ともだち、トモダチ。[三話]
- カテゴリ:自作小説
- 2011/06/11 18:12:03
幸せな時間が止まったのは、六年生の頃だった。
「あ~もうすぐ修学旅行か~。たのしみだねっ、沙羅♪」
「うん!班一緒にしようね!」
いつものように教室で沙羅と喋っていた。
人気がある沙羅は、他の子に
「ねえねえ沙羅~、班一緒にしようよ~」
と、誘われていたのだが、
沙羅はそれをすべて断り、
私と一緒がいいと言ってくれるのだった。
そんな私たちの間に亀裂が入ったのは、ある事がきっかけだった。
ある日の昼休み、私はお手洗いにいた。
個室から出ようとすると、なにやら人のくぐもった声が聞こえてきた。
耳をすまして聴いてみると、会話をしているようだった。
「ねぇ、沙羅って本当に花梨のこと好きなの?」
「え・・・そ、そんなことないよ!」
え?
沙羅? 何言ってるの?
私たち、友達じゃないの?
私はパニックになり、ガチャリとドアを開けた。
「あ・・・・・・・・・花梨・・・・・・・」
驚き立ちすくんでいる沙羅が、
見たくないのに見えてしまった。
似たようなこと…。
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by管理人れう
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