顔面麻痺の治療
- カテゴリ:勉強
- 2011/05/08 00:55:34
今日の講習会です。
症状の出始めは、眼科領域ぽかったり、内科領域ぽかったりするが、実は耳鼻科が治療の中心。
脳梗塞との鑑別をする必要有り。
およその識別砲として、額を動かせたら耳鼻科領域の可能性が高い。
発生はほとんど片側だけで、両側に発生することは極めて稀。
顔面神経が頭側骨内部で圧迫されて炎症が起こった結果、更なる圧迫が誘発されて、その結果炎症・圧迫部位の神経が途切れて顔面麻痺発生。
原因は、帯状疱疹ウイルス。
なので使う薬は、抗ウイルス剤と、炎症を抑えるために大量のステロイドを使用。
発症して3日以内日量開始したら、かなりの確率で顔面麻痺は回復する。
10日以上になると、抗ウイルス剤の効果は限定的になり、14日過ぎると、治療は無効。
こうなると、顔面神経が通っている骨を削って神経への圧迫を軽減するしかない。
この手術後、筋肉が走っている向きに沿って麻痺部位をマッサージしたり、マッサージの結果少し動くようになってきたら、鏡を見ながら麻痺部位を動かすリハビリ。
半年~1年で回復するが、それ以上になると、リハビリでも難しく、顔面の筋肉を切ったり、口元を吊り上げたり、背筋を移植する手術をしないと回復できない。
ボツリヌス毒素を注入する方法もあるが、効果が4ヶ月程度しか続かないため、効果が切れる前に注入を続けていく必要がある。
費用は毎回30,000円程度。
顔面麻痺の患者にであったら、「時間があったら」ではなく「即刻」受診させることが、麻痺を残すことがない治療に繋がる。