(しばらく)口を利かなかった。
すると刺客を担任は送ってきた。事情を知っている子を私によこして聞きたくも無い其の子の事情を話し始めた。

其の前の子が余りにも余りだっただけに「しねば~」と言う私の感想。
学校もその子どころじゃない状態だったので、さほど気に留められないので私に押し付ける幹事と言うか、問題児二人を目の届くところと言うか・・・。
私にとって酷すぎない!?
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2011/06/14 22:00
大変でしたね。

人助けすごいじゃないですか。
5階の屋上じゃ、結構怖いですよね。頑張りましたね。

後で、ずいぶん感謝されたんじゃないですか。



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