Nicotto Town



二次元の世界をただよう~u

娘が小学生高学年になるとちまちまとお金を貯めてはコミックを買い揃えだしました。
1度其の前に雑誌で読んでるんだからわざわざコミックになったのを買わなくてもと思いながらも、ほおって置く。
雑誌は町内の廃品回収日に貯まった新聞と一緒に指定の場所にもって行きましたが、コミックは本人が本棚に順番にそろえておいてました。

それこそ、何時の頃だっただろう。まず「僕の地球を守って」辺りから、私はそれを取って朝の家事が一段落したときに読むようになりました。

そしてあの本に手をだしたのです。
「闇の末裔」を開いた途端にそれをすぐに閉じて、胸が苦しくて、哀しくて、切なくて、何かを思い出しました。
其の絵は彼に似ていたのです。あの天気図の彼でした。髪の形も目線も。
私は見てはいけないものを見た、あってはいけない人を目撃したような気になった。
それから落ち着いて其のコミックを読み始めました。内容は漫画の世界ですが、私は家族を裏切っているような後ろめたさを感じたのを覚えてます。

「お母さん、其の本気に入ったの?」との質問。娘は何度も何度も「闇の末裔」だけは読み返していることを知っていたようです。

それがアニメになってテレビで放映されました。

ちょうど実家にいたときに其のアニメが放映されてました。
私は母に「此の主人公を見ると胸が苦しくなる。●●君(天気図)に似ているから・・・」と何気に言った。

母はしばらく私の顔を見て、今だから言えるけど、ちょうどお前達家族が●●にすんでいた時(娘が生まれて1歳の時に夫の都合と夫の家族の都合で夫の実家に一緒に住んでました。)、大人になった天気図と最初に私を振った二人が実家を訪ねてきたそうです。同窓会があって、(其の知らせも母は私に知らなかった。)其処で私の話が出たそうです。

最初は笑い話の種で出たのかも知れないけど、そんなに傷をついたのかと言う事を知って、誤りに来たそうです。

母は私が結婚して子供も生んで、夫の遠い他県の夫の実家に今は住んでますと言って彼らを帰したそうです。そして其の話は胸にしまってずっとしないで置いたそうです。

「あの時、其の話をしていたら、どうなっていた?」と赤い目をしてこわごわ聞く母に私は、私は何も答えられなかった。

畳み掛けるように「子供も居るんだよ」と私の心の奥底が見えているように言いました。
私は目をつぶって、心の中にめぐる闇の中に潜む、或いはと言う酷い可能性を打ち消すのに必死でした。

当時、なれない土地で舅、姑、小姑との生活。与えられた狭い部屋。なれない風習。
母が持たせてくれたいくつ物、オーダーして作らせた服は何の役にも立ちませんでした。
つまり家にこもって家事育児に専念する嫁にとって、どう見ても外出着の服の山は必要なかったのです。唯の日常着が沢山欲しかったのに、かといって、自由に日常着を買う権利は私は其の家でなかったのです。

場違いな外出着を着て犬の散歩に出るときだけが息抜きが出来る僅かな時間でした。

家族以外になれないといわれていた成犬になった秋田犬はすんなり私になつきました。
犬を飼ってましたから、当然です。

私は其の近所で場違いな服を着て犬の散歩に出て、少し土手の高い所に座って泣きました。犬が私の顔をぺろぺろとなめるのを止めながら。

壁一枚隔てた部屋が小姑の部屋。喧嘩するにも手書きです。

豹変したようにも見える夫も仕方が無かったのだと今は思えます。

私から実家に電話もかけることも気兼ねして出来ません。当時は地区が離れると電話代が異常に高かったのです。NTTは国営を良いことに電話代はやりたい放題でした。

実家から掛かってくる電話も取り次いだ姑が側に必ず聞き耳を立てていました。それを何気に母に知らせる私に母も大体の状況は気が付いていたのでしょう。

此処は嫁の誰でもが通る一番辛い時期です。此処に何かがあったら、はじけ飛ぶ可能性を姑と暮らした母が一番知っているのです。
母にとって耐えさせなきゃいけなくて、私にとって耐えなきゃいけないのです。

母の同窓会が在る事を知らせなかったことも、彼らが来たことを知らせなかったことも、姑の居る家に嫁いだ母の機転でした。
そしてそれが当たってなかったと其の時の私には言えない闇の中をぐるぐる蠢く何か自分ではどうにもならない物が「間がさす」とか「煩悩」とか「業」とか言う名前の付くような黒い珠が一つ心の置くの引き出しにありそうな気がしたのです。

此の子を捨てていたかも知れない。道をはずしていたかも知れない。まだあの時の年齢が取り返しが付かないという意味を理解させなかったのかもしれない。

すっかり中年太りになり、私は自分が築いてきたゆるぎないものの上に「君臨」して、姫ではなく、すでに女帝としての地位を築きいたいま、何をのぞむでしょう。
人間って、何て素敵な生き物だろうと思う。
それでも、煩悩も性も業も薄くなってやわらかくなって暖かくなって消えていかない。

今は二次元の世界を自由に漂い、背泳ぎ、クロール、バタフライと泳ぎまくってます。

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2011/06/11 08:04
ふ〜ん、引きずるもんなんですね。

焼けボックリに火がついて、なんて言葉もありますが。。。

去年のことですが、小学校の同級生(女)と一緒に近所の居酒屋で飲むことになって、
もう一人男が居たんですが、
どんな会話をしてたのか、まったく記憶が無いのに、
居酒屋のおかみさんに「ダメよ、焼けボックリに火がついちゃうことだってあるんだから」
って言われたのだけ、覚えてます。
ちょい怪しい雰囲気だったらしい。
お互いにその気が無かったんで、ことなきを得ておりますが。



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